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公開日:2021年3月29日 更新日:2023年1月5日
センジュ出版 吉満明子さん
2020年にリニューアルされたセンジュ出版のホームページはとても素敵だ。
落ち着いたデザインやフォント、そして編まれた言葉の数々。読み手に負担をかけないその作りは、人に寄り添う出版社だからこそ、がギュッと凝縮されている。
その一方、落ち着きのトーンのホームページとは対照的に、第一回目の緊急事態宣言下、センジュ出版の書籍を扱ってくれるまちの本屋が次々と閉店。イベントなどを通じて丁寧に本を届けてきた出版社だったが、イベントも立て続けに中止に。
センジュ出版の5周年を祝う特別な年に起こった出来事に、「立ち止まり、手足がもがれる気持ちで何もできなかった」と代表の吉満さん。6年目はもう迎えられないのではとも考えたほどだ。しかし、多くの友人や経営者からの励ましや支え。悩みぬいた2週間後、“倒産するにしても、やれるだけのことをやろう”と新たな挑戦が動き出す。
今、私たちは何ができるのだろうか?
千住のまちに溶け込む出版社に、新たな一歩を踏み出すヒントがあった。
まず最初に始めたこと、それは本を購入してくれたお客様から寄せられた手紙やはがきをSNS上でシェアすることだった。「こんな感想を持っていただける本なので、興味のある方は購入してくださいねという意味合いはもちろんありましたが、それよりもセンジュ出版は何のために始め、誰に支えられているのだろうかという原点に立ち返りたかったのです」。お客様がどういう気持ちでセンジュ出版の本を読んでくれているのかをもう一度振り返り、そして感謝の気持ちを添えてSNSで発信。4月28日から6月19日までの53日間で重ねること、約100件もの投稿。原点を思い起こさせてもらえるきっかけとなった。
同時進行で、通販の拡充にも着手。イベントが中止になったことで、取り扱うアイテムをオンラインに集約。区内企業とのコラボグッズは「足立区の企業さんに印刷をお願いしたプリントアイテムです」などの紹介動画を録り、SNSで広めていった。さらに、購入してくれたお客様には、区内企業のパンフレットと感謝の気持ちを添えたお手紙を同封。地域の企業と手を取り合った。
そして、これまで対面で行ってきた文章講座「文章てらこや」も2020年4月にはオンラインで再開。ノウハウが全くなかったため、子どもが寝静まってからの自宅で夜中まで、機材やしくみのことを独学で学び、リアルからオンラインへ素早く移行した。毎週著者を招き、人となりを知ってもらう対談の無料配信。7月にはインプットに視点を置いた「読書てらこや」という新たなサービスをスタートさせるなど、アクセル全開で次々とコトを動かしていった。
すると、じわりじわりと新たなつながりが生まれ始めた。
たとえば、福岡に住む方が主催するイベントの出演オファーもあった。また、リアルだと参加が難しい海外や遠方の方、小さい子どもを抱える方などがイベントに参加してくれるようになった。「かつては鹿児島や大阪からスーツケースで2階にある事務所まで上がってこられた人もいたのですが、オンラインにしたことで交通費の負担もないため、気軽にお声がけできるようになりました」とオンラインのメリットも感じられるようになった。
第一回目の緊急事態宣言解除後は、千住のお店を間借りした、本とお酒を楽しむ「ブックスナック」も再開。オンラインと並行してサービスを行うことで、オンラインで出会ったお客様がお店に来てくれるようにもなった。先行きが見えない中での、新たな出会いと交流は望外の喜びとなった。
「センジュ出版は読者に寄り添ってくれる会社」
「地域に密着して、大きいことよりも小さいことに時間をかけて育てていく会社」
中小企業診断士の方からこんなことを言われたそうだ。
その言葉通り、センジュ出版は、自分のためだけではなく、お客様、まちに寄り添い続けてコロナ禍を走り続けた。
2020年9月、センジュ出版の6年目の新たなページがめくられた。
センジュ出版のSNS上にこんな言葉があった。
「どうか、この日常に、ささやかな光が差しますように」。
みんなで乗り越えよう。あだちから。
DATA:センジュ出版
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