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公開日:2024年5月22日 更新日:2024年5月24日

アートにワケあり

アーティスト・コレクティブ「あちらこちら」主宰 篠原美奈さん

篠原さん切り抜き

私たちが足立区でアート活動を行うのにはワケがあります

仲町の家(※)でのパフォーマンス

クラシック音楽の楽器や手法を用いて、コンサートホールでない、まちなかの場所で新しい表現を行うことに興味があります。私たちのグループは千住の古民家、銭湯、リノベーションされた倉庫などで、パフォーマンスを行ったことがあります。たとえば、古民家の区切られた部屋の中で、バイオリンやチェロなど、それぞれの楽器が音楽を奏で、観客の皆さまには家の中を移動しながら、音と空間を楽しんでいただく回遊型のパフォーマンスは、たいへん好評をいただきました。

草の根的なアートをやりやすいまち

足立区の千住は、私たちのような草の根的なアートプロジェクトをやりやすい場所だと思います。昔ながらの面白い場所がたくさんあることと、まちの皆さんが応援してくださること。また、小さいアートスペースがたくさんあること。

このまちには、それぞれの場所につながっている人がいます。たとえば仲町の家には仲町の家のファンがいるし、銭湯には銭湯のファンがいる。その場所を借りるということだけでなく、その場所の、人とのつながりや、歴史、文脈、いろいろなものを借りてやらせてもらっています。

タカラ湯を会場にしたパフォーマンス

タカラ湯を会場にしたパフォーマンス

タカラ湯を会場にしたパフォーマンスではケロリン桶も楽器に

また、イベント前に商店街などにチラシを置かせてもらったのですが、「藝大の学生です」と言うと応援してもらえることが多かったです。チェーン店では難しいけれど、個人商店が多いので、いろいろな場所に置いてもらえました。若い人ががんばってるからと、「大きいサイズにプリントしてくれたら掲示板に貼るよ」などと逆提案されることも少なくなかったです。

千住大門商店街のお店がイベントチラシを店頭に貼ってくれた

もっと都心部でアート活動を行うこともありますが、場所を探すことを含め、いろいろと難しい。小さいグループなので、そういう、応援してくれる人、伴走してくれる人がいる場所でやりたいと思います。相手がうれしいと思ってくださることが私たちもうれしい。演奏当日も、観客の反応を見ながらパフォーマンスを変えていくのが楽しいです。

 

(※)仲町の家(なかちょうのいえ)は、戦前に建てられた日本家屋をまちに開いた文化サロン。東京藝術大学、NPO法人音まち計画、足立区主催のまちなかアートプロジェクト「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」(通称「音まち」)の拠点となっている。

 

プロフィール:しのはらみな

川崎市出身・在住。東京藝術大学音楽学部楽理科(上野キャンパス)で学ぶうちに、アートプロジェクトに興味を持ち、修士から「音まち千住の縁」を展開する千住キャンパスの国際芸術創造研究科に所属し、研究活動を行う。上野キャンパスで出会ったクラシック音楽家を中心に、まちなかで新たな表現の可能性を模索するアーティスト・コレクティブ「あちらこちら」を主宰。古民家や銭湯、倉庫などでパフォーマンスを行う。

撮影1-4枚目: 春日知明

 

 

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