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公開日:2016年6月15日 更新日:2020年12月17日
皆さんは「人権」に対して、どのようなイメージをもっていますか?
「人権」とは、人間が人間らしく幸せに生きるためにすべての人が生まれながらにもっている権利であり、「基本的人権」ともいわれます。例えば、職業選択の自由や子どもの権利などのように、自分の希望する職業に就いて適性や能力を生かしながら日々成長したり、愛する子どもが元気で健やかに育っていくために欠かせないものであり、一人ひとりが自分らしく幸せに生きていく上で基本となるものです。
当然、自分だけではなく、他人にも等しく尊重されるべきものです。
しかし、現実には、他人への思いやりの心が薄れ、自己の権利のみを主張する傾向が見受けられたり、人の生命を軽んずるような痛ましい事件も多発しています。
毎年12月4日から10日は「人権週間」です。基本的人権の尊重を基礎とした社会ルールを確立し、個人の選択に応じた様々な価値観や生き方を尊重する社会をつくるため、この機会に、身近なことから「人権」について考えてみましょう。
区では、世界人権宣言60周年に合わせて、人権推進の指針となる「人権の推進をめざして」を策定しました。この指針では、「一人ひとりの人権が尊重され、いきいきと安心して心豊かに暮らせる活力ある足立」をめざして、様々な取り組みを行うことをめざしています。
「人権の推進をめざして」の体系と具体的取り組み
「人権擁護委員」は、人権問題に理解や熱意があり、日ごろ地域に根ざした活動を実践している人たちの中から、区長が議会の同意を得て推薦し、法務大臣が委嘱した民間の人たちです。区内には令和2年4月現在、17人の人権擁護委員がおり、人権尊重の大切さを広めるための啓発活動を行ったり、地域住民の皆さんの身近な相談相手として活動しています。
区では、「全国中学生人権作文コンテスト」「人権の花運動」「子どもたちの人権メッセージ発表会」「人権教室」など、人権擁護委員の人権啓発活動を積極的にサポートしています。
子どもたちの人権メッセージ発表会 会場風景
具体例として、区民企画講座が挙げられます。2009(平成21)年7月17日には、「入門編『同和問題』って何?部落差別のいま」を開催し、同和問題(※1)の基礎知識に加え、2008(平成20)年12月に起きた清掃工場における差別落書き(※2)についても取り上げ、基本的人権の大切さを再認識するための機会を提供しました。
区民企画講座 実施風景
そのときどきのタイムリーな題材やホットな話題を扱うとともに、職員一人ひとりが人権を主体的に考え日々の業務に結び付けていく「参加型プログラム」の定着を図っています。
※1「同和問題」について
日本の歴史の中で、封建時代の身分制度などによって形成された差別により、住む場所・仕事・結婚など、生活のあらゆる面で厳しい制限を受けていた人々がいました。このような差別が現在でも様々な形で現れることがあります。これを「同和問題(部落問題)」といいます。
人は、自分の意思で生まれるところを選ぶことができません。にもかかわらず、「被差別部落(同和地区)」の出身であったり、「被差別部落(同和地区)」と何らかの関係を有しているという理由だけで、不合理な差別を受けている人々がいます。同和問題は、基本的人権にかかわる重大な問題の一つです。
※2清掃工場における差別落書きについて
2008(平成20)年12月4日、東京二十三区清掃一部事務組合が管理する足立清掃工場のトイレにおいて、同和地区出身者やごみの収集・運搬などに携わる人たちの心を深く傷つける内容の落書きが発見されました。
区では、人権にかかわる極めて悪質な差別行為として重く受け止め、職員に対する人権研修の着実な実施、区の清掃事業に携わる事業者社員や区民の皆さんへの人権啓発の充実など、できる限りの対応を行うこととしました。
人権は大切に守られていかなければならないものであり、差別は決して許されるものではないにもかかわらず、現実の社会には、様々な差別や人権問題が起きているのが実情です。
こうした人権問題は、決して私たちの生活と無関係のところで起きているのではありません。あなたの暮らしに人権がどのようにかかわっているのか、立ち止まって考えてみることが大切です。
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