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公開日:2022年9月8日 更新日:2022年9月8日
「特集 区役所の現場―新型コロナウイルス感染症 対策編―」に寄せて
現在、区内には約200の発熱外来がありますが、これは他区と比較にならないくらいの多さです。発熱外来を実施している医療機関の医師が中心となってワクチン接種を行ってくれたため、多くの区民の皆さまが医療機関の個別接種を利用してくれました。
また、足立区では巷で言われているような医療崩壊はないと認識しています。他の自治体では何十件電話しても発熱外来の電話が繋がらないということも聞きますが、足立区ではありえません。一回の電話では無理かもしれませんが、数カ所電話すれば、どこかの発熱外来には繋がるはずです。
医師会がこうした体制を築くことができたのは、月曜日と金曜日の毎週二回、副区長や衛生部職員と足立区医師会理事で意見交換を続けてきたからです。区にはできることとできないことがありますし、医師会にもできることとできないことがある。そういった部分を双方がうまく補填しあえたことが一番大きいと思います。信頼関係が構築されたことで、「お互いがやるべきことをやる」という好循環が生まれたのではないでしょうか。
戦後復興期、結核などの感染症の流行を受けて発足された医師会の役割が、近年はだいぶ変わってきていましたが、新型コロナウイルス感染症の発生を受けて、足立区医師会は原点に回帰しました。行政も支援してくれているので、区民の皆さまも「皆で新型コロナウイルス感染症を克服していくんだ」という意識を持って引き続き対策をとってもらえれば、いずれ新型コロナウイルス感染症は収束していくと考えます。
区民の皆さま、医師会、行政が高い意識を持って対策に取り組んでいる今のこの状態を受け継いでいくことで、子や孫の世代で発生するかもしれない新たな感染症の対応にも役に立つはずです。
足立区医師会 阿部 聡 会長
(医療法人社団 慈航会 阿部メディカルクリニック 院長)
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