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公開日:2024年12月8日 更新日:2024年12月8日
各学校で調理され、うま味調味料を一切使わず、天然だしの味を生かしたできたての給食は、足立区の自慢です。そんな給食メニューを家庭で再現できるレシピ本が登場します。ここでは「あだち広報12月10日号」に掲載した、レシピ本の制作に携わった学校栄養士のおすすめレシピを紹介します。
≪材料(2人分)≫
ニンジン2cm/キャベツ大1枚/もやし6分の1袋/コマツナ2分の1株/ワンタンの皮2枚(長さを半分にして細切り)/ちりめんじゃこ 大さじ2/油 適量
A(タマネギ〈みじん切り〉 小さじ2/★酢・しょうゆ 各小さじ1/★ごま油小さじ2分の1/★砂糖 小さじ3分の1/★練りがらし 少々)
≪作り方≫
[渡部さんのコメント] |
≪材料(2人分)≫
ししゃも4尾/酒 小さじ1/春巻きの皮4枚
A(しょうゆ 小さじ2分の1/カレー粉 小さじ4分の1)/ピザ用チーズ15g
B(小麦粉・水 各小さじ1)/油 適量
≪作り方≫
[有賀さんのコメント] |
Q1. 学校栄養士のやりがいを教えてください。
小学校6年間を通して、栄養を管理された給食を食べて大きく成長していく子どもたちの姿を近くで見られることですね。また、子どもたちが私のいる事務室までやって来て、「おいしかった」など給食の感想を聞かせてくれるとやりがいを感じます。
Q2. 日ごろの業務の中で、うれしかったことや大変だなと感じることはありますか?
保護者から「子どもが苦手だったものが食べられるようになった」という報告をもらったときはすごく嬉しかったです。その子は、家庭で野菜をどんなに細かくしても食べられなかったと聞いたので、自分の考えた献立や調理員さんが作ってくれた食事で苦手を克服してもらえたことに誇りを感じます。大変なこともありますが、子どもたちからの「おいしかった」の言葉で忘れちゃうんですよね(笑)
Q3. 区の「おいしい給食事業」に対する想いをお聞かせください。
この事業が始まるまでは、学校ごとに独自の方針で給食を作るしかなく、栄養士の個人プレーでした。しかし、事業が始まってから、“もっとおいしい給食を、身体にもこころにもおいしい給食を”と、栄養士が団結するきっかけになったんです。月1回、学校栄養士が集まる会議も設けてくださっているので、そこで情報交換したり、互いに悩みを話したり、改善案を出し合ったりできるようになって切磋琢磨しながらみんなで事業に取り組んでいます。
Q4. 献立を考えるうえで心がけていることは何ですか?
栄養バランスを考慮しながら、給食が苦手な子でも「一口チャレンジしてみよう」「食べてみたい」と思ってもらえるような献立にすることを心がけています。
Q5. 渡部さんが考案した給食メニューはありますか?
たくさんあるんですけど、「これだけは言いたい!」っていうメニューがあるんです。それは「ねぎ塩豚丼」!大人気のメニューで、今ではほとんどの学校で取り入れられています。
当時は区内の中学校にいたんですが、まだこれがなかったころ中学生が喜ぶのは牛丼でした。でも、ある日「牛丼よりも、牛丼屋さんの“ねぎ塩豚丼”がおいしくて好き」と言われたんです。当時はお店でも大人気メニューであることを知り、実際にお店に行って何度も食べて研究しました。再現するのに苦労しましたが、子どもの大人気メニューになっていますし、令和6年11月22日(金曜日)に区と楽彩(株)のコラボにより販売を開始したミールキットでも「ねぎ塩豚丼」が採用されるくらいの存在になってくれているので、頑張ってよかったと思っています。
「あだち広報12月10日号」で紹介している「揚げワンタンサラダ」も私が考案した給食メニューです。まちの中華屋さんで食べた“パリパリに揚げた春巻きの皮がのったエビチリ”を参考に作りました。この“パリパリ”が子どもたちの楽しみの一つになっているんですよ!
Q6. 令和6年12月13日(金曜日)発売の『東京・足立区のおいしい給食レシピ』にはどんな想いで取り組みましたか?
子どもが大好きな給食を家庭でも簡単に作ることができるレシピ本が発売されると聞いたとき、「なんて夢のようなんだ」と思いました。その制作に関われることはすごく誇らしいことだと思いながら取り組みました。
Q7. 給食メニューを家庭用にアレンジするうえで工夫したこと、難しかったことはありますか?
「普通のレシピ本」にならないために、より給食に近く、手軽に家庭でできるレシピにするのはこだわりでもあり難しいところでもありました。特に塩分を給食にあわせるのは大変でしたね。給食だと天然だしで作りますが、家庭だと顆粒のうま味調味料を使うことが多い。それによって上がってしまう塩分をどう保ち、いかに手軽に作れるかを考える必要がありました。
Q8. 最後に、区民の皆さんへのメッセージをお願いします。
足立区の給食は日本一です。レシピ本に載っているお料理は、全部、簡単、おいしいです!子どもたちの「これ作って!」に応えることができるレシピ本になっていますので、ぜひ作ってみてください。
Q1. 学校栄養士の魅力を教えてください。
食を通じて生徒といろんな関わり方ができるのが魅力だと思います。
健康や成長のサポートはもちろん、食文化やマナーを教えるのも栄養士の役割だと考えています。今年から栄養教諭に転向し、授業に入ることができるようになったので、授業で食を取り上げることによって、食から勉強への興味を持つきっかけづくりになれればと思っています。
また、「きっかけ」といえば、昨年お米の食べ比べ企画を開催した時のエピソードが印象に残っています。4種類のお米を4日間かけて食べるという内容でしたが、ずっと不登校だった生徒に企画のことを伝えたら、ちゃんと4日間学校に来て給食を食べてくれたんです。それをきっかけに少しずつ学校に来てくれるようになり、給食がきっかけになったのかなと思うととても嬉しかったです。
Q2. 日ごろの業務の中で、うれしかったことや大変だなと感じることはありますか?
●嬉しかったこと
「おいしかった」と生徒に言ってもらえるのは何よりも嬉しいです。それから、“給食”が話題になるのも。生徒の間でも、先生の間でもどんなコミュニティでも話題になるのが嬉しい。先日給食でフィリピン料理を出したんですが、実は校内にフィリピンにルーツを持つ子がいて、その子が今まで見たことないくらい喜んでいたと聞きました。ある生徒は手紙をくれて、お母さんにフィリピン料理の給食が出たことを報告したら、「よかったね」と言って喜んでくれたと書かれていて、思わず涙が出そうになりました。こういうふうに、単に「昼ご飯」として終わってしまうのではなく、給食が話題になって、家庭にも浸透していることが分かると嬉しく思います。
●大変だったこと
初任校が江戸川区の小学校で、その後が今在籍している栗島中学校。区も校種も変わったことで、子どもたちの食の好みも違ったんです。前任校の人気メニューが現任校では通用しないこともあり、最初はかなり頭を抱えました。とはいえ、食べないから出さなくても良いという話でもないので、試行錯誤して「どうやらこういう味付けなら食べてくれる」など、色々研究しました。
Q3. 区の「おいしい給食事業」に対する想いをお聞かせください。
食育の取り組みが区として用意されているのはすごくありがたいです。「コシヒカリ給食」が良い例。ただ単にコシヒカリは給食に出るだけでなく、中学2年生が新潟県魚沼市へ自然教室に行って、魚沼市から届いたコシヒカリが給食で提供されるという、「意図」が明確なんです。
また、「コシヒカリ給食」は、就学前から中学校にかけて実施しているので、一貫性がありますし食育でつながっているのがすごく良いなと思っています。就学前から1年に1回コシヒカリが給食に出ることが身に染み込んでいると、子どもの興味・関心を引き出しやすいですし、いろんな取り組みのきっかけにもなるんです。
Q4. 献立を考えるうえで心がけていることは何ですか?
生徒にとっての食べやすさや、苦手なものを食べてもらうことなどを全部踏まえて、“できる限り1日1日意図を持った献立を出すこと”を心がけています。毎日「献立メモ」を作っていて、例えば今日の献立に対するエピソード(食材、マナー、季節のこと等)を書いています。要は、そのメモに書くネタがある献立を作るようにして、生徒に給食からたくさんのことを学んでほしいと思っています。
Q5. 有賀さんが考案した給食メニューはありますか?
「アジメンチ」です。魚のアジを使ったメンチカツで、アジと豚ひき肉をミックスして作ります。きっかけは「米粉パン給食」。パンと言っても“米粉”で作られているので、お米にも合うおかずを一緒に出したかったんです。ゆえに、パンは洋食だけど、ちょっと和食の雰囲気を感じられるものを出したいと思いました。そうなると、子どもが食べるからといって安直に「肉」というのは自分の中では違うかなと。魚も取り入れたい、でも魚の切り身だとパンと合わせたときに食べにくい。そもそも魚が苦手な子どもはパンすらも進まなくなってしまうので、パンも進み、魚も食べられるものはないかというところで、アジを使ったメンチカツをひらめきました。実際子どもたちには大好評で、積極的に食べてくれたので安心しました。
Q6. 令和6年12月13日(金曜日)発売の『東京・足立区のおいしい給食レシピ』にはどんな想いで取り組みましたか?
レシピ本の制作に携われる機会は滅多にないのでおもしろそうだと思いました。また、いろんな給食メニューを家庭でも取り入れてもらえれば食の充実にもつながりますし、学校給食の目的の一つである「給食から家庭へ」というのも、レシピ本を通じて実現できるといいなと思います。
Q7. おすすめの給食メニュー「ししゃもの二色春巻き」に関するエピソードを教えてください。
前任校でもこれは提供していましたが、中身の具材を変えているんです。前任校ではしそだったんですけど、現任校では不人気だったのでカレーとチーズに変えてみました。カレーは子どもたちが大好きですし、中学生はカルシウムを取る必要があるのでチーズを巻いてみようかと。そもそも何故ししゃもを春巻きにしたのかというと、「ししゃもの顔が怖い」という子どもがいたので、顔を隠すために春巻きにしたんですよね。一般的な春巻きよりも手軽に作れますし、大人のおつまみにもなるので、子どもも大人も楽しめる一品です。
Q8. 最後に、区民の皆さんへのメッセージをお願いします。
「足立区=おいしい給食」は浸透していると思います。今回のレシピ本を通じて、子どものいる家庭だけでなく長らく給食から離れている家庭にもぜひこのレシピ本を手に取ってほしいです。今、区内でどんなメニューが出ているのか、また足立区の給食の良さを知り、自分の食生活を考えるきっかけになってくれたら嬉しいです。
平成23年に約7万部を販売し、大好評を博した「足立区の給食レシピ本(発行:アース・スターエンターテイメント)」。
保護者などから2作目を望む声を多数いただき、料理や育児、ファッションの書籍等を発行する「主婦の友社」から発行が決定!レシピだけでなく、給食に関わる様々な方の想いも収録!
東京・足立区の おいしさも安心も日本一を目指す! 著者 :足立区教育委員会おいしい給食担当課 |
レシピ本の中身をちょい見せ! |
足立区に本社がある、野菜等を取り扱う青果物卸「デリカフーズグループ」の企業である楽彩株式会社が、区のベジタベライフの取り組みに共感いただき、「おいしい給食」とのコラボが実現!強みを活かした野菜が美味しいミールキットが発売されました!基本的な食材はすべて入っていますので、ご用意いただくのはご家庭にある調味料やお米だけ。調理も簡単15分!ぜひ、お試しください。
【発売日】令和6年11月22日(金曜日)
【販売場所】楽彩株式会社公式オンラインショップ
https://rakusai.shop/(外部サイトへリンク)
【メニュー1】 チキンチキンごぼう&小松菜のごはんとサラダ 定価:1,680円(税込) |
【メニュー2】 ねぎ塩豚丼&小松菜とわかめの和え物 定価:1,480円(税込) |
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