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公開日:2020年11月27日 更新日:2022年12月16日

「居酒屋がマルシェに変わった!」

(株)一歩一歩 代表取締役 大谷順一さん

居酒屋だった1店舗が魚、肉、野菜が並ぶマルシェになった

コロナ後は日常が変わる

「コロナがあったから、店を見つめなおすきっかけになりました」。

千住で8店舗のほか、足立区役所14階、沖縄に2店舗、日比谷に1店舗、そして2020年9月1日にオープンしたムスブ田町の中に1店舗、計13店舗を経営する大谷さんは、迷いのない表情でそう言う。

4月1日に予定していた入社式を延期し、4月2日から、給料100%を保障して大半の従業員を休ませた。一方で、店長とは毎朝、ミーティングを重ねた。

テイクアウトにはもちろん取り組んだが、重視はしなかった。「テイクアウトは、皆さんから今限定の応援をいただくことにしかならない。緊急事態宣言が終わったら、なくなってしまうもの」と割り切り、緊急事態宣言の間、テイクアウトよりも店頭販売を強化した。当初から「コロナ後」の未来を見据えて、店を再開してからいかに来てもらうのか、どう喜んでもらうのかを考え、頭をひねった。

そして出した結論が、「全部、捨てることにしました」(大谷さん)。

コロナ後は、日常が変わる。外食が以前より「特別」なものになる。宴会は減り、カウンター需要が増える。そんな中で「外食は楽しい」と感じてもらえる店。また、自宅でも外食気分が味わえる食材の提供。メニューをすっかり変え、お店が休んでいる間にすごく良くなった! と驚いてもらうこと。

大谷順一さん

朝びきの豚、一頭買いの牛、地魚

たとえば、初期に提供していた朝びき鶏を再開する。

朝びきの豚も扱う。

タイミングが良かった。肉屋だった伯父が店をちょうど店をたたみ、手伝ってもいいよと言ってくれた。東京の食肉市場は芝浦が有名だが、実は取手にもあり、千住から近く、朝引きの豚を入手できた。「朝びきの豚は味が全然違う。甘さがあってとんかつにしてもくちびるで切れる柔らかさ。レバーはコリッとする食感なんです」。伯父のつてで直仕入れができるようになり、良い肉が安く入手できた。豚も牛も一頭買いをはじめ、希少部位のシャトーブリアンを店頭で200g800円で提供する。

人気の焼肉セット

 

一歩一歩グループは、魚の仕入れはもともと強い。居酒屋で提供していた魚を、店頭でも販売した。「魚屋ツキアタリミギ」と「てまえの一歩」の店頭が威勢の良い市場のようになり、朝夕たくさんの人で賑わう風景を見た人は少なくないだろう。「まちに魚屋がないから、すごくうれしい」「食卓に魚が並ぶことが増えた」と言う、千住の人たちの声を聞いた。地魚、天然、マグロは生にこだわった仕入れに「一歩一歩はやっぱりおいしいね」という評判が聞こえ始める。

店頭販売

コロナ禍で店頭販売が賑わった

足立区産のトマトがおいしい理由

店頭での販売には別の効果もあった。ひとつは、料理人たち。これまで店の奥で調理していた料理人たちが、「こう料理するとおいしいですよ」と直接お客様に説明するようになった。素直に聞いてくれるお客様とやり取りすることが、料理人のモチベーションを上げた。もうひとつは、コロナ禍で滞り始めていた流通の中で、魚を買い続けたことで、結果的に市場の店に喜ばれ、信頼を得ることとなる。パイプがさらに強くなった。そのことは、その後の仕入れにプラスに生きてくる。

もうひとつ、足立区産の野菜に目を向けたことは大きかった。食べてみたら、実にみずみずしくて美味しいことを知った。「なんでトマトがこんなに美味しいんですか」と聞くと「完熟するまで採らないからね」と農家の方に言われた。枝豆も驚くほど美味しい。区内に畑があるからできること。豊富な美味しい野菜が身近にあることを改めて知った。「一番大切な情報は身近にある」ということに気がついた。

野菜

今はどんどん攻めるとき

9月1日にオープンしたムスブ田町の店の名は「千寿一歩一歩」とした。得意とする魚はもちろん、足立区産の美味しい野菜を提供する。足立区の路線図を描いた「沿線グラス」を足立ブランド企業の安心堂さんに200個つくってもらい、この店で使う。田町で千住の名前や足立区産のものって、メリットあるんですか? とおそるおそる聞いてみると、大谷さんは「デメリットはなく、むしろ話題になる」と言う。「これ美味しいですね。足立区産なんですか!」「東京でも野菜つくってるんだ」・・・

グラス

ムスブ田町の千寿一歩一歩で使われている沿線グラス

 

「足立区いいね、ってどんどん広まっていけばいいなと思っています」。

コロナ後に一歩一歩のブランド価値を高めたい。それが、足立のまちの魅力を高めることにつながる。そういう存在になりたいと大谷さんは言う。第二ステージへ。

「今はどんどん攻めて行くときで、新しいことにチャレンジするときだと思う。それが、社員の元気にもつながる。社員にはいつも元気でいて欲しいから」。

自粛期間中に千住の2店舗でスタートした臨時の店頭販売は今、魚屋ツキアタリミギ1店舗を改装もし、常設の「一歩一歩マルシェ」となった。足立産野菜に地魚や肉、各種自家製惣菜が買える新しいスポットとして定着しつつある。「自宅でも外食気分を味わって欲しい」と大谷さん。

おさかな

地魚中心にラインナップする冷蔵ケース。頼めばさばいてくれる

お刺身

コロナ禍で、様々に変革を余儀なくされた飲食業界だが、一歩一歩グループの挑戦はまだまだ続きそうである。

 

DATA:一歩一歩マルシェ/魚屋ツキアタリミギ1階(足立区千住3-54/TEL0368061043)

https://ippoippo.co.jp/blog_news/489/

 

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