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公開日:2024年6月6日 更新日:2024年6月6日

出版社経営にワケあり

センジュ出版 代表取締役 吉満明子さん

吉満さん切り抜き写真

私が足立区で出版社を営むのにはワケがあります

都心の出版社で昼夜なくバリバリ働いていた30代半ば、あの震災に遭い、ほどなく出産、息子が2歳のとき辞める決心をして、2015年、千住にひとり出版社を立ち上げました。当時すでに千住に住んでいたので、育児しながら仕事するなら職住接近させたいと思ったのが、千住で起業した一番の理由です。

センジュ出版が管理・運営する千住4丁目のスペース「空中階」で

このまちを発信したいと思った

都心で働いていて、千住に住みたいと思ったのは、飲み横があったからかもしれません(笑)。お酒が好きというのはもちろんありますが、猥雑さと活気、だだもれるまちのエネルギーを感じる場所が、北千住駅西口を出てすぐにある「飲み横」。そんなまちのパワーに惹かれて2006年に夫と、千住に家を買いました。

 

同じころ、足立区の大学誘致が次々と実り、千住に5つの大学ができ、若い世代が増え、店が変わり、まちの変化を感じるようになりました。特に藝大ができてからは、下町イメージにプラスして、センスを感じる文脈も加わるようになった。わかりやすくカテゴライズされてしまうまちはつまらない。どんな価値観の人も楽しめるのがいいなと思って、徐々に、このまちを発信したいと思うようになっていました。それも、千住で出版社を立ち上げた理由です。

本を読む吉満さん

お客さまを呼びやすいまち

仕事をはじめてみて千住は、出版社をひらくのに適している、仕事がしやすいと感じます。良かったことは、主に4つでしょうか。交通の便が良いので人に来てもらいやすいこと、まちの雰囲気が良くてイベントの場づくりがしやすいこと、魅力的な個店の飲食店がたくさんあるのでイベント前後でお客さまをお連れしやすいこと、家賃・物価が安いこと。

千住4丁目氷川神社の境内や社務所を使ったイベント「千住紙ものフェス」。地域の印刷会社をつなぎ、吉満さんが企画・運営した @あだち紙ものラボ紙フェス2019

 

編集者は人と会うのが仕事なので、お客さまをお呼びするのにいいまちだと思います。ニーズに合わせてお店を選べる。大衆酒場から上質な和食店まで、訪れる方をお連れしたいと思う店が充実していて、千住の幅の広さに助けられます。

お客さまとも、また一人でも、よく利用する千住5丁目の「和食板垣」のカウンターで。昭和13年築の古民家をリノベーションした和食店で、国登録有形文化財でもある

「和食板垣」の庭に併設されたBarでひとり飲みすることも

 

また、子育てしながら自宅のそばで働く魅力はたくさんありますが、特に特色の違う公園が近所にたくさんあったことは良かったです。毎日せがまれて大変ではありましたが(笑)、保育園の帰りに自転車で、あちこち行きました。子育てサロンも近くにあったのでよく利用しましたし、出産直後、毎日続く子どもの世話に体力と気力の限界を感じはじめていた私にとって、ここで横のつながりができたことは、精神安定につながったと思います。

 

足立区千住に引っ越してきて、ここで起業して、本当に良かったなと思っています。

 

プロフィール:よしみつあきこ

株式会社センジュ出版代表、編集者、対話士、メンタル心理カウンセラー。主な担当作に「ロバート・ツルッパゲとの対話」(ワタナベアニ著)、「あたりまえという奇跡~岩手・岩泉ヨーグルト物語~」(山下欽也著)など。本人著書に『しずけさとユーモアを〜下町のちいさな出版社 センジュ出版〜』(エイ出版社)がある。

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