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公開日:2019年3月6日 更新日:2025年8月15日
百日咳は、百日咳菌による感染症です。一年を通じていずれの年齢でも発生がみられますが、近年、乳幼児期の予防接種の効果が減弱した学童期を中心とした子どもの発病が増加しています。
東京都の百日咳報告数は、2020年以降低く推移しましたが、2023年に再び増加に転じ、2024年は400件、2025年は8月10日(32週)時点で累計4764件と、すでに前年の報告数を大きく上回っています。
■東京都受理週別報告数推移(過去5年)
出典:東京都感染症情報センター
■足立区受理週別報告数推移(第32週現在)
病原体は百日咳菌です。患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる細菌によって感染します(飛まつ感染)。
7日から10日程度の潜伏期間を経て、風邪症状がみられ、徐々に咳が強くなっていきます(カタル期:約2週間)。その後、短い咳が連続的に起こり、咳の最後に大きく息を吸い込み、痰を出しておさまるという症状を繰り返します(痙咳期:約2週間から3週間)。激しい咳は徐々におさまりますが、時折、発作性の咳がみられます(回復期:2週間から3週間)。
乳幼児の場合、無呼吸発作など重篤になることがあり、生後6か月未満では死に至る危険の高い疾患です。成人では、咳は長期間続きますが、比較的軽い症状で経過することが多く、受診・診断が遅れ、周囲の感染源となることもあり、注意が必要です。
治療は抗菌薬を使用します。
・有効な予防法は予防接種です。乳幼児は予防接種法に基づく定期予防接種が行われています。生後2か月を過ぎたら早めに、5種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、Hib)を、決められた回数(4回)接種しましょう。予防接種による免疫効果の持続は5年から10年程度といわれています。
・軽症でも菌を排出しているため、予防接種をしていない新生児・乳児がいる場合は、特に感染に対する注意が必要です。咳症状があり百日咳を疑う場合は、早めに医療機関を受診しましょう。また周囲に百日咳の方がいた場合は医師に伝えましょう。
・飛まつ感染予防に、手洗い、うがい、咳エチケットを心がけましょう。
・学校保健安全法では、学校感染症(第2種)として、「特有の咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌薬による治療が終了するまでは出席停止」となります。
百日咳とは(国立健康危機管理研究機構)(外部サイトへリンク)
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