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公開日:2017年11月22日 更新日:2017年11月22日

ネット検索が取り持つご縁

 10月31日から郷土博物館(大谷田5丁目20番1号)で始まった文化遺産企画展「高橋廣湖(こうこ)-千住に愛された日本画家-」。パンフレットの表紙をめくると廣湖のひ孫にあたる方の「開催にあたって」という挨拶文が掲載されていました。それによると、「早世(そうせい)(※)したため、有名になる事が出来なかった不遇の画家」としか知らなかった曾おじいさんについてインターネットで検索していると、表示されたのが平成25年に当区が開催した「幕末・明治の千住の美術-琳派と高橋廣湖」だったそうです。それ以後、郷土博物館とのつながりが生まれ、ご遺族の手元にあった作品が区へ寄贈されたことをきっかけに、この度の企画展が実現したのです。

 今の東京藝大設立の中心となった岡倉天心から高く評価された廣湖ですが、千住では旦那衆を中心に「芳廣会(ほうこうかい)」という支援団体が組織されていた記録があります。明治8(1875)年に生まれ、明治45(1912)年6月に37歳という若さ、まさにこれからというときに没した不運な画家ではありますが、ご遺族と、彼の画才を愛した千住の人々によってその作品が大切に保管されてきたことは不幸中の幸いでした。

 私のお気に入りは「鍾馗図」(しょうきず)。少々お腹は出っ張っていますが、お顔はどことなく愛嬌があって親しみが持てます。

 区制80周年を契機に本格化した文化調査がまた新たな形で実を結んだ好例が本展示会だと思います。

(※)若くして死ぬこと。早死に。

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