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公開日:2020年11月23日 更新日:2020年11月23日

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障がいのある方、ピアサポーターと一緒に、一歩踏み出してみませんか?

令和2年11月25日号のあだち広報では、障がい福祉センターあしすと(以下、あしすと)のピアサポーターお二人を特集しました。「同じ障がいのある仲間に出会ったことで、人生がより楽しくなった」という自身の経験から、悩みを抱えている方の力になりたいと活動するお二人の想いをご紹介します。

※障がいのある方が自らの体験に基づいて、同じ障がいのある方の相談相手となり、社会参加や問題の解決などを仲間(peer)として支援する活動のことを「ピアサポート」、この活動をする人を「ピアサポーター」と呼びます。

 

12月3日~9日は障害者週間
【特集】障害者週間ってなんだろう?

視覚障がいピアサポーター 荻野 美恵子さん

40歳で初めて自分が重度の障がい者だと気付いた

40歳で初めて自分が重度の障がい者だと気付いた

私は生まれつき網膜色素変性症という目の病気で、暗いところではほとんど見えていませんでしたが、日中は外で普通に遊べるほどに見えていたので、それほど不自由を感じることはありませんでした。

歩くのも困難なほどに視力が低下したのは、40歳のとき。子どもの保護者会に向かう途中で、いつもの道なのにどこで曲がるかが分からなくなったんです。このとき身体障害者手帳1級の認定を受け、初めて自分が重度の障がい者であると気付きました。

ぼんやりとは見えていたのでその認定に驚きましたが、小さいころに医師からいずれは見えなくなると言われていたので、私自身の動揺はそれほどなかったです。主人の方がかなりショックを受けていましたね。

 

見えなくても、できることはたくさんある

見えなくなってからも、そんなに困難や苦労を感じたことがありません。料理や家事は見えていたころの感覚を頼りにやっていますし、携帯電話の読み上げ機能を使ってスケジュール管理もできます。

一人でできないことは、周りの人がサポートしてくれています。買い物に行けば子どもたちが値段を教えてくれていましたし、偶然会ったママ友が家まで荷物を運んでくれることも多々ありました。また、私が相談者におすすめしているのは、ガイドヘルパーさんです。一緒に外出することで、気疲れせずに歩けますし、どんな色の花が咲いているか教えてくれるなど、より楽しい時間を過ごせるようになりました。

見えなくても工夫すれば一人でもできることはありますし、周りに頼ることでできることの幅はより広がります。

見えなくても、できることはたくさんある

 

一歩踏み出したら、毎日がより豊かに

現在は足立区視力障害者福祉協会の生け花やダンス、英会話などの活動に参加しています。ほかにも協会とは別で、気功や手芸をやっていて、毎日楽しいことで大忙しです!

これでも、小さいころは目があまり見えないこともあり内気な性格でした。これを言うと皆に驚かれるんですけどね(笑)。そんな私の今があるのは、あしすとの視覚障がい者向けセミナーがきっかけです。同じ障がいのある方に会って話してみたいと思い、セミナーに参加しました。ここでたくさんの友達ができ、協会やピアサポートを知ることができました。

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一人でも多くの悩んでいる方に会って笑顔にしたい

私のモットーは「悩まない」ということ。悩んでいても落ち込むだけですから。「見えないことは悲しいけど、悲しんでもしょうがない。泣いても笑っても一緒なら、笑って生きる」と私は考えています。

悩んで泣いている方がいたら、まずは世間話をするつもりでピアサポートに来て欲しいです。どんな話でも聞いてもらうだけで気晴らしになると思うので。ピアサポートでは、どんなサービスが受けられるかの制度の相談だったり、どんな調理道具を選んだらいいかという生活の悩みだったり、色んな話を聞いています。的確なアドバイスができるわけではなく話を聞くことくらいしかできませんが、私が周りに助けてもらってきたように、泣いている方が笑顔になれるようなお手伝いができたらいいなと考えています。

一人でも多くの悩んでいる方に会って笑顔にしたい

 

 

荻野さん

視覚障がいピアサポーター
荻野 美恵子(オギノ ミエコ)さん

足立区視力障害者福祉協会副会長/東京都盲人福祉協会女性部副会長/身体障害者相談員

 

 

 

肢体障がいピアサポーター 川尻 美佐緒さん

突然の出来事で、心がパニックに

突然の出来事で、心がパニックに

55歳のとき、脳梗塞による左半身麻痺になりました。仕事中に足に違和感を覚えたものの、家で6時間ほど様子を見ていくうちに徐々に左手が重くなり、かかりつけ医へ。MRI検査を受けた結果、脳梗塞と分かり即入院。次の日には左半身が動かなくなりました。

入院中、昼間は家族や見舞いに来た友人に気丈にふるまっていましたが、夜になると先が見えない不安から毎日泣いていました。リハビリでは、腕が上がらない状態を見た療法士さんに大きなため息をつかれ、身体が動かないというのがそんなに重症なことなんだと思い、辛かったです。今では悪意がないと分かるのですが、当時は突然身体が動かなくなり心も不安定だったので、そう感じてしまいました。

 

成功体験の積み重ねが自信につながった

辛い日々を過ごしていた入院中、私を救ってくれたのが、利き手麻痺になった方のブログでした。彼女はワークショップを企画するなど積極的に活動していて、ブログを読んでいるうちに私の憧れになりました。

ブログを読み徐々に前向きになれたころ、病院のソーシャルワーカーさんに今後の相談をして、教えてもらったのが「あしすと」です。あしすとの社会リハビリテーション室に1年間通った後、職員さんから陶芸サークルを勧められました。始める前は全く興味がなかったのですが、できること探しに夢中になっていたので挑戦しました。ボランティアの方のサポートを受けながら、少しずつ器を作れるようになっていく喜びはひとしおでした。私にもできることがたくさんあると実感できたんです。

その経験が自信となって活動も広がり、同じ障がいのある仲間にもたくさん出会えました。家事と仕事に日々追われていた健常者のときに比べて、有意義な人生を送れています。

 

成功体験の積み重ねが自信につながった

同じ障がいのある方がより快適な生活ができるようにしていきたい

最近では、昨年度に結成した片麻痺料理サークル「チームLEO」で、「脳フェスオンライン2020(※)」に出演して、料理をしながら片手でのコツや便利グッズの紹介などを行いました。今後は気軽に参加してもらえるような料理教室をやりたいと考えています。また、陶芸の経験を活かし、片手でバターが塗れるパン皿などを自分で製作しています。

ほかにも、日本脳損傷者ケアリング・コミュニティ学会では、療法士の学生の実習をお手伝いしています。触られたときの痛みなど、障がい者側が感じる生の声を知ってもらい、実践的なスキルを磨いてもらいたいと思っています。

今後は、病院でピアサポートの活動をするのが目標です。私は入院中、病気や退院後の生活などについて不安がありましたが、同じ障がいのある方と話す機会がありませんでした。そういう機会があれば、不安が解消されたと思います。まだまだ病院でのピアサポートの導入は少ないです。私と同じ思いをして欲しくないので、普及していきたいです。

※…脳卒中へのネガティブなイメージを変えるため、(一社)脳フェス実行委員会が主催のイベント。脳卒中経験者だけでなく、一般の方も参加して楽しめる。

 

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不安や悩みを打ち明けて欲しい

家族に言えなくても、当事者になら話せることもあると思います。私もそうでしたが、麻痺のある方は言語に支障がある場合が多く声を発することに躊躇してしまいます。ただ、人と話すことがリハビリになるので、悩みや不安があれば一人で抱え込まずに、話して欲しいです。同じ障がいのある私が話を聞き寄り添い、より早く前を向くための一歩をサポートできればと考えています。

 

不安や悩みを打ち明けて欲しい

 

 

川尻さん

肢体障がいピアサポーター
川尻 美佐緒(カワジリ ミサオ)さん

(一社)日本脳損傷者ケアリング・コミュニティ学会当事者参加推進委員/NPO法人日本脳卒中者友の会東京支部ピア友代表/片麻痺料理サークル「チームLEO」

 

 

 

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