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公開日:2026年6月8日 更新日:2026年6月8日
皆さんは「保護司」をご存じですか? 保護司は、犯罪や非行におよんだ人が再び犯罪に手を染めることなく立ち直りができるよう支援するボランティアです。本特集では、保護司の活動について紹介します。
犯罪や非行におよんだ人(以下、対象者)たちが再び犯罪に手を染めることがないよう、その立ち直りを支えるボランティア。保護司法に基づいて法務大臣から委嘱された、非常勤・無給の国家公務員です。区内では185 人(4 月1日時点)の保護司が活動しています。


女性保護司も活躍中!

対象者と月2-3回程度面接を行い、更生を図るための約束ごと(遵守事項)を守るよう指導するとともに、生活上の助言や就労の手助けなどをします。保護観察の対象となるのは、「保護観察処分少年」「少年院仮退院者」「仮釈放者」「保護観察付執行猶予者」です。

刑務所や少年院等の矯正施設に収容中の段階から、釈放後に帰る場所の調査や引受人との話し合いなどを行い、スムーズに社会生活に移行できるよう受け入れ態勢を整えます。具体的には、引受人に対象者の施設での様子(反省状況)を伝えたうえで、受け入れ意思の有無や、引受人の家庭状況の確認などを行います。

犯罪の発生を未然に防ぐための啓発、宣伝、地域との関係づくりなどを行います。犯罪予防活動の中で主たるものが「社会を明るくする運動」です。
7月は「社会を明るくする運動」強調月間
犯罪や非行を防ぐとともに、罪を犯した人の立ち直りについて理解を深め、犯罪や非行のない明るい社会を築くことを目的として、法務省が推進している全国的な運動です。毎年強調月間に合わせ、区と区の保護司などが共催で、PR活動やイベントを開催しています。

区内在住・在勤/職務の遂行に必要な熱意および時間的余裕を有する/生活が安定している/健康で活動力を有している/人格識見が高い
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保護司が保護観察所へ推薦し、審査通過後に法務大臣から委嘱されます。

保護司の人材不足の深刻化や安全確保などの課題を払拭するため、令和7 年12 月、保護司法・更生保護事業法・更生保護法が改正されました。※下記内容は改正内容の一部
足立区保護司会会長・小宮謙治(こみやけんじ)さんからのメッセージ

保護司の活動をしている中でしばしばいただくのが、「 加害者の味方をしている」「被害者の立場をどう考えているのか」といったご意見です。私たちの役割は、被害者の立場ももちろん考えたうえで、対象者が自分の行いと向き合い、反省し、二度と同じ過ちを繰り返さないようにするための手助けをすることです。この手助けがないと、対象者はずっと反省をしないかもしれない。本人にとって、私たちは社会と繋がる窓口なんです。
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【プロフィール】 65歳まで鉄道会社に勤務し、定年退職後も関連会社で勤務。自身の子どもの通学校でPTA会長を務めたことを皮切りに、地域で青少年関連団体の活動のほか、平成28年2月に保護司となる |
保護司になるきっかけは、PTAをはじめとする様々な地域活動に携わる中で知り合った保護司から声をかけられたことでした。当時は、保護司という存在さえ知りませんでしたが、PTAのように青少年健全育成活動の延長線上にある仕事だろうと思い、引き受けました。
2週間の新任研修を受けてまもなく1人の担当となり、その後1年も経たないうちに3人の担当になりました。1人保護観察が解除になると、またすぐに次の対象者が来るという感じで、これまでに16歳~51歳まで10人以上を担当しています。一時は最大で保護観察対象5人、生活環境調整対象7人を同時に担当したこともあります。現在は保護観察対象3人、生活環境調整対象2人を担当しています(取材時点)。
このように、保護司の仕事は大きく「保護観察」と「生活環境調整」の2つがあります。
保護観察は、犯罪や非行をした人と月に2-3回面接をして生活状況を把握、就労支援や遵守事項の指導などを行います。対象者は社会で生活しながらこうした指導や支援を受け、再犯や再非行を防いで更生をめざします。
生活環境調整は、刑務所や少年院等の矯正施設に入っている人が、釈放後スムーズに社会復帰できるよう、帰住先の調査や家族など引受人との話し合いなどをして受け入れ態勢を整えます。

どんな背景があろうとも、人は皆生まれたときは無垢です。それなのに育つ環境や社会、交友関係など周囲の影響で変わっていく。どんな対象者も本質は素直なのです。
そのため、約30分~2時間の面接では対象者の性格や特性、成育環境などを引き出すよう意識しています。現役のときは人事担当で面接する機会が多かったので、人と話して気持ちを引き出すのは得意なんです。また、未成年の子にとって私はおじいちゃん的存在で、安心感もあるのではないかと思っています。
もっとも、約束の日に面接に来ないこともありますが、そういう場合でも追及はしません。約束を破っても「わかった」と、いったん受け止めます。そして「次はいつ来れる?」と次回の約束をする。そうやって対象者に「約束を守る癖」をつけていくようにしています。
保護司になった当初は、対象者に見え透いたウソをつかれてカチンときたこともあります。しかし、問い詰めても相手は余計にウソを重ねるだけ。それではダメだと思い、まずは面接に来やすい環境づくりを心がけるようになりました。相手の気持ちや立場を想像して共感し、受け止める。私が相手を信じないと、相手も私を信じてはくれません。相手の言うことを認めるのが、居場所をつくることになると思っています。
一方で、間違っていることをちゃんと指摘して、納得させ反省を促すのもまた大切です。このようにして私の話が相手に伝わって、応えてくれるようになるのが何よりの喜びです。
遵守事項を守ることができて、「この人はもう大丈夫」と認められた場合は、保護観察期間が満了する前に「良好解除」されることがあります。そんな人がいる一方で、再犯や再非行を重ねる人もいます。

過去に私が担当して保護観察が終了した後、少年が再犯してしまったとの連絡が来ました。面会のために少年鑑別所に行くと、「友だちに騙された。本当はこんなところに来るはずじゃなかった」と泣いていました。私は「友だちには『一生の友だち』もいれば、『そうではない友だち』もいる。君は今、それに気づけただけでもいいんだよ」と声をかけました。交友関係が原因で犯罪や非行に走る子どもは少なくありません。「そんな友だちは関係を断った方がいい」などと、厳しい言葉をかけるのも時には必要だと思っています。
親と会って家庭環境を確認するのも欠かせません。親がつらい思いをしていて、親のケアを行うことも少なくありません。そのほとんどが事情があって片親で、子どもを思う気持ちが強く、「子どもがこうなったのは私のせい。私の育て方が間違っていたからだ」と自分を責めていることが多いです。「それは違うよ。あなたは間違っていないよ」と親に寄り添い、話を聞いてアドバイスしたりもします。支援終了後に、「成人式を迎えました」などと母親と一緒に挨拶に来てくれるとうれしいですね。
都が発行している「非行少年・再犯防止支援ガイドブック」に掲載された手紙は、私が担当した対象者Aさんから私に届いたものです。Aさんは、幼いころの家庭内トラブルから、大人が信じられなくなっていました。そして親に対する反発心から非行に走ったのです。面接を始めたころは私との間に距離がありましたが、次第に東北にいるおじいちゃんの話をしてくれるようになりました。おじいちゃんが彼女の支えだったんです。そこで、「私のことを東京のおじいちゃんだと思ってなんでも話してね」と言ったことで距離が縮まりました。
ある面接で、彼女に「本当は何が好きなの?」と聞いてみると、「お年寄りと関わるのが好き。自分のおじいちゃんみたいな人のお世話をしたい」と言いました。そこで彼女が興味を示した事業者の面接を受けることに。その結果採用され、さらに介護資格を取得。一人暮らしをしながら介護施設で働き始め、自立に向けて一生懸命努力している彼女を見て、「もう大丈夫だ」と確信しました。保護観察が、「良好解除」となったのです。彼女は保護観察が終わった今でも子どもを連れて遊びに来てくれて、孫のような存在になっています。

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<Aさんからの手紙> 保護観察中は、いつも優しく、温かく見守ってくださり、ありがとうございました。 |
対象者を一度預かったからには、最後まで責任を持ってかかわりたいという思いで支援してきました。生まれたときはみんな無垢。環境で変わっただけで、人間の本質は変わらないと信じて活動しています。
保護司に興味がある方には、保護司の活動を難しく考えないでほしいです。自分がどものころ、地域で育てられたように、相手をはじめから悪い人と決めつけず、近所の子どもと話すように普段の会話をすればいいと思います。

そして区民の皆さん、足立区にはビューティフル・ウィンドウズ運動の事業で「『美しいまち』は『安心なまち』」というキャッチフレーズがありますが、保護司もその根底にいることを知ってほしいです。まちがきれいになれば、人の心もきれいになる。そんなまちにしていくための一助を、保護司が担っているのだと自負しています。
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当センターでは主に、 保護司がより活動しやすい環境づくりに取り組んでいます。 保護司になってみたいと思っても、「いきなり保護司の活動をするのは不安」という方もいると思います。そんな方でも安心して取り組めるようサポートしますので、いつでもご連絡ください ! センターの主な役割を紹介 !
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※インタビューの内容などは、取材当時のものです。
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