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公開日:2020年12月11日 更新日:2021年8月4日

第4回子どもの未来プラットフォームオンライン交流会レポート

食の支援や居場所づくり、学習支援など、子どもの未来を応援する活動団体同士のオンライン交流会

 令和2年11月19日(木曜日)に子どもの未来を応援する活動団体を対象にweb会議ツール「Cisco Webex Meeting」を使用して、第4回子どもの未来プラットフォームオンライン交流会を開催しました。

 今回は11団体16名の方にご参加いただき、「育児放棄や親の心の疾患等、様々な困難を抱える子どもや家庭の状況」をテーマに、そのような子どもの特徴を知り、「困難を抱える子どもを見つけ、つなぐ」ことが出来るよう「気づきの力」を向上させ、団体同士の連携を広げていくことを目的に交流しました。

SSW(スクールソーシャルワーカー)、YSW(ユースソーシャルワーカー)より、活動内容や事例、課題を紹介

 子どもの貧困対策の一環として、家庭と学校と地域をつなぐ役割を担っているSSW、YSWより、活動や子どもの困難事例を紹介いただき、課題を共有しました。

SSW、YSWについて

  • SSWは家庭と学校と地域をつなぐ役割を担っている。足立区では2015年度からSSWの活用が始まった。
  • 近年問題が深刻化しているため、学校内だけでは対応が難しくなってきており、教員や地域の人と連携したり、みんなで対応していこうという考え方。
  • 地域の社会資源である福祉事務所、民生児童委員、NPO、警察、病院などと協力するなど、さまざまな機関をつなぐコーディネーター役となっている。
  • 多い相談内容としては「不登校」「家庭環境」など。不登校から見える課題は単純なものではなく、いろいろな要素が絡み合って一つのケースになることがほとんど。
  • YSWはSSWとほぼ同じだが、高校生に特化したもの。自立した社会人になれるように支援する、福祉と教育を統合させた若者支援と言える。進路の問題やアルバイトの問題など学年に応じた課題がある。

SSWによる困難を抱える子どもや家庭の事例紹介

  • 住民票がない児童がいた。
  • 親御さんに精神疾患があるというのも多い。薬による副作用で生活が不規則になったり、気分の波が大きくなったりすることで、子供の面倒が見切れないということがある。保護者が精神疾患を持っている場合は子どもから助けてとは言いづらい。
  • 親本人も不登校であったため、不登校を容認してしまっているということもある。
  • ひとり親だと頼れる人がいないということも多い。親の自己肯定感が低いことが、子どもにも連鎖してしまう。
  • 周りは支援が必要だと思っていても、本人たちが困っておらず、アウトリーチで支援をしようとしても、必要ないと断られることがある。
  • 朝食を食べていない子どもも多い。親も朝食を摂らない家庭だと、そうなりやすい。親本人が朝食習慣がなかったため、子どもに任せていて放任の家庭もある。
  • 学校や行政に不信感や苦手意識を持っている保護者がいる。窓口の対応で負のイメージを持ってしまったケースなどで、自発的な相談も少ない。

YSWによる高校生の最近の課題

  • 携帯やSNSでの友人関係トラブルが多い。
  • アルバイトを始める学生が多く、アルバイトと学校生活のバランスに悩む生徒もいる。アルバイトで生計を立てたり、家計を支えている生徒もいるので、一概に学校も禁止にできない。
  • 親が仕事に出かけていて、小さい子どもの面倒を高校生がみている家庭も増えている。それによって学校に行けないということもある。
  • 卒業後の進路について悩んでいる生徒が増えている。

SSWと団体との連携の成功事例

  • SSWから子ども食堂や居場所につないでうまくいっている事例もある。SSWとしては家庭に入るのが最初の難関。そこから家庭の困りごと引き出し、信頼関係を構築しながら、子ども食堂や居場所につないでいる。

連携を広げていくための課題

  • 子どもの年齢に応じて子ども食堂や居場所に通いやすい時間帯があるので、夕方より早い時間の対応などができれば利用できる子どもは増える。
  • 学校内でのSSWの役割に対する理解が進み、学校を中心に多様な連携が取れるようになることが必要。

意見交換

SSWからの支援で保護者が変わった例は?

  • 学校からも連絡が取れなくなった家庭があり、担任がうまく対応できないことがあったので、SSWが親の困りごとを引き出した例がある。
  • 困っているということをいかに引き出すか。粘り強く寄り添い続けると信頼関係が少しずつ作られ、玄関のドアを徐々に開けてくれるようになる。奥の部屋にいた子どもが少しずつ外に出て話せるようになったりすると、親も変化が分かり、さらに頼られる存在になる。
  • 警戒されているとなかなか本音を聞き出せないので。一言一言に気を配っている。

外国にルーツのある子はどれくらいいるのか?

  • 1割程度と捉えている。子どもが日本語を分かっていても、親が日本語をなかなか理解できず、親の方が孤立してしまうことがある。それによって家庭内がギクシャクすることもある。日本語を学べる場所につないだりする。本心を話せなかったりするので、通訳を挟んでコミュニケーションを取れるようにしたりする。

SSWは他団体との連携をどのようにしているの?

  • 学習支援NPOに、学校からの連絡がほとんど取れなくなった家庭をつなげたことがある。多子家庭であり、不登校であったため学校外の居場所を勧めたところ、家から出られるようになった。

コロナで進路を変更している子どもがいるの?

  • 高校生の進路はかなり揺れている。専門学校を希望していた生徒が、学費の面で難しいと悩んでいる。親が進学を勧めてもコロナ禍で進学して良いものか悩んでいる子もいる。
  • 望んでいる就職先の求人が出てこない状況もあり、就職へのチャレンジに悩む子もいる。

交流会での団体からの意見

  • NPOの事業として貧困家庭の子どもの学習支援をやっているので、SSWと連携を密にしていきたい。
  • SSWの動き次第で子どもの環境も、親の環境も、動きも変わっていくと感じた。
  • 個人情報を守ることはとても大事。困難を抱える子どもたちのウェルビーイングのためにという視点も大事。
  • 学校を中心に多様な体制がとれていれば、もっと子どもたちへの改善ができる様になると思う。

第4回オンライン交流会を終えて

  • 区と都で連携し、共通した個人情報保護基準を保ちながらも、スムーズな連携ができるような体制になったら良い。
  • 足立区の支援者ネットワークができたらいいと考えます。一人ひとりの温かい支援が立場を超えて考えられるようにつながりたいと思いました。
  • 新卒高校生の就職先として、働きながら資格を取り、介護の世界でスキルアップできるようにサポートしたい。
  • 専門家の方々の知識のインプットは参考になりました。今後もぜひお願いいたします。
  • 子ども達が自立できるようなプラットフォームになっていただきたいです。
  • オンラインではなかなか直接つながることができない。

 交流会終了後のアンケートで参加者より上記のような意見をいただきました。

 

 今後も交流会を通じて、様々な主体連携により、課題解決の活動を生み出していきます。

実施資料

 

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