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公開日:2023年8月8日 更新日:2023年8月8日

あだちの不思議な物語

区内には様々な語り伝えがあり、今もその名残が各所に見られます。今回、絵本になっているいくつかの「不思議な物語」をご紹介します。

  • それぞれのお話のあらすじを掲載しています
  • 実際の絵本は各図書館で閲覧できます
  • 各あらすじの下に電子ブックのリンクがあります
  • 電子ブックでは、すべてのページをご覧いただけます(令和5年8月31日まで)
 

絵本の物語をちょこっとご紹介!

花畑のお話【その一】へびばし

花又村(現在の花畑)と大曾根村(現在の埼玉県八潮市大曽根)の間に流れる綾瀬川をめぐるお話。

綾瀬川は大雨が降るたびにどちらかの村に大水を起こしていました。あるとき、花又村側にある将軍様の小菅御殿(現在の葛飾区小菅)を守るため、花又村の岸に頑丈な堤防が造られてしまいます。これにより、毎回大水に見舞われるようになって苦しむ大曾根村の村人たち。

ある年の大雨で大曾根村の土手から水があふれそうだというとき。大曾根村の名主である新八は村の危機を救うべく、花又村の堤防を壊すために立ち上がりますが、そのもくろみもむなしく花又村の村人に見つかって殺され、綾瀬川に捨てられてしまいます。

これを知った新八の母は深い悲しみに暮れ、こう叫んで綾瀬川に身を投げたのです。
「新八よ、へびになれ」
さて、母の想いの行方は…

「足立の昔話しをたずねて」自主研究会・文/大石 暢子・絵

 

千住のお話【その二】荒川にあらわれた鯨

【その二】荒川にあらわれた鯨
画像を拡大する(JPG:223KB)

これは本当にあったお話。

隅田川は昔、荒川と呼ばれていました。たびたび大水を引き起こす「荒れる川」だったからです。
明治の後期、激しい雨が降り続いたことで、今までにない大水が足立全体を襲います。人々は自分の家が流され、井戸水すらも飲めない苦難の日々を強いられていました。そんな大水が引いてようやく落ち着いたころ、千住のまちでなんとも不思議な噂が飛び交いました。

「千住大橋のそばに怪物が出る」

噂を聞きつけた人々は怪物を一目見ようと荒川の土手に集まり、怪物を追い立てる船頭たちを一心に見守ります。
ようやく姿を現した怪物の正体、なんとそれは鯨だったのです。
海に生息するはずの鯨がなぜ荒川に。そしてこの鯨の行く末は…?

花畑児童館「絵本教室」・作

 

 

梅田のお話【その三】お月さま二つ

昔、明王院(梅田4-15-30 )の境内には、それは見事な松の木がありました。

ある月夜、隣村に出かけた親子が帰り道を急いでいたときのこと。
「父ちゃん、松の木にまんまるお月さまだ」と、子どもが言います。
さらに「あっちにもお月さまがあるよ」とも言うのです。

父ちゃんが半信半疑で見てみると、なんと松の木にも、東の空にも、月が見えているではありませんか。そのうえ松の木のお月さまは、あがったりさがったり、ゆらゆらと動いているのです。

次の日から村は大騒ぎ。「あれは人玉にちがいない」「きっと蛍のむれだ」などと噂されます。
果たして、村を騒がせる「もう一つの」お月さまの正体とは?

 

 

「足立の昔話しをたずねて」自主研究会・文/ 瀬戸清美・絵

 

 

舎人のお話【その四】けなが姫

足立区と埼玉県の境目を流れる毛長川の名前の由来になったとされるお話。

昔、新里(にっさと)村(現在の埼玉県草加市新里町)に、美しい黒髪を持つ「けなが姫」と呼ばれる娘がいました。足立の舎人の里に住む男性の元にお嫁に行くことになったけなが姫。しばらくは夫婦で仲なかむつ睦まじく暮らしていました。

ところが2年、3年経っても2人の間に子どもができず、けなが姫は悲しみに暮れるようになってしまいます。

そんなある日、けなが姫は沼のほとりに佇んで物思いに沈んでいました。すると静かだった沼が波立ち始め、けなが姫はそれに飲み込まれるように身を投げてしまったのです。
それから3年が経ち、数日にもおよぶ嵐が過ぎ去った夏の日のこと。沼の方から川をつたって長い長い黒髪が流れてきて…

「足立の昔話しをたずねて」自主研究会・作

 

 

東和のお話【その五】五太夫さんのねこ

昔、蒲原(現在の東和付近)に「五太夫」という、とても心優しい名主がいました。

誰にでも親切にするものですから、いつも五太夫さんの家には人が集まっていたそうです。そんな五太夫さんは「ねこ」が大好きで、どこのねこもとてもかわいがっていま
した。

ところが、五太夫さんは流行り病にかかってしまい、ぽっくりと死んでしまったのです。村人たちは嘆き悲しみ、五太夫さんのお墓にはいつも花と線香が絶えませんでした。
五太夫さんの四十九日の法事を終えたころ、辰沼のとある家で4匹の子ねこが生まれました。このうちの1匹の子ねこには五太夫さんとの関係を感じさせる、ある「特徴」があったのです…。

【その五】五太夫さんのねこ
画像を拡大する(JPG:231KB)

「足立の昔話しをたずねて」自主研究会・作

 

 

実物を見るには図書館へGo!特設コーナーもあります

今回ご紹介した絵本は、区立図書館でも読むことができます。
また、図書館ごとに、様々な語り伝えをもとにした書籍の展示などを行う特設コーナーも設置します。大人の方は懐かしさに浸るのもよし、子どもの方は夏休みの自由研究などに活用するのもよし!あなたなりの楽しみ方で満喫してください!

  • 本の蔵書および展示内容、期間などは図書館によって異なります。
  • 書籍の数には限りがあります。ほかの方が借りていたり、読んでいたりする場合がありますがあらかじめご了承ください。中には館内でのみ読むことができる本もあります。ほかの方と譲り合ってお読みください。

各区立図書館の蔵書数・貸し出し可能数などはコチラ(PDF:295KB)

絵本の原画展

絵本の原画などを区役所で展示します

絵本の原画などを区役所で展示します
あだち広報8月10日号でご紹介した「へびばし」の原画(切り絵)と各絵本を展示します。

【日程】令和5年8月10日(木曜日)〜8月24日(木曜日)
【場所】区役所1階区民ロビー
【申込】不要 ※当日直接会場へ

区役所に直接来ることができない方へ、一部作品をご紹介します。

へびばし(表紙)
へびばし(02)
へびばし(03)
へびばし(04)
へびばし(05)
へびばし(06)
へびばし(07)
へびばし(08)
へびばし(09)
へびばし(10)
へびばし(11)
へびばし(12)
へびばし(13)
 
 

区内の語り伝えを40話収録した「足立の昔がたり」

足立の昔がたり区制80周年(平成24年度)を記念して、足立区育ちの直木賞作家・朱川湊人さんに編集・監修していただいた「足立の昔がたり」。
区内の語り伝えを40話収録しており、各区立図書館でお読みいただけます。

 

『足立の昔がたり』編集・監修 朱川湊人/表紙イラスト なかだえり/編集・発行 足立区立中央図書館

いこうよ!図書館

各区立図書館では、夏休み期間に様々なイベントを開催しています。「ちょっとこわいおはなし会」や「親子で楽しめるイベント」などが盛りだくさん!暑い夏はぜひ、図書館などでお楽しみください!

【無料イベント開催中】いこうよ!図書館 ⇒

区立図書館一覧マップ

 

 

【都内初!】足立区の語り伝え「千住大橋と大亀」のアニメ化が決定!

「海ノ民話のまちプロジェクト(主催:(一社)日本昔ばなし協会/共催:日本財団『海と日本プロジェクト』)により、千住の七不思議の一つ「千住大橋と大亀」のアニメ化が決定しました。5年12月の完成をお楽しみに !

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政策経営部報道広報課広報係

電話番号:03-3880-5815

ファクス:03-3880-5610

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