【協創info】Vol.1 ―協創があだちを変える―

　区民、団体、企業など地域の多様な主体がつながり、自主的・自立的に地域課題の解決や魅力創出に取り組む「協創」は広がっています。皆さんに「協創」を身近に感じていただくため、協創活動の事例を「協創info」としてご紹介していきます。あなたがすでに行っている活動も、実は協創となっているかもしれません！

　今回は第1弾として、現在展開されている協創活動のひとつをご紹介します。

学生事務局が起こす協創活動

のぼり

　6月6日（日曜日）、一般社団法人SAVE THE CLEAN WATER JAPAN（以下「SCW」という）が呼びかけた綾瀬駅周辺の清掃活動に34人が参加した。

　足立区の清掃美化活動実施団体登録をしている東信工業株式会社の呼びかけで行われた青井地域の清掃活動にともに参加をしていたつながりを持つ「SCW」と「東京東信用金庫綾瀬支店」とのコラボにより、この綾瀬駅周辺の清掃活動は実現した。参加者は地域の方だけでなく、ボランティアサイトを通じて申込みをした遠方に住む学生もいた。

受付風景　

東京東信用金庫綾瀬支店駐車場にて受付。検温、消毒を徹底！

清掃11 　

清掃111

清掃活動中には、地域の方に「ありがとう！」と声をかけられる場面も。

　3つのグループに分かれて行われたゴミ拾いでは、タバコの吸い殻や空き缶、折れたビニール傘など多数のゴミが回収された。

　SCWの代表理事である山口さんは「綾瀬駅周辺のゴミ拾いではタバコの吸い殻や空き缶などのポイ捨てゴミが非常に多かった。このような清掃活動を繰り返し行うことで、一人でも多くの人のポイ捨てへの意識を改められたらうれしい」と語った。

雨が多い週だったせいか、道ばたに捨てられていたビニール傘が回収されました。

「高校生」が代表理事を務める一般社団法人

　SCWは現役高校生である代表理事の山口さんが中心となり、2020年に設立された団体。

　SCWの清掃活動は、海が大好きな山口さんが趣味のサーフィンをする中でビーチゴミや海に漂うプラスチックごみが多いことに気づき、このような海洋汚染が人間の健康に悪影響を及ぼし、海洋生物も苦しめていると知ったことがきっかけで始まった。

　山口さんの呼びかけにより集まった中学生から大学生13名が主体となり事務局を運営し、「きれいな水を守る」ことを目的とした「ビーチクリーン（海に流れ着いたゴミを回収）」と、「タウンクリーン（排水を通じて海を汚すまちのゴミを回収）」のほか、以前はウミガメの産卵地だった千葉県山武郡横芝光町の木戸浜にウミガメを呼び戻す「come backプロジェクト」によるまちの活性化などにも取り組んでいる。

出発前に活動目的や当日の工程を説明する代表理事の山口さん。

学生ならではのアイディア

　今回の清掃活動ではグループごとに一番多くゴミを拾った人に景品をプレゼントするなど「活動に楽しさを」求める発想や、団体の情報発信や連携にSNSを活用するなど、学生ならではのアイディアが活動に生かされている。

　6月6日に行われた綾瀬駅周辺の清掃活動でも、「学生」というキーワードでつながった環境学生団体とコラボすることで、タウンクリーンとビーチクリーンが同時開催された。SCWがタウンクリーンをすることでゴミが川や下水から海に流れ着くことを防ぎ、コラボ団体がビーチクリーンをすることで海に流れ着いたゴミを回収。活動の成果をオンラインで報告しあった。他団体と連携することで活動が広がっている。

　団体の目標の1つとして、現在の事務局メンバーが将来卒業を迎える時には次世代の若い学生へ事務局を引継ぎ、団体や活動を持続させていくことも掲げている。