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公開日:2020年10月30日 更新日:2022年12月16日

「マスクとまちとひとの小さな物語」

(株)マーヤ 工場長 菅谷正さん

日本からマスクが消えた

2020年3月。

マスクが店頭から消えていった。マスクが買えなくて朝5時から薬局に並んだと社員から聞いた。ある日、千葉の老人ホームから「マスクは作っていませんか?」と電話があった。「やってないんです」・・・そう答えて電話を切った。が、気になった。

婦人服の縫製を手がけるマーヤは当時まだ、通常の繁忙期の中にいたので、電話を受けた正さんが個人的にマスクを縫ってみた。送ってみたら、思いのほかとても喜んでもらえた。

マスク

仕事の合間を縫って作っている布マスク

てがみ

千葉の老人ホームからは写真入りのお礼の手紙が届いた

 

いつの間にか手伝う社員も増え、以降、仕事の合間に縫っては、地域の老人ホームにも寄附した。が、ボランティアを続けていると疲弊してくる。思い切って、販売に乗り出した。

その名も「あだち産マスク」。表地は、マーヤがつくる国産シャツに使用する綿素材。裏地には、足立区の旭染工から購入した、糸の密度が高い白の手ぬぐい生地。なめらかでさらっとした肌触りと、何より出どころのはっきりした「あだち産」というネーミングが受けて、たくさんの方に買っていただいた。これまでは縫製のみを行ってきたので販売にあたっては同じ足立ブランド先輩でアクリル加工の(有)三幸の社長や印刷会社の(株)しまや出版の小早川社長にたびたび相談に乗ってもらったという。

 

マスク

4月から販売をスタートした、青のストライプ柄がさわやかな「あだち産マスク」(春夏用)

黒のストライプ柄マスク

現在は秋冬用マスク(黒のストライプ柄)をオンライン販売中。2枚セット1,540円、3枚セット2,100円(フリーサイズ、税別、送料別)

ものづくりのまちにできること

同じ時期、医療用ガウンの不足が取り沙汰されていた。社長が常務理事を勤める東京洋装協同組合に国からの問い合わせがあり、組合として請け負うことにした。組合の中でも2工場を有し24人の職人を抱えるマーヤでは、この仕事に最優先で取り組むことに。生産が落ち込み始めた婦人服と入れ替わるように、受注したガウン製造。職人たちは使命感を持ってとてもがんばってくれた。初期には休日にも出勤、親戚までも動員して作った。

ガウン

マーヤで製造する医療用ガウン。コーティングした不織布を縫製。モデルは正さんのお母さんで恵さん

 

「自分にできることを何かやりたい」。誰もがそう感じていた2020年の春。「マスク」と「ガウン」というド直球を返したマーヤは、「あだち産」のネーミングとともに、地元新聞やテレビで何度も取り上げられた。するとマーヤの活動を知ったまちの人たちが「めちゃくちゃ喜んでくれた」という。「地域に恩返しができたのもうれしい」と菅谷さん。「マスクも医療用ガウンも近年は他国でつくられており、このような緊急時になすすべがなかった。この機会に東京、足立のものづくりが注目されたらいいなと思います」。マスクの企画、販売を通じて地元の人や企業とたくさんつながり、たくさん学び、自信をつけた菅谷さんは、今、「メンズ自社ブランド」という次の一歩を歩みだそうとしている。

 

DATA

高級婦人服縫製工場(株)マーヤ(足立区椿2-8-5/03-3899-5975)

https://marya.tokyo/(外部サイトへリンク)

 

 

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