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公開日:2023年4月5日 更新日:2023年4月5日

見えないアーケードでつながる商店街

ナナシノ商店街

加盟店の店主たち

加盟店の個性的な店主。左から、「やわらかん’scafe」鈴木公子(すずき・きみこ)さん、焼き菓子「晴れの日も雨の日も」小林美歩(こばやし・みほ)さん、「さくら園芸」涌井規子(わくい・のりこ)さん、「maruca coffee」加藤昌江(かとう・まさえ)さん、「子育てカフェeatoco」阿部直子(あべ・なおこ)さん、古民家「野菜日和」老沼裕也(おいぬま・ゆうや)さん

きっかけは廃材の「ローカルバック」

ローカルバック

廃材からつくった一点モノのローカルバック

ナナシノ商店街のはじまりは、お店から出る廃材をパッチワークした「ローカルバッグ」だった。今のようにエコバッグがメジャーになる前、知り合いの店主同士が「最近のごみ問題が心配」と世間話をしたことがきっかけだった。

 

コーヒー豆の麻袋、園芸用のブルーシート、小麦粉の袋など、本来ならごみとして捨ててしまう廃材…。つなぎ合わせれば、おしゃれなバッグになるのでは? 誰かが言い出したアイデアを、工夫を重ねながら形にしていった。廃材に新たな価値をつけたいという思いで、1つひとつ心を込めて作っている。「廃材を出したお店同士がつながり、バッグを持ったお客様とお店、お客様とお客様がつながれたら」と発案者の1人でナナシノ商店街の代表を務める涌井規子さんは話す。

ローカルバックを持った店主たち

ナナシノ商店街の原点。それぞれ違った素材・デザインのローカルバッグを携えて

ローカルバッグから始まった「ナナシノ商店街」。ローカルバックに込めた思いと同じく、「新たなつながり」をつくり出したいという気持ちから、涌井さんが知り合いの女性店主たちに声をかけて、2019年にナナシノ商店街が結成した。

 

「ナナシノ」とは、環状七号線と国道四号線がクロスするあたりという意味で、「七」と「四」をとって「ナナシノ」。また、小さな店たちのささやかな試みということで「名もなき」、まだ誰もしたことのない試みだから「名付けようがない」、これから仲間たちと共に「名前のない」未来をつくる、といった意味も込められている。

商店街ロゴマーク

ナナシノ商店街のロゴマーク。四角形を2つ組み合わせて七つの角を残し、アーケードのかたちを模している。見えないアーケードでつながった、楽しくて素敵な商店街という意味が込められている

ところで、ナナシノ商店街とは、どこにあるのだろう?

いわゆる商店街とはちがい、点在する店が集まった「架空の商店街」。千住から荒川を越えたエリア、東武スカイツリーラインの西新井駅・梅島駅・五反野駅の界隈で、“思い”という見えないアーケードでつながった商店街だ。

アイディアがすぐ形になる

子育てカフェeatco店内

30代後半から50代の、主に女性店主がメンバーのナナシノ商店街。加盟店のあいだに、上下関係やしきたりはなく、誰かがアイディアを出せばすぐ形になる。「店主それぞれの才能を活かし、前向きに楽しく取り組むから、すぐに準備が進むんです」。

 

ナナシノ商店街では年に2回イベントがある。5月に、フィンランド発のリサイクル・カルチャー・イベントである「クリーニングDAY」。10月には「ナナシノウィーク」を行う。

 

「お店を巡って半径2キロの幸せを探す」をテーマに、2022年10月に開催されたナナシノウィークでは、初のリアルなマーケットも開催。月一回開催の八百屋、古民家「野菜日和」(足立区弘道1-14-10)を会場に、実店舗を持たない「ミセナシ店」も含めて11の加盟店が一同に集った。それまで個々のお店で小さなコラボはあったものの、マーケットとして加盟店が集まるのは初めての試みだった。運営には、加盟店の常連2名もボランティアとして参加。会場には、店と人、人と人との新たなつながりが生まれ、賑わった。

オリジナルCD

2022年10月に開催したナナイノウィークではオリジナルソングのCDも発売

原動力は「足立区コンプレックス」

彼女たちが今、このエリアにハマる原点には、実は足立区コンプレックスがある。

 

「若い頃は、足立区の外に出たいという気持ちが強かったです」と涌井さんは話す。しかし、足立区コンプレックスがあるものの、心の隅では地元が好きだったと振り返る。

足立区が好きで、“ナナシノ商店街の圏内”に魅力を感じているのは、他の加盟店も同じだ。「西新井・梅島界隈は、住んでみるとすごく住みやすく、おせっかいで優しいひとが住んでいる温かいまちです」とcafé majica(足立区梅田6-28-21)を営む佐々木恵子さんはしみじみ話す。さらに、「ヒューマンスケールの路地が多くて、自分だけの秘密の場所が見つかりそうなところも好き」と、子育てカフェeatoco(足立区関原3-5-7)の阿部直子さんもその魅力を語る。

「西新井・梅島エリアは、面白いと伝えたい」

「これからすぐに加盟店を増やしたいということはないんです。まずは“今”のナナシノ商店街の想いを形にしていきたいと思っています。やりたいことをすべて形にして、やり切ったと実感できたら、次のステップに進みたいですね」と話す。

 

「西新井・梅島エリアの暮らしが豊かで面白いんだって伝えたいんです! まちを好きになって住む人や、お店を出す人が増えればうれしいです」と店主たちは笑い合う。

ジャンプする店主たち

西新井・梅島エリアの未来に向かって!

DATA

ナナシノ商店街
https://www.nanashinosyoutengai.com/
nanashinosyoutengai@gmail.com


 

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