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公開日:2016年10月31日 更新日:2024年9月19日
直訳すると「門番」という意味になるゲートキーパー。
相談などに訪れた人が最初に接する職員を「門番」と位置付け、自殺の兆候を見つけ出し、問題解決につなげようというものです。
例えば、納税の窓口職員が「税金を納めるのが厳しい」という相談を受けたとします。その背後にはいくつもの悩みが隠れている可能性があります。その人は借金を多く抱えているかもしれない。事業がうまくいっていないのかもしれない。身体的な病気で働けないのかもしれない・・・。
ゲートキーパーはそうした相談者の隠れた悩みに気づいたときに、相談者の了解を得て、区の生活保護や企業融資の担当、保健センター、ハローワーク、病院など適切な関係機関につなぎます。悩みを総合的に解決していくための道案内の役割を果たそうというものです。
ここに驚くべき数字があります。区と協働して自殺対策に取り組むNPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」が、自殺者の家族に行なった調査によると、およそ72パーセントの人が自殺する前に、病院の精神科や公的相談機関など、何らかの窓口に訪れていたという事実が見えてきたのです。
言い換えれば、自殺者の72パーセントの人が最後の最後まで「生きたい」と模索しながらも、悩みを完全には解決することができずに、自殺という道を選ばざるを得なかったということになります。このことからも、相談窓口などで自殺の兆候に気づくことの大切さが分かると思います。
自殺に至る要因の1つとして「うつ病」があります。これまでも、足立区はもちろん様々な自治体で「うつ病」対策がとられてきました。しかし、今回の自殺対策で区が着目したのは、「うつ病になる前の過程」でした。
会社での配置転換、過労、失業、就労の悩み、病気、子育てや介護の悩み、借金苦…。「うつ病」になるには、様々な要因があり、それらが複雑に絡みあっています。区は、「うつ病」の前段階にある「負の連鎖」を断ち切ろうと考えたのです。
様々な自殺のサインに気づくための方法を学ぶ
ゲートキーパー研修では、自殺対策の専門家を講師に招き、自殺願望者を追い詰める悩みがいかに複雑で、その要因が多岐に渡るかを、実例を通して知ります。複数の要因を解決するには、各部門が連携を深め、横断的な支援が不可欠なことを学ぶためです。そして、相談者に対する話の聞き方や情報の伝え方、相談機関へのつなぎ方などを知ることで、自殺の兆候への「気づき」のアンテナを高めていきます。「点」での支援を「面」へと広げる。ゲートキーパーの育成を通じて、それを着実に進めようとしています。
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