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公開日:2018年12月18日 更新日:2018年12月18日

槍かけ松


ありし日の槍かけ松

 

清亮寺(日の出町42番1号)の門前の老松は、枝を四方に張り、幹が2メートル程の高さから屈曲して水戸街道の上に覆いかぶさっていました。
ある年、江戸入府のために水戸を出発した徳川光圀の行列がこの寺の近くに来ました。
行列の槍持は、どんなことがあっても槍を傾けたり倒すことはできません。
しかし、そのまま槍が進むと清亮寺の老松の幹にぶつかってしまうのです。
普通の大名ならば、天下の往来を妨げ、行列の邪魔だからと、文句を言わせずに松の幹を切らせてしまうところですが、光圀は休憩の命令を出したかと思うと、問題の大槍を老松の幹に立てかけさせました。
そして、お供の者たちと老松の風雅な容姿やこの辺の景色を眺めながら、お茶をすすったということです。

この風流を解した光圀の名采配ぶりにお供の者はもちろんのこと、住職や付近の村人たちまでが感涙にむせんだということです。
このようなことがあってから、いつとはなしに、老松を「槍かけ松」とよぶようになり、清亮寺は槍かけ松のある寺として有名になり参詣人も多かったということです。

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