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公開日:2018年12月18日 更新日:2018年12月18日
お囃子の奉納もある番神祭です。
番神の社と祭りの準備
足立二丁目八番に祀られている三十番神七面明神社(さんじゅうばんじんしちめんみょうじんしゃ)のお祭りである番神祭(ばんじんまつり)が毎年4月15日に行われています。
この〈三十番神七面大明神社〉は、足立三丁目にある旧家の屋敷にとって、未申(ひつじさる)、西南の方角である〈裏鬼門〉にあたる場所にあり、この家の災いを防ぐために祀られています。
この社の祭礼が、番神祭です。三十番神七面大明神社は、身延山(みのぶさん)の裏鬼門にある七面山(しちめんざん)から招来したものであるそうです。
ちなみに、これに対し、北東の方向にあたる〈表鬼門〉にも、正一位稲荷神社の小祠があります(足立3-11-25)。その社は昭和38年(1963年)から、新道地守稲荷(しんどうじもりいなり)の名称で呼ばれています。
番神祭は、地元、五反野祭囃子保存会による迎え囃子で開始が告げられ、神職の祝詞の奏上の後、旧家のあるじと近所の人々による参拝が行われます。
その後、直会(なおらい)に移ります。現在20名ほどの人々が参加しています。
祭事のようす
個人の家の屋敷神のお祭りですが、昔から祭りとして近隣の人々が集まる数少ない楽しみの一つとなっていました。また賭け事の運気上昇にご利益があるとして、参詣する人もいたそうです。
向かい側にある「ばんじん児童公園」が畑だった頃、そこに舞台を作って、「ばあさん踊り」といわれる踊りがにぎやかに舞われたそうです。ばあさん踊りとは、絣の着物・紫の腰巻をつけた老婦人が踊るものだそうです。
また、おむすびを作って集まった子どもたちに配ったこともあったそうです。
地元の方の記憶では、戦前から戦後すぐがもっとも盛んだったといいます。個人の家の祭礼ながらその実、五反野における年中行事的な側面、娯楽の側面も担っていたことが伺えます。
番神様が祭られているため、「番神通り」、「ばんじん児童公園」といった名前がつけられています。
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