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公開日:2024年1月5日 更新日:2026年8月24日

【ヤングケアラーについて考える】
支援機関の皆様へ

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ご本人にとっての選択肢を増やすことが大切です

東京都ヤングケアラー支援マニュアル(令和8年3月改訂版)では、ヤングケアラー支援の基本方針として、次のような記載があります。ヤングケアラーを支援する関係機関にとどまらず、一般にヤングケアラーについて考えていただく視点になると考えますので、引用掲載します。

 

ヤングケアラー本人のケアに関する認識や思いは多様です。本人や家族に自覚がない状態では、本人からサポートを求めてくることはまれです。本人や家族に寄り添い、自然なかかわりにおいて信頼関係を築く中で、話を聞き本人とその家族の意思を尊重しながら本人にとっての選択肢を増やしていくことが大切です。

以下は、ヤングケアラーを支援する機関向けに示された5つの基本方針です。

1 特別な存在ではないことへの理解

一世帯当たりの人数が減少傾向にあり、共働きの世帯数も増加していることから、家庭内でケアを担える人数・大人がケアにかけられる時間が減少しています。
また、地域とのつながりの希薄化などからくる地域力の低下等が家庭の孤立化につながり、障害や精神疾患のある家族や幼いきょうだいのケアを巡って子供に(家庭の状況や周囲の環境によっては)過度なケアの負荷がかかってしまうケースがあります。
こうした社会的な背景から、子供や家庭からは相談することが難しいため、支援につながらず、どのような家庭でも、子供がヤングケアラーになる可能性があるということを理解しましょう

 

2 本人の意思に沿った支援・プライバシーへの配慮

同じケアをしていたとしても、抱える思いや希望していることは人それぞれです。例えば、ケアから完全に離れて一人暮らしを希望している人もいれば、家族のケアをしつつ勉強や友人との交流等を大切にしたいと思っている人もいます。支援を検討する際には、支援者が支援方針を決めつけることなく、本人の意思に沿い、本人が安心してケアに向き合えるよう、本人と一緒に環境を整えていくことを大切にしましょう。その際、ケアが将来にわたり影響する可能性を考慮し、将来のイメージも含め選択肢等を示した上で本人の希望を聞くことが大切です
ケアはヤングケアラーにとって生きがいになっているケースもあります。ケアをしていること自体は否定しないようにしましょう。言い回しに気を付け、「ケアをしている状況を尊重している」「一緒に考えていく立場である」ことが伝わるようにしましょう
大人と異なり、子供は思いを言葉にすることがうまくできない可能性があります。各支援者が自分事として捉え、一人の大人としてヤングケアラーと向き合い、「話を最後まで聴く」、「言語化できるまで待つ」、「解決を急がない」、「私があなただったらどう思うだろうと自分事になって考える」、「一緒に考える」ことがとても大切です。寄り添う中で、徐々に本心が見えてくることがあります。
また、困ったときに周囲に助けを求められるように支えたり、安心して立ち直る力(レジリエンス)を育む関わりも大切です。
家庭の状況を学校のクラスメイト等周囲に知られたくない場合が少なくありません。また、家族のことを話せない空気の中で過ごしている場合もあります。本人以外の第三者に知られないように話す等、プライバシーに十分な配慮をするのことはもちろん、「なぜ話さないのか」ではなく、「相談できない空気や構造がある」ことを前提に、本人の孤立感や葛藤に寄り添いながら、丁寧に聞きとる姿勢が重要です

 

3 家庭全体を支援する視点の重要性

ヤングケアラーの家庭は、ヤングケアラーがいてバランスがとれており、ヤングケアラーが抜けられない家族システムになっていることが想定されます。そのため、ケアを受ける家族や保護者等その他の家族も含めた家庭全体を支援する視点が重要です。
効果的な支援のためには、家庭との良好な関係性構築も不可欠です。「親の養育が不十分」という認識で子供を支援するのではなく、家族の大変さに寄り添い家庭を支援していくことが大切です。状況確認の際には親子関係等にも着目しましょう。
DVや保護者の精神疾患など、複合的な課題を抱える家庭の場合には、保護者を支援につなぐことで子供の支援にもつながることがあります。女性相談など「保護者を支援する機関」も関係機関に含まれます。
家族側が支援やサービスを受けることを拒否するような場合も、本人や家族の話に耳を傾け、家庭の味方であること、一緒に悩み考える存在であることを認識してもらいましょう。支援を受けることで家庭にとっても良い環境になること等を丁寧に説明しながら長い目で寄り添う支援も必要です。
言葉の使い方にも気をつけましょう。「ヤングケアラー」という言葉はときに本人や家庭にとってショックになることもある強い言葉であるため、関係性のできていない段階で面と向かってヤングケアラーという言葉を使わない、相手との関係を取りながら慎重に説明をするといった配慮も必要です

 

4 見守り・共感を含めた幅広い支援、多機関・多職種の連携の重要性

ケースにより支援を行う際に連携する関係機関が異なります。支援の方向性としては、まず関係機関が既存の支援を組み合わせることを検討し、足りない点については新たな仕組みを付加していきます。
各機関や担当者がそれぞれの所掌範囲から少し視野を広げ、これまで支援のはざまにいたヤングケアラーに対して、共通した目標に向かいそれぞれの立場の中でできることは何かを考えてみることが大切です。ヤングケアラーに対し「何か特別な支援をしなければならない」と難しく捉える必要はありません。今どのようなケア状況にあるか等を本人と一緒に確認していくプロセス自体も大切で、様々な負荷がかかっている状況が見えてきたり、本人の気持ちが整理できたりします。
ケアの状況がすぐに変わらなくても、共感や相談ができる場があることで、気持ちの安定や安心感を得られたり、継続的に話せる人や機関が身近にいたりすることも支援の一つです。課題解決を急がず、地域の民間団体による見守りや、ケアをしている当事者同士の共感し合える場につないだり、情報共有をしたりしながら長い目で寄り添うことも大切です。
多機関・多職種が連携し、ネットワークを構成する中で、家庭や本人の意思や状況に応じた見守りも含めた支援が必要です。

 

5 若者ケアラー支援への連続性の認識

18歳を過ぎても家族のケアが続く場合があり、そのような若者が支援から取り残されないようにすることが大切です。令和6年の「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」の施行により、ヤングケアラー支援の対象はおおむね30歳未満(状況に応じて40歳未満)までとされ、子供から大人へと移行する過程においても、点ではなく線でつなぐように切れ目のない支援を行い、「若者ケアラー」一人ひとりの将来の可能性を広げていくことが求められています。
ピアサポート等は年齢を問わず支援を受けることができ、心の支えになる可能性があります。
進学や就職等、若者ケアラーならではの問題もあります。ヤングケアラーの年齢や状況によっては、若者の就労支援関係機関等とも連携を図りましょう。

 

 

(出典)東京都ヤングケアラー支援マニュアル(令和8年3月改訂版)

関連情報

こども家庭庁ホームページ

こども家庭庁作成のPR動画、調査研究資料などが掲載されています。

https://www.cfa.go.jp/policies/young-carer/

「ヤングケアラー 特設サイト」

https://kodomoshien.cfa.go.jp/young-carer/

 

文部科学省ホームページ

調査研究やヤングケアラー支援に向けた連携プロジェクト等のリンクがまとめられています。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1387008_00003.htm

 

東京都におけるヤングケアラー支援

オンライン相談などを行っている団体情報等が掲載されています。

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/kosodate/young-carer.html

ヤングケアラーのひろば(東京都子供政策連携室ホームページ)

https://www.young-carer.metro.tokyo.lg.jp/

 

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