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公開日:2018年12月18日 更新日:2018年12月18日
平成22年4月22日調査
足立区辰沼の住宅街の中にあるのが、平井玩具製作所です。セルロイド玩具を製造する日本最後の職人、平井英一さんの工場(こうば)です。
セルロイド製の玩具は戦前戦後の日本を代表する玩具の一つでした。プラスチックの普及とともに姿を消していきましたが、いまもセルロイド玩具を製造、販売し当時の技術を伝えているのが足立区辰沼の平井玩具製作所さんです。
平井英一さんは昭和21(1946)年の生まれ。
昭和30年代から父の才一さん(故人。大正8年生)の工場で子どもの頃から玩具製造に携わっています。英一さんはセルロイドを原料として玩具を製造する職人で、現在も成型、彩色、調整といった製造工程全般に、出荷までを行っています。
フキツケバ(吹付場)で彩色する平井英一さん
セルロイド工場の「本場」だった葛飾区四つ木で、昭和22(1947)年に平井英一さんの父、才一さんが創業した玩具工場です(当時平井玩具加工所)。昭和30年代まで、セルロイド玩具、とくに人形の需要は高く繁盛したと言います。その後、昭和40年代になるとセルロイド製品は下火になり、平井さん方ではプラスチック製の際物玩具の生産へシフトしました。
平成14(2002)年、かつてセルロイド製品を作っていた「金型」を用いて復刻版の人形を生産したところ、口コミなどで販路が広がり、いまは唯一のセルロイド玩具製作所となっています。
サイシキバ(彩色場)兼シアゲバ(仕上場)に並ぶセルロイド玩具
平井さんのようにセルロイド玩具を製造している職人(もしくは工場)は、原材料名から「セルや」さん、「ロイドや」さんと呼ばれました。工程から「加工屋」さんという言い方もあったそうです。平井玩具製作所のホームページのタイトルにもなっています。
【平井玩具製作所のホームページ】
セルや(外部サイトへリンク)
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