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公開日:2019年11月12日 更新日:2019年11月12日
10月29日から郷土博物館で始まった「初顔見世の役者絵」展。千住の名倉家からご寄贈いただいた歌舞伎役者の浮世絵など約90点をご覧いただく企画展です。
会場を回ってみると「下から見てください」という札が張ってある作品があることに気づきました。正面から見ていると真っ黒にしか見えない着物が、下から見上げると地模様が浮き出る「艶摺(つやずり)」という技術が施されている作品です。膝や腰に痛みがある方には大変申し訳ありませんが、どれか一作品だけでもお試しいただければと思います。
明治に入ってからの作品と江戸時代の作品の一番の違いは、「赤」の色使い。外国から入ってきた絵の具を使って初めて出し得た色味だそうですが、画面が、がぜん華やぎます。
歌舞伎役者一人のアップの構図は少なく、演目のここぞという場面を3枚一組で表現した作品が主ですが、その構成力は素晴らしく、今にも画面から飛び出してきそうな迫力があり、歌舞伎が全くの門外漢の私でも充分楽しめました。
保存の具合といい、作品の質といい、浮世絵学会など専門家の皆さんも注目し評判となっているとも聞きました。芸術の秋。ご堪能ください。
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