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公開日:2021年12月22日 更新日:2023年8月18日

【ソウルフード「文化フライ」を守る】

コウゲツSINCE1978 店長 佐藤 公彦(さとう きみひこ)さん

コウゲツSINCE1978 店長:佐藤公彦さん

はじまりは「食べたかった」

北千住駅西口から徒歩5分。千住宿場町通りから入った路地の中で、1978年から続くお好み屋を営む2代目店長の佐藤さんは、“文化フライ”についてこう話す。「はじめたきっかけは、僕が食べたかったからなんです」。お店では、お好み焼き、もんじゃ焼きと定番メニューが並んでいるのだが、そこに一風変わった「懐かしの縁日の味」という言葉。その下に、“文化フライ”の文字が書かれている。

昭和30年頃から縁日の屋台で売られていた、楕円の形をした茶色い物体。妙に食欲をそそられるソースの匂い…。それが“文化フライ”だ。

文化フライの画像
 
佐藤さんが“文化フライ”に出会ったのは、小学校低学年のころ。足立区千住二丁目にある赤門寺(勝専寺)の縁日だった。「うますぎる!!」。そんな衝撃の出会いから20年以上の年を経て、母から店を継いだ。しかし、“文化フライ”を提供するまでには紆余曲折があった。

「屋台で文化フライを売り歩いていた長谷川さん(すでに引退をしていた)を探しあて、お願いして作ってもらったんです。きっと、お客さんの中にも食べたい人がいるんじゃないかと思い、長谷川さんにお店で出していいか聞いたら、どうぞってことで」。

創作者をクリアし、とんとん拍子に話が進むかと思いきや、母が「そんなの置かないで。うちは駄菓子屋じゃない」と猛反対。それでも、思い出の味、何より“文化フライ”が好きだという熱い想いを母にぶつけ続け、販売までこぎつけた。
開店作業をする佐藤さん

神の舌を持つ男

販売を始めた当初は、長谷川さんが作ってくれた“文化フライ”をお店で揚げて提供していたのだが、そのレシピは佐藤さんには、引き継がれていなかったと言う。「教えてくれとは言わなかったし、長谷川さんも教えてはくれなかったですね。今後、長谷川さんが作れなくなったら、やばいなぁ。お客さんが楽しみに来てくれているのに」との思いから、レシピのない文化フライづくりに取り組んだ。完成までの苦労を尋ねると、なんと、3、4回で再現できたそうだ。
 神の舌を持つ男
確かに、一見難しいものとは思えないし、“文化フライ”の名前は他の店でも、また、ネットでレシピも出ている。しかし、“文化フライ”と名乗ったものを食べてみても、どれもこれも“文化フライ”と言えるものではなかったそう。ネットの作り方を見ても、それでは本物の“文化フライ”は作れない。ということは3、4回で完成させた佐藤さんは神の舌を持つ男!?
 
スタイリッシュな店内。コウゲツ2代目の佐藤さんは六本木の鉄板焼き店で修業し店を継いだ

人の想いが引き継がれ文化に

「今はコロナで客足が遠のき、お酒も提供できない。みんなで集まって食べる機会がなくなっている。復興なんて大げさなもんじゃないけど、鉄板を囲めるようになったら、文化フライが昔ばなしのきっかけになったらいいね」。(※現在は提供しています)

親は“文化フライ”を食べて懐かしさに包まれ、ともに鉄板を囲む子どもたちには「うまい!!」ものとして引き継がれている。佐藤さんの「食べたい」から始まった“文化フライ”は、これまで人と人、そして昔と今をつないできた。これからも足立区の“ソウルフード”として、みんなの笑顔をつないでいくことだろう。
 
お客さんのリクエストからメニュー化した「ぼった」を焼く佐藤さん

5つの質問

1. 出生地/足立区
2. 足立区歴/54年
3. 足立区に来た理由/出身
4. 足立区の好きなもの、こと、人/ふらんすや(千住三丁目)のパン
5. あなたにとって足立区とは/生まれ故郷

DATA
コウゲツSINCE1978
足立区千住3-68
03-3870-6074
営業日・時間:水曜日から月曜日・17時から23時
定休日:火曜日(祝日・祝前日は営業)

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