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公開日:2023年11月20日 更新日:2023年11月27日
足立区内の障がい福祉サービス事業所で活動されていて、本企画にも作品を出展される制作者の方に、作品制作のきっかけや注目してほしい点などをお話しいただきました。
第42回ADACHI障がい者アート展(令和5年度足立区障がい者週間記念事業)トップページに戻る
「あーと 楽しみです。」
作品名『かたち はーと はちみつ はち ほし』
安澤さん「支援員が色々な形を見せてくれて、面白そうだなと思ったから。」
支援員「支援員が色々な図形の描かれたパンフレットを安澤さんにお見せすると、その中からご自身で今回のテーマとなった星やハート、六角形の形を選びました。それぞれの形に模られた画用紙に、色や細かな模様を迷いなく思いのままに描き進めていました。」
安澤さん「星マークと六角形のマーク。」
指をさしながら教えてくれました。
支援員「このマークは特に模様が細かくて色もカラフルですね。」
安澤さん「うん。」
安澤さん「あーと頑張ります。見てみてね。」
安澤さんは学生の頃から絵画教室に通われていてアートが大好きです。いつも時間をかけて丁寧に作品制作に取り組み、完成時には恥ずかしがりながらも誇らしげに作品を見せてくれます。この色合いや模様のバランスは安澤さんにしか描けないアート作品です。星、ハート、六角形のデザインと、その独特な安澤さんの感性が反映された作品を、ぜひ見てみてください。
「ハロウィンとスーパームーン」
作品名『ハロウィン』
大貫さん「10月はハロウィンだから。」
※ 10月はインタビューさせていただいた月になります。
支援員「この作品はご本人がインスピレーションを受けたスーパームーンと、ハロウィンを融合させたものを制作したそうです。見た映像を立体的な作品として表現しました。」
大貫さん「かぼちゃの目。折り紙で四角い形に切りました。」
支援員「大貫さんが作品を制作する際は、素材の選定からサイズの測定に至るまで一貫して高い集中力とこだわりを持って、細部にまで力を注いでいます。ご本人はとても手先が器用で、身につけているアクセサリーも全て彼女の手作りです。立体作品の制作も得意です。」
大貫さん「ハロウィン見てください。」
支援員「昨年度はご本人の隣にあるマネキンヘッドを制作しました。今年度は大貫さん独自のハロウィンとスーパームーンの世界観を楽しんでいただきたいです。」
「作品の制作中は、右手のマヒを忘れるほど、夢中で取り組みました。」
作品名『~いまさらジロー~ おでん屋ジロー』
夏に焼き肉屋でお肉を食べている時にふと、ビビッと衝動が湧きました。すぐに作品を作り始め、半年間にわたり、1時間ずつの作業を重ねてこの『おでん屋ジロー』が完成しました。
こんにゃく、たこなど、粘土で一つ一つ丁寧に形作り、色を施しました。つまようじを具材に通す作業や、枠を固定させる工程がグラグラしてうまくいかず、難しかったです。この作品で特に心を込めたのは、こんにゃくです。その独特の食感と見た目を再現することに挑みました。さらに、おでんの出汁はレジンで、一層一層塗り重ねる工程を繰り返して、本物のように見せることに成功しました。
脳卒中の前は百貨店で働いていましたが、ある日外出して声を上げられずに倒れ、病院に運ばれました。最初は喋ることもできませんでしたが、リハビリを通して少しずつ声を取り戻しました。
作品制作の他にも足立区の花火が大好きで、自分で写真を撮影し、Tシャツにプリントして身につけています。作品制作は左手だけを使って、私はこの作品を完成させることができました。作品の制作中は、右手のマヒを忘れるほど、夢中で取り組みました。ぜひ、障がい者アート展に足を運んで、『おでん屋ジロー』を観にきてください。
「私の気持ちを瞬時に詩に変えることができるようになりました。」
作品名『Kanon memory』
この作品は、日常生活の風景や瞬間から生まれた俳句の詩です。街を歩いていると、ふと詩が舞い降ります。夏の星の輝きや足立区の花火大会の輝きを感じ、それを俳句に表現します。あじさいの花を見つけた瞬間や風景を眺めていると、詩が心から湧き上がります。
注目点は、美しい表現が伝わるような詩を紡いだところです。タブレットを使って詩を紡いでいきました。
俳句を始めたのは、私が18歳の時でした。その当時、自分の気持ちを言葉で表現することが難しく、日常が退屈に感じられました。そんなとき、俳句に出会い、詠むことの楽しさに魅了されました。以前は自分の気持ちを詩として表現するのは難しかったですが、今は音声読み取り機とタブレットの進化により、私の気持ちを瞬時に詩に変えることができるようになりました。
今年もアート展に出展し、家族と共に作品を楽しむ予定です。自分の作品を他の方々に見ていただくことは少し緊張しますが、それ以上に皆さんが楽しんでくれることを願っています。
「育児が、リハビリになっています。」
作品名『希望の虹』
子どもがおもちゃを使って元気に遊んでいる姿、将来幸せになってほしいという気持ちを表現しようと思いました。
私は大学でデザイン科を専攻していました。片麻痺のため右手だけで作品を表現しています。一つひとつの素材をのりでつける工程は、大変というよりも楽しみながら制作しました。
出産時、脳出血で急に片麻痺になりましたが、子どもは無事に生まれました。最近は、自宅内で子どもがおもちゃで遊ぶようになりました。子どもがまだ小さいので私がおもちゃの整理や片づけをしていますが、私のリハビリになっていることに気が付きました。
人生には予期せぬ様々な試練が存在しますが、一生懸命に生きる姿を伝えようとしていることを感じてもらいたいです。
「仲卸時代からクリエイティブな活動を行いたいと常に考えていました。」
作品名『カツオ』
このカツオは、豊洲での仲卸をしていた経験から私の好きな魚であるカツオに着目して制作しました。
新鮮なカツオ特有の紫色の輝きが本作品の最大の見所です。この作品はGoogleレンズにおいても「カツオ」としてAIに認識されます。
常に夜勤という勤務形態の下、日々の生活リズムは夜11時の出勤というものでした。東京オリンピックが開催されていた時期に自宅で倒れ、職場に行けず、翌日には上司が自宅を訪れ、緊急入院という事態に至りました。今はリハビリに励む中で、創作活動に挑戦しています。
仲卸業をしていた時から、絵画や太鼓演奏などのクリエイティブな活動に憧れがありました。魚好きな人がいたら、ちょっとでもホッコリしてくれる人がいたら、嬉しいです。
インタビューを引き受けてくださった上記の制作者の皆様の作品は、令和5年11月30日(木曜日)から12月6日(水曜日)まで足立区役所に展示されます。実際の作品をご覧にぜひお越しください。
最後に、本インタビューの実施にあたりご協力いただいた作品制作者の皆様および関係者の皆様にこの場をお借りして、心よりお礼申し上げます。
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