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公開日:2016年7月20日 更新日:2016年7月20日

~足立大好きインタビュー~競泳選手 中村克さん

日本人の体格から、戦えない種目と言われている自由形短距離。「リオオリンピックという大きな舞台で、日本の自由形短距離が世界でも通じることを証明する」と語る中村さんに、足立区のこと、オリンピックへの思いを聞いた。

自分を成長させてくれたまち

中村克選手「自分を成長させてくれたまち」 中学2年生のときに足立区に引っ越してきて、第十四中学校に通うようになりました。学校の水泳部に入って、大会では好成績を収めました。ただ、学校のプールは屋外でしたので夏場しか泳げなかったため、日ごろの練習は、舎人にあるスイミングクラブで行っていました。
 以前は調布に住んでいたのですが、足立区に来てから、水泳のレベルがすごく上がった。足立区のクラブには僕以外にも中学記録を出した選手もいましたし、レベルの高い子がたくさんいて、刺激をもらいました。互いに競い合いながら練習できたので、それが記録更新につながったと思います。足立区は、自分を成長させてくれた区だと思っています。

スランプのときこそ、楽しむ

 ジュニアのときは、楽しく泳ぐことを心がけていて、それが今も生きています。練習しているとき、水の中では誰とも話せない状態なので、だからこそ、「楽しむ」ってことを一番に考えます。水の中で1人で戦う競技なので、つまらなければ水泳ってできないと思うんですよ。

 記録が伸びず、苦労した時期もあります。大学に入ってすぐのころなんですが、もう泳ぎたくないって思って、水に入ってもすぐに上がったり、本当に、練習に行っても泳がないで帰っちゃうこともありました。

 そういうことが何ヶ月も続いて、だんだん水泳がつまらなくなって。そのとき、「昔はあんなに楽しかったのに、何でこんな風になっちゃったんだろう」って考えた。楽しくするには、結果を出すことが第一と考え、じゃあ、結果を出すためにはどうしたらいいのかと逆算して考えて、今できることを一つひとつやっていくことにしました。そのときも、まず、自分の原点である舎人のスイミングクラブに戻った。いろいろ話を聞いたり、練習メニューを大学のメニューと比べたりして、自分を客観的に評価し、自分の状態がどうなっているかを分析して、そこから細かいアプローチをかけていきました。すぐには変わらないけど、やはり練習を重ねていくことで、わかることはある。

 僕の特徴のストレートアームも、大学に入って泳ぎが崩れ、スランプになったとき、泳ぎを1回崩して、そこから作り上げたものです。ストレートアームにしようと思ってなったわけじゃなくて、感覚を研ぎすましていって、どういう風にしたら早くなるかとやっていったら自然とそういう形になった。それが今の泳法になっています。ストレートアームは手を伸ばしながら回転させる泳法で、日本人では少ない。多くの人はハイエルボーといって肘を高く持ち上げる泳法になります。

 きついときも、その状態をいかに楽しめるかっていうのが大事だと思っています。表現が正しいかどうかわからないのですが、あえて「ゲーム」をするような感じで、楽しみを探してきました。隣の人と、1本ずつ、勝ち、負けを競ったり。

 いつも状態がいいわけじゃないし、思うような泳ぎができないときもいっぱいある。だからこそ大事にしているのは、昔から変わらず「楽しむ」ということ。楽しむことを優先してがんばっています。

47秒台をめざす

中村克選手「47秒台をめざす」

 僕の出場する自由形短距離っていうのは、ここ何十年メダルに届かず、競泳界の中では、「日本が世界で戦えない種目」って言われてきました。

ですが、昨年の世界水泳自由形100mの銅メダルは、48秒12。僕が今年4月に出したタイムは48秒25でしたので、メダルは手の届くところまで来ていると思います。本当は「戦えない種目」ではないのに、「戦えない」って思われてしまっているので、オリンピックという一番大きな舞台で、「日本の自由形短距離は世界に通じる」っていうことを証明したくて、色紙に書かせていただきました。

 記録で言えば、47秒台を出せば、メダルはほぼ確実にとれるのかなと思っています。もちろん、混戦になったり本番がどういう風になるのかわからないですけれど、近年の様子を見ていると47秒台を出せばとれる。だから僕は今、47秒台を目指して練習しています。

 自分のレース展開は、前半を抑えて後半で勝負という形なのですが、後半のタイムは変えず、前半のタイムを少しでも速くすれば、いけるんじゃないかと思っています。自分の苦手なスタートの局面の細かい動作を直したり、自分の持ち味の後半のスパートもブラッシュアップするなど、全体的にアプローチをかけて、レベルアップできるように、トレーニングプランを組んでいます。トレーニングは順調なので多分やれると思います。

 

 今は赤羽の国立スポーツ科学センターで、出国まで毎日、強化練習を重ねています。現時点で、もう戦うメンタルはできているので、会場に入ったときに気持ちにスイッチが入るように持っていけるように、今はたんたんと、やるべきことをやっています。

 日本では、自由形の決勝に残る人が何十年もいないので、まずはそこを意識しています。そして、決勝に残れたら、メダルを目指してがんばりたいと思います。

仲間思いのまち足立

 僕の父は第十四中学校の近くでお店をやっています。ラフな感じの居酒屋で、僕は本当に好きなんです。自分の写真が飾られているのがちょっと恥ずかしいのですが(笑)。おススメは、上レバの炙りかな。おいしいもの、いろいろありますよ。
 友達も、僕がいないときでも店に来てくれたりします。中学を卒業してもう何年も経つのですが、来てくれて。
 去年なら世界水泳とか、一昨年ならアジア大会とかに出ていたのですが、友達がそれを見てくれていて連絡をくれる。卒業してもそうやって応援してくれているっていうのがうれしいですね。
足立区のいいところは、友達思い、仲間思いっていうところ。それはすごく強いように思います。中学時代のことを思い出しても、仲間を思う気持ちが強かったと思います。
 この2年、世界大会、アジア大会でも仲間の応援を強く感じてきたので、今回、オリンピックでもそうなんじゃないかなって思う。応援してくれる人がいれば、その分、がんばろうと思うので心強いです。

中村克選手「仲間思いのまち足立」

足立区の皆さんへ。

オリンピック選手に選ばれて、日本代表として、また足立区の代表として、ブラジルで自分のベストパフォーマンスを出してきますので、みなさん、応援よろしくお願いいたします!

中村克(なかむら かつみ)

平成6年東京生まれ。第十四中学校出身。早稲田大学卒業。身長183センチメートル、体重75キログラム。第92回日本選手権水泳競技大会 競泳競技 男子100メートル自由形で48秒25の日本新記録を樹立。リオオリンピックの代表に選出された。

著名人が語る!足立大好きインタビュー

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