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公開日:2024年11月24日 更新日:2025年1月6日
<伊興遺跡C-d区出土 縄文土器>
伊興遺跡では、約4000年前の縄文時代後期初めの土器が出土しています。この土器は堀之内式(※1)に相当し、朝顔形の深鉢です。外面に櫛(くし)状の工具で波状の文様を描き、口縁(こうえん)には線状に隆起した文様を施し、一か所に縦長の瘤(こぶ)を貼り付けています。内面下方には有機物付着痕があり、実際に使用されていた痕跡がみられます。
この土器は、青灰色シルト(※2)直上から出土し、大型の破片で摩耗(まもう)していない点から、在地のものと考えられます。しかし、付近に同時期の遺構・遺物が確認できていないことから、集落形成はなされておらず、一時的な活動拠点だったと推測されます。
※1堀之内式:縄文土器後期前葉に、関東地方を中心に分布した土器型式。千葉県市川市堀之内にある堀之内貝塚からこの名がついた。
※2青灰色シルト:沼沢地に堆積した粘土と砂の混合層。
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