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公開日:2018年12月18日 更新日:2018年12月18日
ピンセット産業・・ツマモノの栽培
ムラメの栽培
ツマモノとは漢字では「妻物」と書き、刺身や料理のツマとして風味付けや季節感、料理の高級感を演出する香味野菜のことを指します。それ自体が料理のメインになるものではありませんが、料理屋やレストランなどの外食産業、特に日本料理には欠かすことのできない野菜です。区内では大葉、花穂、穂紫蘇、芽紫蘇、ムラメなどのツマモノが近世以来盛んに栽培されてきました。栗原、本木、舎人などの各地区が主要な生産地でしたが、特に栗原では盛んで、宅地化の進んだ今でも栽培・出荷が続けられています。
ツマモノの栽培には広い栽培面積は必要としませんが、細かい気遣いと手仕事が必要なため、ビンセット産業ともいわれました。
花卉栽培と同様、ツマモノ栽培が普及した原因のひとつは土壌にありました。粘土質土壌であり貯水が比較的容易にできるという土地柄を活用したものでした。また、流通の上では消費地としての大都市江戸・東京の存在が非常に重要でした。一般家庭の日常食材としてはほとんど登場しない特殊野菜であるこのツマモノは、外食産業の発達した大都市という市場において特に大きな需要があったのです。
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