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公開日:2026年10月20日 更新日:2026年10月20日

ADACHI障がい者アート展2026|出演者インタビュー記事

本間 惟彦さん(ノブさん)・母 桃子さん

「ヴァイオリンを続けていれば前に進める」

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ヴァイオリンを演奏する本間惟彦さん。取材前のリハーサルでは、カメラが近くにあっても演奏に集中する姿が印象的でした。

音楽をしているときの気持ちを聞いてみると。

本人:「楽しいです。」

現在はグループホームで生活しながら、自分のペースでヴァイオリンの練習を続けています。

本番に向けた練習の合間には、母 桃子さんとのこんなやり取りもありました。

母:「今日は何を注意するんだっけ?」

本人:「力が入らないようにする。弓を大きく弾きます。」

母:「弓はどうやって持ちますか?」

本人:「軽く持ちます。」

母いわく、ふだんのやり取りでも彼のやることを交通整理すると、すぐに呼応する惟彦さん。

11月28日の本番についても、「足立区役所で頑張ります。」と話す惟彦さん。いつもの練習の積み重ねが、本番の演奏につながっています。

親子というより「共演者」

桃子さんは、惟彦さんが演奏するとき、自分も伴奏者として一緒にステージに立ちます。

母:「途中からは親子というより、本当に共演者という感じでやっています。共演者になると私も我を忘れて、この子に障がいがある、ないということも全く忘れてしまうんです。音程が悪いとか、右手に力が入っているとか、そういうところが気になってきます。」

最近では、惟彦さんの演奏から感じるものも変わってきたといいます。

母:「この子の音楽に引っ張られて、私が盛り上げていかないといけないとか、音楽をつくるサポートをしなければいけないと感じるときがあります。そういうところに成長を感じますね。」

人と一緒だからできる音楽

ヴァイオリンを続ける中で、人との関わりも少しずつ増えていきました。

母:「ヴァイオリンは、ピアノの伴奏が必要だったり、他の人とのアンサンブルでの共演があったりします。合わせることが基本で、テンポを合わせたり、顔を見て合図をしたり。そういう場面で少しずつ、人との関わりが増えていったかな?と思います。」

教室では、人前で演奏する機会をたくさん重ねてきました。

母:「演奏が終わって拍手をもらい自己肯定感を持つ。失敗しても、次の会でリセットする。そのように繰り返す中で、小さな積み重ねを続けてきました。」

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「これだけは必ず前に進む」

子育て中は、「なんでこれができないの?」「あれができないの?」と思うことがたくさんあったと桃子さんはいいます。学習面では、隣に座って宿題をさせることに疲れてしまう日々でした。

でも、ヴァイオリンは違いました。

母:「ルーティンが決まっていて、『8時から練習だよ。』と言うと、嫌がらずに部屋にはいり、ヴァイオリンのケースを開けて準備をします。小さい時は2回しか弾きませんでしたが(笑)。でも、ヴァイオリンをやっていれば前に進める。後戻りしない。それはすごく確信しました。」

今もグループホームで、夕食の前後に一人で練習しています。

母:「この子にヴァイオリンは欠かせなくて、大事なツールなんだなと感じています。『これなら必ず前に進める』というツールは、誰にでもあるのではないでしょうか。ノブにとっては、それがヴァイオリンでしたが、アートや習字など、その人が得意なこと、できることを粘り強く見つけていく。」

 

最後に、11月28日のステージに向けて、桃子さんからメッセージをいただきました。

母:「ヴァイオリンはなかなか習得がむずかしい楽器ですが、その魅力を存分に発揮できるように演奏させていただきますので、ぜひ皆さん聴きに来てください!」

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小柳 拓人さん(タクさん)・母 真由美さん

「困ったこと」が、場面が変わると「得意なこと」になる

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ピアノとフルートを演奏する小柳拓人さん。リハーサルでは、演奏が始まると音楽の中にすっと入っていくような姿を見せていました。

ピアノやフルートを演奏することについて尋ねると。

本人:「好きです。」

母 真由美さんは、演奏しているときの拓人さんには、小さい頃から普段とは違う様子があったといいます。

母:「小さい頃、話しかけても全く視線があわなかったのに、ピアノを弾いている時は焦点が合っていたんです。すごく没頭している感じでした。」

5歳でピアノ、12歳でフルート

拓人さんがピアノを始めたのは5歳。12歳からは吹奏楽部入部をきっかけにフルートを始めました。

母:「ピアノを始めたきっかけは、幼い頃、過度な多動の中、コマーシャルやカセットテープから音楽が流れるととても落ち着いていられたことです。会話は成立しないのに、私が童謡を歌うと、一緒に歌ったりしました。そこで、ダメもとで音楽教室に入り、8歳からは個人レッスンも受けるようになりました。中学になって、これまたダメもとで吹奏楽部に入部しました。一人で弾くことが多いピアノと違って、吹奏楽は人と合わせなくてはなりません。自分の演奏がない部分では、曲全体を聴いて待つことも必要です。果たして大勢の中で演奏することができるかなと思っていましたが、友達の助けを借りながらなんとか卒業まで続けることができました。この経験のおかげで、後のオーケストラ参加やノブタクデュオにつながっていきます。」

一人で取り組むピアノから、仲間と音を合わせるフルートへ。音楽を通して、人と一緒に取り組む経験も増えていきました。

見方を変えたら、得意なことになった

真由美さんは、幼い頃について「困ったことだらけだったんですよ。」と振り返ります。

母:「じっとしていられない、勝手にいなくなる、同じことばかり言う、同じ遊びばかりする。それが日常だったんです。」

ところが、ピアノを始めたことで、その見方が変わりました。

母:「同じことばかりするではなくて、同じことがずっとできると見方が変わりました。ピアノ練習場面で、基礎的な反復練習を嫌がらずむしろ好んでするわけです。さらに、時間や数字へのこだわりもあったので、毎日同じ時間に練習を始めました。」

拓人さんは3人きょうだいの真ん中で、3人とも音楽を習いました。

母:「毎日同じ時間に練習を始めるなんて、ほかの2人には絶対にできないことだったんですよ。でも、彼は定刻になるとピアノの前に座っていて弾き始めます。ある時、これは自閉症の特性によるものではないかと気づきました。」

そして、一つの考えにたどり着きます。

母:「自閉症の日常の生活での困ったことも、見方や場面が変わったら、すごく得意なことになったり、むしろそれは才能だと思いました。一つでも多く、得意に通じる場面を見つけたいと思いました。」

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大切なのは「観察」

本人の好きなことや得意なことを見つけるために、家族や周囲ができることについて尋ねると。

母:「まずは観察ですね。その中で、この子には何が向いていて何が不向きなのかを見極めたり、試したりする。どのお子さんにも苦手なことはありますよね。特に自閉症の彼らには何百回やってもできないことが多々あります。そこをつついちゃいけないなと思いました。」

拓人さん自身、絵や運動には興味を示さなかったそうですが、一方で、音楽には集中することができたんですね。

2人で演奏する「ノブタク」

惟彦さんと拓人さんが一緒に演奏するときの変化について、お母さま方はこんなふうに感じています。

母たち:「当初は、ピアノ伴奏に合わせて、ノブとタクのそれぞれがマイペースで楽譜どおり演奏している感じでした。でも、回を重ねるうちに、曲の終わりやゆっくりする箇所などで目を合わせたりするようになりました。お互いを感じて演奏しているんだなと思いました。こうして、徐々に息を合わせられるようになり、デュオ結成17年になります。」

11月28日は、演奏だけでなく、日常の様子や家族が感じてきたことについてのトークもあります。

母:「演奏はもちろんですが、演奏活動に至る道のりや会社員・生活者としての日常も写真や映像と共にお話しします。そして、彼らのたくさんのユニークなところも知って感じていただきたいです。ご来場を心よりお待ちしております!」

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当企画のテーマ「広がれふれ愛」のロゴの画像 出展者インタビューのホームページは以上になります。

 

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