ホーム > 【第3弾 NPOインタビュー】「あなたの明日が晴れますように」ハレノヒおとなこども食堂
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公開日:2025年3月5日 更新日:2025年3月5日
区内で活動するNPO団体の活動内容や活動にかける熱い想いをご紹介します!
今回ご紹介するのは、医療者(看護師・理学療法士・作業療法士)が中心となり、不登校の子どもや集団適応が苦手な子を支援する「ハレノヒおとなこども食堂」です。
居場所支援やこども食堂を通じて、子どもたちが安心して過ごせる場を提供しています。
今回のインタビューでは、代表の鈴木沙恵子(すずき さえこ)さんに、ご自身の子育ての経験や訪問看護師としての視点から、この活動にかける想いを伺いました。
私たちは、発達に課題があり不登校の状態にある子や、集団適応が苦手な子を対象に綾瀬地域で居場所支援・こども食堂を行っています。現在、医療者(看護師・理学療法士・作業療法士)を中心に、保育士・調理師・高校生・大学生など約25名が活動に関わっています。居場所支援とこども食堂を行っていて、居場所支援には6名ほど、こども食堂には10名ほどが毎回来てくれています。活動をはじめて1年。今では居場所支援に通う子どもたちが、こども食堂の日にイベントを企画するなど自発的に行動するようになり、活躍の場も増えてきました。例えば、お店屋さんごっこをしたり、クリスマスのハンドベル発表を行ったりと、準備してきたことを披露できる機会が増えています。その経験を通じて、ボランティアさんや親御さんにたくさん褒めてもらうことで、子どもたちの自己肯定感が育まれ、成長につながっていると実感しています。
1. 平日:居場所支援(ハレノヒのお部屋)
学校の代わりとなる場として、不登校の子どもたちが安心して過ごせる場所を提供。
開催日:水曜日・金曜日 9時30分から12時30分(年間96回)
2. 週末:こども食堂(ハレノヒおとなこども食堂)
親子で気軽に訪れ、温かい食事を囲みながら交流できる場を提供。
開催日:第3土曜日 11時から14時(年間12回)
私自身、我が子が幼い頃に地域に通える居場所がなかったことが、この活動を始めた大きなきっかけです。子どもと一緒に学校の親子イベントに参加しても、子どもは適応できず、外に出てしまうことが続きました。習い事をしたくても、「個別対応になります」「取り組めないなら難しいです」と言われることが多く、新しい環境に馴染むのが苦手な息子にとっては、挑戦する前に失敗体験が積み重なってしまう状況でした。また、不登校の親という立場を経験し、発達に課題があり配慮が必要な子が安心して通える場所を必死に探しました。しかし、通える範囲にはそうした居場所がなく、子どもが集団に適応できるようになるまでには長い時間がかかり、親として孤独を感じる日々でした。
そんな経験から、「きっと同じように悩んでいる親御さんが地域にたくさんいる」と感じるようになりました。
現在、訪問看護師として不登校や発達の偏りがあるお子さんを支援する中で、「学校で成功体験を積めるまでの過程を、医療者がもっと丁寧にサポートしたい」「親子ともに安心できる居場所を作りたい」と強く思うようになりました。
しかし、訪問だけでは限界があります。そこで、気軽に地域の医療者に子育てや学校での適応について無料で相談できる場を作り、子どもたちが安心して楽しく過ごせる場所を増やしたいという想いで団体を設立し、活動を始めました。
良かったことは、不登校の子どもたちが「ハレノヒのお部屋」で過ごしたことをきっかけに、再び学校に通えるようになったことです。
「ここなら行きたい」と思える居場所を提供できていることを実感し、子どもたちの前向きな変化を見るたびに、この活動を続けてきて良かったと感じています。
苦労していることは、子どもたちが参加しやすい環境を作ることです。こども食堂には、毎回10人ほどの子どもが来てくれており、大人も含めると20人ほどが訪れます。しかし、人が多い環境が苦手で来にくい子や食事に対するハードルが高い子もいるため、こうした子どもたちにも参加しやすい環境をどう作るか、今も試行錯誤を続けています。また、送迎の課題も大きな壁です。「連れて行きたくても難しい」という家庭も多く、どうすれば無理なく参加できるかを模索しているところです。
不登校支援では、早期に課題を整理し、発達段階の確認や心のケアを行うことが非常に重要だと考えています。そして、何より大切なのは、親子関係が崩れないように、周りの人が温かく見守ることです。
不登校の状況が続くと、親御さんも悩みを抱え込みがちですが、「一人で頑張らなくていい」「誰かが見守ってくれている」と感じられる環境が必要です。また、医療者が不登校支援に関わることは、もっと身近であるべきだと思っています。居場所支援やこども食堂を通じて、「看護師を少しでも身近な存在」として感じてもらえるような場をつくりたいと考えています。
まず、この活動を足立区内でもっと広めるための広報活動を強化していきたいです。
特に、居場所支援で実施している「発達の課題に応じた療育プログラム」について、より多くの親御さんに知ってもらいたいと考えています。
不登校になったときに、「病院に行く前に、まずは地域のハレノヒおとなこども食堂に相談してみる」そんな身近で頼れる存在になれることを目指しています!
また、地域全体で子どもたちを支えられるよう、フリースクールや学校との横の関係も構築していきたいです。
■ハレノヒおとなこども食堂ホームページ:https://harenohi-shokudo.com/
今回の取材にあたり、協働・協創推進課職員も「ハレノヒのお部屋」を見学させていただきましたが、子どもたちが笑顔で楽しそうに学び、体験をしている姿が印象的でした。
小さなことでも、たくさん褒められる体験は、子どもたちにとって自信や成長に繋がっていくと思います。
「ハレノヒ」さんでは、子どもたちの成功体験の積み重ねを大切にされています。不安や悩みを抱えていらっしゃる方は、ぜひ一度ご相談されてみてはいかがでしょうか。
「ハレノヒ」さんへのお問い合わせは、団体ホームページに掲載の二次元コードからLINEを追加するか、下記のLINE IDを検索、追加の上ご連絡ください。
こども食堂LINEID:@923uzecd
ハレノヒのお部屋LINEID:@247ivgbr
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