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公開日:2016年7月4日 更新日:2016年7月4日

食品ロスに関する意見書を読んで

 第2回足立区議会定例会で「食品ロス削減に向けての取り組みを求める意見書」が全会一致で採択されました。農林水産省の推計によると、日本では年間2,801万トンの食品廃棄物が発生しており、このうち642万トンがまだ食べられる状態のまま廃棄される、いわゆる食品ロスであるとのことです。食品ロスの半分は事業者の流通・販売過程で、後の半分は家庭での食べ残しや賞味期限前の廃棄として発生しているとされることから、広く国民全体への意識啓発も重要と意見書では述べられています。

 意見書を読みながら思い出したのが、都議会議員時代に聞いた、東京都環境局のある部長の言葉でした。船で輸入される食料品は、東京港に荷揚げされた時点で結構な量が腐ってしまっている。そのまま廃棄するのはもったいないので、たい肥化して有効活用すべきではないか、という議論をしていた時のことです。「残った食べ物の再利用を考えるより、まず残らないよう工夫をする方が先。都内の学校給食の残菜量は膨大だが、国の基準の縛りがきつく、都でも手が付けられない」というものでした。

 国の基準とは「学校給食法」に基づく実施基準のことで、例えば給食で取らなければならないカロリー量など、様々なきまりごとがあります。食べる量の個人差などは全く勘案せず、とにかく決まった量を出し、「食べる、食べないは個人の問題」と言わんばかりでは、考えようによっては無責任とも取れます。

 「好き嫌いも子どもの個性」とおっしゃる保護者がおられる昨今ですが、当区では学校やご家庭のご理解もあって、給食の残菜量は「おいしい給食事業」を開始した平成20年度当時と昨年度を比較すると、381トンから151トンへ、率にすると11.0%から4.4%へと半分以下に減少しました。

 とはいえ、他校にくらべて、残菜量が高止まりしたままの学校もあります。子どもの心身の健康を考えて、そのような学校ほど現実を直視して対峙(じ)して欲しいものです。

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