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公開日:2023年8月23日 更新日:2023年8月23日

関東大震災100年「必ず来る、大地震への備えを。」

 

大正十二年九月一日 午前十一時五十八分
関東大震災発生

 

この日、突如として震度6*の揺れが関東地方南部を襲い、東京府(現在の東京都)や神奈川県、千葉県南部を中心に大きな被害を与え、10万を超える人々の命を奪いました。足立区でも100人近くが命を落とし、特に千住地域を中心に多くの建物が被害を受けました。その大地震から今年で100年。必ずまたやって来る大地震への備えをお願いします。

*当時、地震の階級は「6」が最大だった

関東大震災の被害の様子-1
勝専寺(千住2-11)門前近くの倒壊家屋

関東大震災の被害の様子-2
綾瀬橋際(現在の千住曙町付近)の堤防と道路の被害

関東大震災の被害の様子-3
東武鉄道 綾瀬川鉄橋以西(現在の千住曙町付近)の線路

関東大震災の被害の様子-4
千住町大正道路(現在の大正通り)付近の被害

関東大震災の被害の様子-5

千住尋常高等小学校(現在の東京藝術大学 千住キャンパス[千住1-25-1]の場所)で行われた配給の様子

 

 

 

関東大震災100年ロゴ

 

大震災千住町写真帖

関東大震災の被害や復興の様子を後世に残すべく、震災から約半年後に千住町役場が発行した『大震災千住町写真帖』。当時の千住町長(南足立郡千住町の町長)の言葉や、被災直後の足立区の写真が掲載されています。

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千住写真帳

「大震災千住町写真帖」の掲載内容(抜粋)

千住写真帳序文 (1)

大正12年9月1日、突然、東京・横浜および関東一帯にわたって発生した大震災は、これまでの歴史上ないほどの大惨事であり、あいついで大火災が発生し、近年研鑽を重ねてきた文化施設のすべてと、多くの交通機関をともに破壊し、一瞬のうちに東京市の大部分を破壊し尽くし、その様子は凄まじい惨状を極めており、悲しむべき十数万の死傷者をだし、どんなひとも、言葉にできないほどのことがあったのである。

 

わが千住町もまた震災による被害を受け、あちこちで家屋が倒壊、あるいは傾いて、人や動物を傷つけ、火災も発生し損害が大きく、まさに帝都東京の惨状がそのまま現れるようであった。しかし、町民たちはみんな冷静に大災害に対応して努力し、被害を軽くすることが出来た。これこそ、わが千住町が、恵まれた場所に位置することに加え、みんなが自治の精神を知り尽くした「愛町」の観念の発露と言うべきである。まさしく、これらの大きな禍は、わが千住町をして、将来、災い転じて福となすの幸いを招いて、振興の機運を速め、前途の発展を促進させるというおもむきがある。

さらにくわえて、震災に直面してからは、町の各公共団体は、期せずして援助や救護にすすんで立ち上がり、社会公徳の美を発揮して、寝食を忘れて、親切で行き届いた配給業務、身命をかけての流言飛語の防止や警備を行って、わが千住町の安全を保ったのである。ほんとうに当時の美挙、善行は枚挙にいとまなく、永遠に住民団体の模範として子孫に伝えられると信じている。

かしこくも天皇陛下(大正天皇)にはご心配をいただいて、その御財から金1000万円を御下賜いただき、死傷者や被災者の救済をしていただき、大詔をお出しになり帝都東京の復興、国民精神の高まりを期待されました。陛下のお考えの深さと優しきお心の様子は、だれもが感泣するところである。

千住写真帳序文 (2)

なお、皇后陛下、摂政宮殿下(昭和天皇)、秩父宮殿下も、かしこくも巡回していただき、震災被害の惨状をご覧いただいた。いつも我が皇室の慈しみのお人柄に、ひたすら恐縮して感激するばかりである。

この時にあたり、上下で一致して、力と心を合わせて、もって天皇陛下のお言葉を奉じて、質実剛健・勤勉節制して、軽佻詭激(けいちょうきげき。深く考えないで危うい考えを主張すること)の風をいましめ、国家が発展するという福利を増進して、近隣と親しんで和平と協調でさらに振興をしていくことを期している。

いまや震災から半年が過ぎた。振興は一日一日、一月一月ごとに進んで、震災救護の事業は終了し、救護事業の点検も終わり、すべての業務を明確にして、とても優良であるという成績を得た。これも時局をしっかりとらえた関係者各位の心からの援助の賜物であることと信じて疑わない。

以上のことから、わが千住町の連合団体の計画によって『大震災千住町寫眞帖』が編さんされることを聞き、まことに前例のない記念という機会を失わず、後世、本町振興の政策のために十分役に立つと推賞するものである。こうして緒言を述べて序とした。

千住写真帳 (6)
(右)東京府南足立郡長 島田俊夫 氏
(左)南足立郡千住町長 加藤幸三郎 氏

千住写真帳 (7)
震災時に活動した千住町名誉職諸氏

 

『大震災千住町写真帖』の続きを見る ⇒

 

 

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