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公開日:2019年7月18日 更新日:2020年6月11日
令和元年6月8日(土曜日)午前10時00分から午後12時00分。場所は『カフェ オハナダイニング』さんをお借りして開催されました。会場の広さはもとより、壁には100インチ超のディスプレイ、足元にはドルビーサラウンドシステムと設備が大変充実しています。このような快適な環境のなか、子ども食堂、フードパントリー団体の方々を中心に9団体、11名のみなさんにお集まりいただきました。なお、フードパントリーとは様々な方へ食料を提供すること、提供する場の意味です。
前回同様、今回も区役所側からは、「暮らしと仕事の相談センター」「NPO活動担当課」「子どもの貧困対策課」「青少年課」「NPO活動センター」が参加しました。
まずは平成31年3月に開催された「第4回子どもの未来を応援する活動団体交流会」を振り返ります。そこでは(1)子ども食堂(2)フードパントリー(3)みらまち(子どもの起業体験)以上3つのテーマに分かれて意見交換を行いました。今回はその場で顕在化した課題について考えていきます。
課題1:どうすれば会場への食物の搬入をより効率的にできるだろうか?
課題2:どうすれば会場に取りに来ることが難しい人々にも食物を渡すことができるだろうか?
課題3:どうすればフードロスの観点から効率的なフードパントリー・子ども食堂の運営ができるだろうか?
これ以外にも課題はありますが、今回は特に3つに絞り考えていきます。
グループワークの前に、フードパントリーを運営している「子育てパレット」さんと「リエゾン アダチ」さんに現状を語っていただきました。
【「子育てパレット」 さん】
・月に1回シングルマザーを対象にしたフードパントリーを運営している。
・当初はたくさんの人たちが一度に取りに来たらどうするのかという意見もあったが、4キロくらいのものを子どもを連れて運ぶのは重労働なので、本当に必要ではない人は取りに来ない。
・開催時間では取りに行けないという声も聞く。宅配事業という手もあると思っている。
・野菜はかなり喜ばれている。久々に葉物が食べれますと言われたりするし、お米も喜ばれる。
・食材はフードロスからくるので、充実しているときは充実しているし、加工品だらけの時もある。開けてみないとわからないことも多い。非常食が多い時もあり、ばらつきはある。
・複数のフードパントリー同士の連携が出来ていれば、時間の関係で来られなかった人たちにも届けられるのではないか。宅配システムの検討をしたい。
・ボランティアも定着してきた。トラックから仕分けをするので、手伝ってくれる当事者のお母さんも増えてきている。これをもっと増やせると嬉しい。
【「リエゾン アダチ」さん】
・お弁当をフードパントリーで配っている。できたお弁当を拠点まで宅配している。食材はセカンドハーベストという団体から
・お弁当は、食品メーカーのボランティアさんが来て、その中に栄養士さんや献立を作れる方が数名いる。その人たちが献立を企画し、献立を元に余った食材を使って作っている。そのためお弁当は豪華ではなく、炒め物や揚げ物が多くなりがち。午後6時30分から配っている。
・お弁当を取りに来る人は児童扶養手当をいただいている方など。フードバンクに前日までに申し込んで、了解を得た人たちのみに配っている。
・以前は噂を聞いて申し込んでいない人も来たりしていた。ただ、これをやると行けばなんとかしてもらえるという気持ちになりやすいようで、われ先に早く来て、もらっていこうという人が多かったらしい。そのため事前登録制にしている。登録せずにもらって帰ろうという人は減った。
・賞味期限は当日だったりするものも多い。それでも嫌な顔せずに帰られる方がほとんど。
以上がお二人がお話された内容の要旨です。賞味期限切れ直前の食物はやはり多いようですし、多岐にわたる食物を仕分ける作業も大変な労力がかかります。また食物も重く子ども連れでは一苦労です。
現場の声をきくことができました。ここからのグループワークでは、一段と熱が入っていきました。
グループワークで導き出された意見を全体で共有します。
では、以下に課題ごとの意見をまとめて発表します。
課題1:どうすれば会場への食物の搬入をより効率的にできるだろうか?
・配達のプロと連携する。
・食べ物の仕分けをボランティアだけでなく、取りにきている当事者の方にも協力してもらう。(当事者へ働きかける)
課題2:どうすれば会場に取りに来ることが難しい人々にも食物を渡すことができるだろうか?
・取りに来るのが難しいというのは2種類ある。フードパントリーの存在を知った上で、車がない等の交通手段がない、スケジュールが合わないといったことの他に、フードパントリーの存在そのものを知らない。そもそも情報にアクセスができないということがある。それぞれに合わせて対応する必要があるのでは。
・利用者の人の問題や課題に対してより支援できるようなリソースが必要ではないか。ただ食物を配達するだけでは解決しないのではないか。例えば子どもの勉強を支援できるなど付帯もあるだろう。
課題3:どうすればフードロスの観点から効率的なフードパントリー・子ども食堂の運営ができるだろうか?
・子ども食堂とフードパントリー、学習支援団体(NPO等)のようなところがネットワーク化され、情報連携されていると効率的な食材運用をできるのではないか。
また、協働・協創推進課から具体的な物量、日時などが明確になれば配送ボランティアを募集することが可能とであること。事業者による配送も信頼関係を築いていくことで可能性は出てくること。配送量が明確となれば、コミュニティビジネスとして検討できること。などの意見のほか、フードパントリー実施者が区内には4ヵ所しかなく、足立区東側地域で新たなフードパントリー事業者のなり手を探していきたいとの話がありました。
配送事業者と団体、一般区民ボランティアと団体、企業などと新たなつながりで課題を解決することができそうです。今後も継続してみなさんへつながる場と機会を提供してまいります。どうかご期待ください。
お茶をいただきながらの意見交換でした。
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