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公開日:2024年1月18日 更新日:2024年1月18日

区営シルバーピア(高齢者集合住宅)における緊急通報システムの事故について(詳細)

 

事案の概要

令和5年11月30日(木曜日)、区営シルバーピアにおいて居住者(80代・男性)が亡くなられていたのが発見されました。同日、現場確認の際、当該シルバーピアの「緊急通報システム(以下、システム)」の警報が鳴らなかったことがわかり、その後、調査を行いました。
調査の結果、システムには、12時間以上人の動きを感知しないと警報が鳴る機能がありますが、当該シルバーピアでは、令和5年7月12日から令和5年12月4日まで、全室で警報を出さない設定状態にあったことが判明しました。
なお、現時点では、警報が鳴らなかったことと居住者が亡くなられたこととの関係については不明です。
※高齢者集合住宅には、都営シルバーピア、区営シルバーピア、UR賃貸住宅(旧公団住宅)がある。そのうち区営シルバーピアは、区が建物を借り上げた住宅で区内に8か所あり、65歳以上の単身高齢者向けの住宅として区が募集・運営を行っている。住宅には、高齢者向け設備のほか入居者の緊急時の対応を行う生活援助員等が居住または通勤している。

システムの概要と状況

システムの概要

  • 12時間以上人の動きを感知しないと、当該シルバーピア内の管理室と警備会社に警報が届く機能
  • トイレや風呂場、居室にある緊急ボタンを押すと、当該シルバーピア内の管理室と警備会社に警報が届く機能

システムの状況

  • 12時間以上人の動きを感知しない場合、警報が鳴らなければならないが、当該シルバーピア内の全居室で、令和5年7月12日から12月4日まで、警報を出さない設定の状態にあった。
  • 緊急ボタンによる作動は正常であった。

事故発生の原因

  1. 令和5年7月12日、区がシルバーピアの維持管理業務を委託している元請事業者(A社)が、施設内の空き室の鍵交換作業を行ったが、手持ちの部材では交換ができないことが判明したため、施錠し退去した。
  2. 同日、元請事業者(A社)が退去後、生活援助員の同居家族が当該空き室の表示が「在室」になっていることに気がついた。
  3. 「在室」状態のままでは発報してしまうため、生活援助員の同居家族は、A社の再委託先であるシステム保守点検事業者(B社)と電話で連絡をとりながらシステムを操作して、当該空き室の警報を出さない設定にしようとしたところ、誤って全居室のシステムの警報を出さない状態に設定した。

※システムの設定を変更する操作は、通常、システム保守点検事業者(B社)が行うが、今回は早期対応を優先し、生活援助員の同居家族と作業員が電話でやりとりしながら操作したと報告を受けている。

 誤操作を早期発見できなかった要因

  1. 設定変更作業後の現地確認が行われなかった
    システム保守点検事業者(B社)は、電話のやり取りにより設定変更が正常に完了したと思い込み、システムの設定変更作業後の確認にまで考えが至らなかった。
  2. 定期点検の確認項目になっていなかった
    システムは定期点検を行っているが(令和5年8月も実施)、今回の誤操作の結果を確認できる点検項目が無く、警報を出さない設定の状態になっていることに気づけなかった。

再発防止策

  1. 8か所の区営シルバーピアのうち7か所について、令和5年12月の点検からシステム設定の確認を点検項目に加えた(残り1施設は、保守契約が区ではないため調整中)。
  2. 区は、令和5年12月27日、全ての生活援助員に緊急通報システムの設定操作を行わないよう指示し、今後は保守点検会社による操作を徹底することとした。
  3. 元請事業者(A社)からは、システム保守点検業者(B社)に、以後第三者に同様の操作をさせないことを徹底するとの報告を受けている。

 

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