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公開日:2025年2月3日 更新日:2025年2月3日

玉類・石製品

玉類・石製品

<琥珀・ガラス玉・管玉・勾玉・石製模造品など>

 

 伊興遺跡では玉類や石製品が数多く出土しました。装飾品や祭祀(さいし)に用いる垂飾品として作られ、糸を通すために孔(あな)があいています。
 写真中央にあるのは、琥珀(こはく)とガラス玉です。琥珀は小破片ですが、当時の物資の流通を考える上で重要です。千葉県銚子市が近い産地ですが、ここから運ばれたのかもしれません。琥珀は現在も珍重されますが、当時ガラスも希少なため、たいへん貴重であったと思われます。
 そのまわりの巴(ともえ)形に配置している玉を臼玉(うすだま)といいます。臼玉の中でも面取りされているものを平玉(ひらだま)といいます。
 次に丸玉に移り、石製・土製の両方があります。丸玉の近くの細長い玉類が管玉で、逆「C」の形をしている玉類が勾玉です。管玉・勾玉は、碧玉(へきぎょく)や蛇紋岩(じゃもんがん)などのかたい石材で作られ、加工が難しく、貴重品でした。
 勾玉の隣から、石製模造品になります。剣・鏡を模した石製品が並びますが、端の3点はなにを模したのかわかっていません。剣はそれぞれ基部(きぶ)と先端(せんたん)が破損した状態で見つかりました。鏡は2つの孔があき、円形もしくは楕円形です。他には、勾玉の模造品も出土しています。
 『古事記』、『日本書紀』には榊(さかき)の枝に勾玉・鏡・剣、いわゆる三種の神器をつるして、祭祀が行われた記述があります。伊興遺跡で祭祀が盛んに行われた頃、本物は使用せずにこれらの模造品で代用し、一度きりの使用で廃棄されたのではないかと考えられています。
 写真上側の大きな石製品は、玉ではなく紡錘車(ぼうすいしゃ)といいます。糸を紡ぐ時に使用しました。

 

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