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公開日:2015年8月4日 更新日:2015年8月4日

食中毒の原因となる微生物

代表的な食中毒菌とウイルスについて説明します。 

 カンピロバクター

原因食品

加熱不十分な食肉(特に鶏肉)、生肉(鳥刺し、レバ刺し)

潜伏期間

2日から7日(平均2日から3日)

主な症状

腹痛、下痢、発熱、まれに手足の麻痺・末梢神経障害

特徴

家畜(鶏、豚、牛)、ペット(犬、ねこ)、野生動物などの腸管内に生息しています。少量の酸素がある状態でしか増殖できないので常温の空気中では徐々に減少します。
潜伏期間は長く、ごく少量の菌でも食中毒を起こします。近年、カンピロバクター食中毒の発生件数は増加傾向にあります。

予防のポイント

  • 肉の生食(特に鶏肉)はやめて、十分に加熱して食べましょう。
  • 生肉が他の食品(加熱調理済の食品)に接触しないよう気を付けましょう。
  • 生肉を取り扱った手指や調理器具類は十分に洗浄しましょう。
  • 使用した調理器具は洗浄後に熱湯で消毒し、しっかり乾燥させましょう。
  • ビルやマンションの受水槽は清潔にし、野鳥の糞が入らないよう管理しましょう。

カンピロバクター食中毒対策には下記のページをご参照ください。

「食中毒予防食肉、内臓は生で食べると危険です!」

 

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 腸管出血性大腸菌(O157など)

原因食品

加熱不十分な肉、生肉(ユッケ、牛レバ刺し)など

潜伏期間

2日から8日

主な症状

腹痛、下痢(水様性・血便)、おう吐、まれに溶血性尿毒症症候群

特徴

大腸菌は人や動物の腸管内に分布し、通常は病原性がありませんが、いくつかの大腸菌は人に対して病原性があります。
腸管出血性大腸菌O157は「ベロ毒素」という毒素を産生し、腹痛や血便などの出血性腸炎を起こします。また、わずかな菌(数個から数百個)の摂取でも発症する場合もあります。
健康な成人では、感染しても症状がなかったり軽い下痢で済むことが多いのですが、小児や高齢者の場合には重症に至ることもあります。

予防のポイント

  • 肉の生食(特に牛肉)はやめて、十分に加熱して食べましょう。(75度1分間以上)
  • 生肉が他の食品(加熱調理済の食品)に接触しないよう気を付けましょう。
  • 生肉を取り扱った手指や調理器具類は十分に洗浄しましょう。
  • 使用した調理器具は洗浄後に熱湯で消毒し、しっかり乾燥させましょう。
  • 焼肉をする場合は、食べる箸と取り箸を区別しましょう。
  • 生野菜(特に生で食べる場合)は十分に水洗いしましょう。

O157食中毒対策には下記のページをご参照ください。

「食中毒予防食肉、内臓は生で食べると危険です!」


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 サルモネラ

原因食品

食肉、鶏卵、レバ刺し、スッポンなど

潜伏期間

12時間から24時間

主な症状

腹痛、水様性の下痢、発熱(38度から40度)、脱力感、倦怠感

特徴

動物の腸管や河川、下水など自然界に広く分布し、2500種類以上の血清型が知られています。中でもサルモネラ・エンテリティディスによる食中毒が多発しています。また、ネズミやペット動物を介して食品を汚染することもあります。

予防のポイント

  • 食肉、卵などを扱った手指や調理器具は、十分に洗浄・消毒しましょう。
  • 卵は新鮮なものを購入し、購入後は冷蔵庫で保管しましょう。
  • 卵を生食する場合は表示期限内に食べましょう。
  • 卵の割り置きはやめましょう。
  • 肉や卵は十分加熱しましょう。
  • ネズミ、ゴキブリ、ハエなどは駆除しましょう。

 

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 腸炎ビブリオ

原因食品

魚介類の刺身、すしなど

潜伏期間

10時間から24時間

主な症状

激しい腹痛、下痢、発熱(38度前後)、吐き気、おう吐

特徴

海水中や海泥中に分布し、水温が20度をこえると海中で増殖します。海水程度の塩分を好み、夏場に沿岸海域で活発に増え、近海で採れる魚介類から検出されます。
日本では魚介類を生で食べる習慣があるため、腸炎ビブリオによる食中毒が夏場に多く発生します。

予防のポイント

  • 腸炎ビブリオは真水に弱い菌です。生の魚介類は水道水でよく洗いましょう。
  • 他の細菌より早く増殖するので魚介類は冷蔵庫に保管しましょう。
  • 熱に弱い菌なので、加熱調理が有効です。
  • 魚介類の調理に使用した包丁、まな板はよく洗浄しましょう。

 

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 黄色ブドウ球菌

原因食品

おにぎり、弁当、サンドイッチ、生菓子など

潜伏期間

30分から6時間(平均約3時間)

主な症状

激しいおう吐、吐き気、腹痛、下痢

特徴

化膿した傷やおでき、にきび、鼻腔、のど、皮膚やほこりの中にいます。
増殖する際に「エンテロトキシン」という耐熱性の毒素を産生します。エンテロトキシンは調理加熱では分解できません。

予防のポイント

  • 手指の洗浄・消毒は十分に行いましょう。
  • 手指に切り傷や化膿傷のある場合は、食品に直接触れないようにしましょう。
  • おにぎりを作る時はラップで包んで握りましょう。
  • 調理済みの食品は10度以下で保存し、菌の増殖を抑えましょう。

 

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 ウェルシュ菌

原因食品

大量に調理されたカレー、シチュー、スープなど

潜伏期間

6時間から18時間

主な症状

腹痛、下痢

特徴

人や動物の腸管、土壌や水中など酸素の少ない環境を好む菌です。
大量の食品を加熱調理した後の鍋の底は酸欠状態になります。徐々に温度が下がった鍋の底はウェルシュ菌の増殖に最適な条件となります。
熱に強い「芽胞」を作るため、加熱調理した食品でも食中毒を起こします。

予防のポイント

  • 前日調理は避け、加熱調理したものは早く食べましょう。
  • 鍋の中を酸欠状態にしないために、鍋をよくかき混ぜましょう。
  • 大量の食品を加熱調理した後の保存は小分けにして冷蔵庫に入れましょう。

 

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 セレウス菌

原因食品

チャーハン、ピラフ、スパゲッティなど

潜伏期間

おう吐型:1時間から5時間

下痢型:8時間から16時間

主な症状

おう吐型:吐き気、おう吐、腹痛など

下痢型:腹痛、下痢など

特徴

熱に強い「芽胞」を作り、土壌、水中、ほこりなど自然界に広く分布し、農作物などを汚染します。
食品中で増殖する際に、いくつかの種類の異なる毒素を産生します。食中毒の症状は毒素の違いにより、おう吐型と下痢型に分類されます。

予防のポイント

  • 一度に大量の米飯やめん類を作り置きせず、必要な量だけ調理しましょう。
  • 穀類などを原料とした食品を保存する場合は冷蔵庫で保存しましょう。

 

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 ボツリヌス菌

原因食品

缶詰、びん詰、真空パック食品など

潜伏期間

8時間から36時間

主な症状

吐き気、おう吐、視力障害、言語障害、えん下困難(物を飲み込みづらくなる)、呼吸困難

特徴

酸素のない状態を好む菌で、土壌や海、河川などの自然界や動物の腸管などに分布します。
熱に強い「芽胞」を作ります。また「ボツリヌス毒素」という神経に作用する強力な毒を作ります。

予防のポイント

  • 真空パックや缶詰が膨張していたり、食品に異臭(酪酸臭)がある場合には食べるのはやめましょう。
  • 「ボツリヌス毒素」は熱には弱いので、加熱できるものは十分に加熱してから食べましょう。
  • レトルト食品に類似した食品は、保存方法を確認して適切な保存をして期限表示以内に食べましょう。

 

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 ノロウイルス

原因食品

カキを含む二枚貝など

潜伏期間

24時間から48時間

主な症状

吐き気、おう吐、腹痛、下痢、発熱(38度以下)など

特徴

小さな球形をしたウイルスです。年間を通して発症しますが、11月から3月に流行します。
ノロウイルスは感染した人の腸内で増え、おう吐物や便に混じって多量に放出されます。ノロウイルスは食品中で増えることはありません。
人から人へと感染する場合と、ノロウイルスが付いた食品を食べて感染する場合があります。

予防のポイント

  • 調理や食事の前、トイレの後などはよく手を洗いましょう。
  • ノロウイルスにはアルコールが効きません。手を洗うときは、石けんを使ってしっかり洗いましょう。
  • カキなどの二枚貝は十分に加熱してから食べましょう。(85度、1分間以上)
  • 下痢、カゼに似た症状のある方は、調理に従事しないようにしましょう。
  • 便、おう吐物の処理後は十分な洗浄と消毒を行いましょう。

家庭でのノロウイルス対策は下記のページをご参照ください。


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お問い合わせ

足立保健所生活衛生課食品保健係・食品監視係
電話番号:03-3880-5363から4(直通)
ファクス:03-3880-6998
Eメール:seikatueisei@city.adachi.tokyo.jp

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