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公開日:2026年2月5日 更新日:2026年2月5日

東京籐工芸職人 竹本 義道

籐の声を聞きながら曲げていくんです

両腕と膝を使いながら自由に折り曲げながら形成していく籐工芸。見事な曲線美は、竹本義道さんの手によって生み出されました。

大人物、子ども物と職人が分かれていた

籐のいす昔は足立にもずいぶん籐細工の職人さんがいたんだけれどね。このあたりで7軒あったかな。大人物、子ども物、それぞれ専門にしてたね。作るものによって、子ども物というのは揺りかご、乳母車、ぶらんこ、子ども椅子なんか。大人物は揺り椅子やテーブル、枕、そのほかね。私は両方やってました。親父にも習ったし、外で修業もしたからね。子ども物といっても、手数は大人物と変わらない。かえって小さくて手が入りにくいから組みにくいんだよね。

籐にもいろいろ種類があって、太くて堅いマナウやトヒチといったのは強いから骨組みなんかになる。ロンティーやセガというのは細くてしなやかだから細かい編み目や細工に使う。その種類の特性を生かして使い分けます。

籐独特の曲線は人から生まれる

一輪挿しそんなに仕事場がきれいですか?驚かれるほどではないと思いますが、乱雑な場所で仕事をしていると心まで乱れてくるものです。毎朝神仏に礼拝し、心を静めてから仕事にかかるようにしていますが、これも多くの仏師がそうしていると思います。何も特別なことではないんですよ。

これまで50年以上仕事を続けてきましたが、このまま続けていてもどうにもならないと思えるくらい仕事がなくなった時期もありました。えぇ、バブル崩壊後のことです。職人でいて何が1番辛いってどんなに制作したいという意欲があっても仕事の依頼がなく、制作できないこと。つまり社会に認められないことです。でも、そんな混迷していた時にちょうど娘に子どもができまして、孫の世話をしていると自然と気持ちが楽になりました。家族の支えがあってこそです。今は依頼されたものだけでなく、足立区の伝統工芸展などで展示できるよう作品づくりにも励んでいますが、彫るということはどんなにやってもキリがなく、もっと彫りたい、もっと彫りたいという気持ちがあふれてきます。まだまだ修行が足りません。100歳くらいまでやれば円熟した仕事ができるんじゃあないでしょうか。

 

東京籐工芸

籐工芸は主に東南アジアに生息するつる植物の籐を原料として、曲げ・巻き・編み等の工程を経て制作される。日本では中世の時代から使われてきた歴史のある材料で、ソファや箪笥などの家具に広く使われている。

 

竹本 義道

竹本義道さん

1947年足立区生まれ。

籐工芸は「少なくとも三代目」。

大阪で祖父から籐工芸の職を継いでいた父が東京・青山に移り、その後足立へ。

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