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公開日:2020年12月28日 更新日:2020年12月28日

~足立大好きインタビュー~ 芸人・ゴミ清掃員 滝沢秀一さん

ブレイク中!足立区出身 ゴミ清掃芸人

ゴミ清掃芸人・滝沢さん

「地域の品格はゴミ集積所でわかる」「ゴミの分別をしない企業は6年以内に潰れる」などゴミにまつわる名言が話題を呼んでいる通称「ゴミ清掃芸人」滝沢秀一さん。ユニークな視点で、力まず時代の先端を歩く滝沢さんに、話を聞いた。

子ども心をくすぐられるまちだった

3歳から22歳までを足立区で過ごしました。足立区は、すごい田舎っていうわけじゃないけど自然もしっかり残っているところが好きでしたね。ドラム缶が落ちていたり、子ども心、男心をくすぐられるものがたくさんあった。子ども心をくすぐられるまちだった

よく行く駄菓子屋の裏に「裏山」って呼んでいたゴミ山みたいなのがあったんです。そのころからゴミに縁があったのかな。廃車になった車が放り投げられていたり冷蔵庫も埋まっていた(笑)。そういうところで秘密基地を作って遊んだり。家の近くに田んぼも畑もあって、蝶々を捕まえたり、野良猫に餌をやったりね。当時は野良犬もいてそれは怖かったですが(笑)。僕の根っこは当時の足立区にあって、都心でものんびりしたところがあるのが、今でも好きですね。子育てするにはいいまちじゃないかな。

 

 

玄関でなく窓から「滝沢さ~ん」

足立区の人は、いい意味でも悪い意味でも垣根を超えてくるような人が多いなと思いますね。近所の人がうちに来るとき玄関から来ないで「滝沢さ~ん」って窓から(笑)。気さくな人が多くて、よく知らないおじさんおばさんにも怒られたり。どぶ川のへりを渡って遊んでいたら「危ないだろ!」とか、泥を投げて遊んでいたら「投げるな」と。

今ではそんなこと、ないじゃないですか。当時はうるさいなあと思っていましたが、近所の人たちに教育してもらって育った。そういう風に育ったので、自分が子育てする中でも、他の子にも怒るんですよ。ふざけて友達を蹴ったりする子がいると「そういうことやっちゃだめだ」とかね。周りのお父さんお母さんには「よく言えるね」って不思議がられます。

垣根を超えてくる人間は大人になっても接しやすいです。「この人、足立区の匂いがするな」とかね(笑)。芸人の先輩も、ダメなことははっきりダメと言ってくれる人が多い。それは結局、その人のためを思って言ってくれてるわけですよね。その優しさは足立区のおじさんおばさんに通じる部分があるかもしれません。

玄関でなく窓から「滝沢さーん」

 

プロフィールに「足立区出身」と書く理由

プロフィールに「足立区出身」と書く理由僕がプロフィールに「足立区出身」と書く理由は、北野武さんの影響が大きいです。武さんが活躍されてて「足立区、足立区」と言ってらっしゃるので俺も!と。小さいころから武さんが誇りでした。武さんに憧れて、武さんが出られた足立高校に進みました。

おふくろがお笑い好きだったので、その影響でテレビでもお笑いをよく見ていましたが、どちらかといえば大人しい方だったし、自分が芸人になるとは思っていなかったんです。中高でやっていた器械体操を子どもたちに教えたいなと思って教員を目指していました。でも大学のときに爆笑問題さんをテレビで見て、それがものすごくカッコ良かったんですよ。「俺もこういう風に人を笑わせてみたい」と思い立ち、もう教育実習の行き先も決まっていたのですが、「やめさせてください」って言って、みんなをパニックにさせて。迷惑な話ですが、何か強い情熱に突き動かされたのでしょうかね。

 

極貧のとき妻が妊娠

お笑いコンビのマシンガンズを始めて20年以上になります。テレビに出させてもらったこともあるし、M1グランプリ準決勝まで進出したこともありますが、そう都合よく人生は進まないもので、妻が妊娠したから金が必要だと言ったとき、極貧でした。僕は36歳だったのですが、バイトを探してもどの募集も35歳まで。芸人仲間に紹介してもらった「ゴミ清掃」の仕事を始めることになったのです。最初の3年くらいはもうものすごく嫌でした。2足のワラジとはいえ本業は芸人という気持ちでいたんですね。

お笑いコンビ「マシンガンズ」

当時、ぎりぎりの暮らしをしていて、無理やりポイントカードに入って特典でオムツを買ったりという生活だったので、先のことまで考える余裕はなかった。余裕がないからとにかく目の前のことをやっていたけれど、それだけだと苦しくなってきちゃうので、嫌な仕事の中に楽しみを見つけようと思うようになって。あとは、いろいろな人との出会いが考え方を変えさせてくれたのかなあ。

 

30代前半で亡くなった友人

1冊目の漫画「ゴミ清掃員の日常」※にも載ってるのですが、清掃員の仲間で30代前半で癌で亡くなった人がいて、彼が「僕は死の前日まで働いて、日常を全うして人生を終えたい」って言ってたんですよ。子どもが4人もいて。本当に亡くなる3日前まで仕事したんですけどね。あるとき桜が散っていて「そういう境地に立ったらより綺麗に見えるんですか」って聞いたら「いや、ただの花っすね。それより子どものことを考えたい」って。

※「ゴミ清掃員の日常」(講談社)

「ゴミ清掃員の日常」の表紙
滝沢さん原作のストーリーに奥さまの友紀さんが漫画をつけた一冊。
2019年5月に発行されて話題となり10万部を突破。
2020年7月には続編「ゴミ清掃員の日常ミライ編」も出版。

めちゃくちゃ感動して。僕にとって彼の影響はデカいと思います。目の前のことをどうやってベストに、あるいはベターにするかって考える方が生き方として自分に合ってると思います。

仕事って、与えられたことだけをロボットみたいにやっているとすごい苦しいですよ。でも目の前のことを工夫して楽しんで何かを得られれば、それは美しいものになると思うんです。

 

Twitterから本の出版へ

ゴミ清掃員の仕事を始めて5年くらいのころ、ゴミの話をTwitterに投稿したら、先輩の有吉さんがリツイートしてくれたんです。それに反応がすごくあって。ネタはたくさんあったので、しばらくは有吉さんを笑わせたい一心で、ゴミの投稿を続けた。それを見た出版社の方からTwitterのダイレクトメールをいただき、1冊目の本の出版につながりました。Twitterから本の出版へ

本の中で「地域の品格はゴミ集積所でわかる」という話を書いています。ゴミ集積所が汚い場所は治安が悪い、というのはゴミ清掃員にとっては当たり前のことですが、ツイートしたときも反響が大きかった。

きれいなところにはゴミは捨てにくいですが、ひとつ落ちていると「ここは捨てていいんだ」って次々捨てられてしまう。人間の心理ってそういうもので、集積所がきれいなまちは地域コミュニティがしっかりしているのだと思います。僕、いろいろな地域を見てきましたけれど、全部当てはまります。だから集積所をきちんとしていけば治安って絶対良くなりますよ。

 

ゴミには人の心が現れる

ゴミからわかることってたくさんあるんです。金持ちのゴミとそうじゃないゴミの違いも見ていて面白いですし、会社でもそう。シュレッダーのゴミの中に瓶や缶が混じっていたりする会社があるのですが、そういうところは皆6年以内につぶれています。全部。ものの見事に!

30代前半で亡くなった友人ゴミを調査するNPOの人と話すと、「不思議なんだけど、ゴミをちゃんと出す家庭の子どものほうが、ゴミをぐちゃぐちゃに出す家庭の子どもよりテストの点数が高いんだよね」って言うんです。これめちゃくちゃ面白いと思いませんか? そう考えると、ゴミを見て自分の精神状態を知ることができるし、生活の末端に、人の心が現れるんだなと思います。

テレビの仕事で、ゴミ屋敷に取材に行くこともあるのですが、僕から見たら全部ゴミなんだけど、そこのご主人は「全部ゴミじゃねえ!」って言うんですよ。逆に集積所で、新米の季節に、食べるのに何の遜色もない古米が捨てられていたりする。そうなってくると、ゴミってなんだろう、って思うんです。汚いからゴミだとかきれいだからゴミじゃないということじゃなくて、人が決めるんですよ。人がゴミだと思った瞬間にゴミになる。だから、ゴミとは、人の心なんじゃないかなって思ってるんです。

 

3R+リスペクト=4Rに

僕が毎日ゴミを見て思うのは、「私がお金を払って買ったんだから、これは自分のものなんだから捨てようとどうしようと勝手でしょ」って言ってるように見えるんです。ゴミから傲慢さが見えるというのでしょうか。世界で援助されている食糧が390万トンなのに、日本の食品ロスが612万トン。その約半分が家庭から出されてるんです。

ゴミを考える言葉に3R(リユース、リデュース、リサイクル)というのがありますが、僕は4Rにすべきだなって思ってるんです。もうひとつのRは「リスペクト」。ものに対して、直接見えないけど、それをつくった人に対して、また回収する清掃員に対して。ゴミの中からアイスピックが飛び出してきたりするんですよ。「このまま入れたら、ゴミ清掃員、危なくないかな」って考えるのもリスペクトですよね。リスペクトがあれば、いろんなゴミ問題が解決しちゃうんじゃないかな。

3R+リスペクト=4Rに

清掃員をやるようになって、ゴミが目の前からなくなればそれでいいやというのではなくて、その先に回収する人がいることや、つくった人がいることや、見えないものに対して想像するようになりましたね。見えないものに優しさや思いやりを持てることが、成熟した大人なんじゃないかなって気づいたんです。本当に良かったなって思います、ゴミ清掃員になって。ゴミ清掃員の仲間は、真面目で気の良い楽しい人が多いし、今は単純に好きだし、天職だと思います。天職にした、と言えるかもしれません。

 

日本からゴミをなくしたい!

日本からゴミをなくしたい!

小説を書くのも好きなので、ゴミ清掃員の日常を題材にして書いて、それが映画化されて、僕と相方が出るなんてことも想像しますし、夢はいろいろありますが、今の一番でっかい夢は、日本からゴミをなくしたい! ということ。生ゴミのリサイクルをやってみたいとも思っています。

そう思うようになったきっかけは、3年目くらいにゴミ清掃を本気でやろうと思ったときにベテラン清掃員の人がぼそっと「チュウボウ(中央防波堤最終処分場)があと50年でゴミでいっぱいになる。そしたらどうなるんだろうな」って言ったのを聞いたこと。それから調べるようになって。東京だけでいえばあと50年だそうですが、日本全体(全国平均)で見ると20、5年と言われています(環境省のWebサイトより)。

あるまちで処分場がいっぱいになったら、隣のまちにお願いせざるを得ない。つまり、このままいけば約20年で日本のゴミは行き場がなくなるということです。プラスチックゴミは世界で2番目に多いし、ゴミ焼却炉の数はダントツ世界1位。日本は土地が狭いので、それほど燃やさないとゴミで埋まってしまうということを表しています。でも燃やすということは温暖化にもつながりますよね。

今、みんなで考えなければ、日本、ゴミで埋まります。

 

 

 

 

滝沢秀一さん

滝沢秀一(たきざわしゅういち)

1976年生まれ。3歳から22歳まで足立区。足立区立花保小学校、花保中学校、足立高校出身。
1998年西堀亮さんとお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。
2012年よりゴミ清掃員も。「このゴミは収集できません」(白夜書房)、「ゴミ清掃員の日常」(講談社)、「リアルでゆかいなゴミ辞典」(大和書房)、「ゴミ育」(太田出版)ほか著書多数。
2020年10月より環境省のサステナビリティ広報大使。

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