1990年(平成2年)6月25日
あだち広報
あだち広報
第870号
(1)

発行/東京都足立区　〒120　足立区千住一丁目4-18　(882)1111　編集/企画部広報課

桜花亭

ゴミに埋もれる前に
ゴミ問題特集
いま、私たちにできることは?
　昭和50年代は横ばいだったのが、60年代に入って急激に増えはじめたゴミ。いま、ゴミの処理に、自治体はどこも頭を抱えています。
　OA化による紙ゴミやプーフスチ。クなどの使い捨て容器、家一製品などの粗大ゴミが、ゴミ急増の主な原因です。私たちは物を大事に使う気持ちを忘れ、便利さを求めていく中で、ゴミ処理の困
雛さを背負うことになったのです。
　23区のゴミ収集は、東京都が行っています。私たちは、ゴミをいくら出しても、都がちゃんと始末をしてくれるという意識がありました。事業者は生産活助に、消費者は消費生活に、もっぱら関心を持ち、ゴミ問題にはあまり目を向けていなかったようです。
　ゴミ問題の解決の第一歩は、一人ひとりが自分の足元から見直すことから始めなければなりません。区も、ゴミをどうしたら少なくできるのか、リサイクル(再利用)はどうしたらできるのか、いま、その取り組み方法を検討しています。
　このような視点から、今回の「あだち広報」はゴミ問題を特集しました。ゴミ問題をどう考え、どのように対処していくべきなのか、皆さんと共に考えていきたいと思います。


ゴミ問題を考える
化学品検査協会技術管理部長・工学博士　北野大
　最近、地球規模の環境問題が、マスコミをにぎわしています。これらは二酸化炭素等による地球の温暖化、フロンガスによるオゾン層の破壊、酸性雨などの、主として先進国による高度な工業活動の結果に起因するものと、焼き畑麦業等の森林破壊と砂漠化などの、主として開発途上国の人口の急激な増加に起因するものに分けられます。
　これらの環境問題は、「廃棄物」、いわぱゴミ問題として見ることができます。
　　「ゴミ戦争」という言葉があります。これは、主として家庭や工場などから出されるゴミを対象としていますが、地球規模の環境問題も、人間の生存をかけたゴミ戦争の一つと言えましょう。
　さて、話をいわゆる「ゴミ」に限ることにします。手元にある平成2年版環境白書によりますと、私たちは1人、1日当たり約1冫のゴミを出しており、その23%が埋め立てにより、73%が焼却により処理されています。もちろん、これらは私たちの税金により行われるわけです。
　有名な言葉に「分ければ資源・混ぜればゴミ」があります。資源の有効利用を考えると、いかにゴミを処理するのかではなく、いかに出さないかを、まず考えることが大切です。
　これは、税の有効利用の面からもいえます。資源は有限であり、私たちの世代で使いつくすことは、決して許されることではありません。
　ゴミ減量と再資源化が、今の私たちに与えられた課題です。これらの問題の解決には、一人ひとりの心がまえ、大きく言えばライフスタイルを変えるぐらいの改革が必要です。
　　二人では何もできないと思うのではなく、
「まず一人ひとりが勳かねばならぬ」と考えることが、地球規模の環境問題やゴミの問題の
解決の糸口となるのです。
　ゴミの問題を私たち自身の問題として考え、いかにして資源の有効利用を図り、次の世代に美しい環境を残していけるかが、今を生きる私たちに与えられた宿題と
言えましょう。

葦立ち
　私たちは、便利で豊かな時代に生きています。これは日本人の努力の成果と言えると思います。しかし反面、私たちの周りの豊かな自然が失われてきました。オゾン層の破壊、森林の乱伐等地球規模で環境破壊が進んでいます。水と緑が足立区のシンボルであるだけに胸が痛みます。
　ゴミの増加もその一つです。産業の発達によることはもちろんですが、私たちのものに対する意識の変化が大きく影響しています。物質文明から恩恵を受けている私たちも、あらためて周囲に目をそそぎ、これでよいのか自己を問う必要があります。
　この美しい自然を守る方法の一つにリサイクルがあります。一度でものの使命を終わらせるのではなく、循環の中でその役割を見直すことです。区でも広報紙等の再生紙利用、庁内の紙ゴミの分別回収を始めました。これも一つの行動です。
　区も企業も区民も、できることから着実に実践していくことです。かけがえのない地球を禾来の人々に引き継げるかどうかは、私たちの努力にかかっているのです。

区長　古性直