あだち広報テキスト版　2018年（平成30年）10月10日　第1792号　6・7面

文化遺産調査特別展
大千住（おおせんじゅ）
美の系譜
―酒井抱一（さかいほういつ）から岡倉天心（おかくらてんしん）まで―

期間＝10月30日から31年2月11日（月曜日休館。祝日の場合は開館し翌日休館。12月25日から31年1月3日は展示入れ替えのため休館。期間中は常設展示の観覧不可）
開館時間＝午前9時から午後5時（入館は午後4時30分まで）
入館料＝200円　※団体（20人以上）は100円。70歳以上または中学生以下の方は無料
場所・問い合わせ先＝郷土博物館（大谷田5丁目20番1号）　電話番号03-3620-9393
アクセス＝亀有駅北口から東武バス（八潮駅南口行き）に乗り、「足立郷土博物館」下車徒歩1分など


琳派 ―世界に認められる日本美術―
　江戸時代に京都の俵屋宗達（たわらや そうたつ）、尾形光琳（おがた こうりん）が描いた、大胆な構図とデザインで知られる流派。江戸後期に酒井抱一が下谷（したや）（現台東区）で活躍して江戸琳派が生まれ、鈴木其一（すずき きいつ）、千住の村越其栄（むらこし きえい）・向栄親子へと受け継がれました。



江戸琳派の祖
酒井抱一（さかい ほういつ）「菊慈童図（きくじどうず）」
　未表装のまま伝来した希少な図で、軽やかな筆致が魅力。

中国の伝説に語られる菊の露を飲んで不老不死の仙人になった童（わらべ）。王にも寵愛（ちょうあい）された可愛（かわい）らしさは必見！


千住で育った琳派の美術
村越向栄（むらこし こうえい）「月次景物図（つきなみけいぶつず）」
　床の間に飾る12カ月揃（そろ）いの図。各月を物語る草花や風景が、「遠」「近」それぞれの視点で描かれている。


気鋭の琳派絵師・鈴木其一が挑んだ供養の表現
関屋里元追善集（せきやりげんついぜんしゅう）
　千住の富裕町人・関屋里元の追善※のために制作された。琳派の其一、谷派（水墨画の大家（たいか））の長（おさ）・谷文晁（たに ぶんちょう）、浮世絵師・歌川国芳（うたがわ くによし）などが携わる、流派を超えた句歌集。
※…死者の冥福を祈り、催される行事


一月
「飛鳥（ひちょう）に松島図（まつしまず）」
琳派独特の技法「たらし込み」で岩と松を表現


三月
「嵐山春景図（らんざんしゅんけいず）」
霞（かすみ）の中、桜が咲く風景を淡い色調でやわらかく表現


五月
「燕子花（かきつばた）に鷭図（ばんず）」
すっと伸びる燕子花が　生命力を示している


七月
「秋草（あきくさ）に流水図（りゅうすいず）」
葉脈を金泥で表現するなど、琳派の特徴的な技法がみられる


八月
「日光裏見（にっこううらみ）の滝図（たきず）」
画面を斜めに切り分ける絶妙な構図


九月
「通天橋（つうてんきょう）紅葉図（こうようず）」
名所の紅葉を鮮やかな色彩で描いている


十二月
「雪竹（ゆきたけ）に雀図（すずめず）」
絵の具を使わずに下地の白さで雪を表現


歌舞伎の演目「助六（すけろく）」を演じて評判となった七代目市川団十郎（いちかわ だんじゅうろう）が、追善の歌を寄せているため、国芳は主人公たち（助六と揚巻（あげまき））の江戸玩具を描いた


▲其一は夜桜と月をシルエットで表現した


美の交流 ―岡倉天心らと親交―
　名倉家は明治以降も文芸活動を脈々と受け継ぎ、近代日本美術の父、美術教育家・岡倉天心（美術界の総帥）と交流します。天心が育てた横山大観（よこやま たいかん）、菱田春草（ひしだ しゅんそう）をはじめ、明治の日本画壇を飾る錚々（そうそう）たる画家たちともつながっていました。

近代美術の発展に貢献
名倉彌一氏宛（なぐら やいち し あて） 岡倉天心書簡（おかくら てんしん しょかん）

　東京美術学校（現東京藝術大学）校長・岡倉天心からの書簡。名倉家当主・彌一が天心と親交を持ち、美術学校の活動を支援していた可能性をうかがわせる。

明治26年のシカゴ万博に際して、東京美術学校が建造した「鳳凰殿（ほうおうでん）」装飾の完成記念展示会への誘いが書かれている！


コミカルさが魅力
柴田是真（しばた ぜしん）「六歌仙墨戦図（ろっかせんぼくせんず）」

　古今和歌集の在原業平（ありわらの なりひら）や小野小町（おのの こまち）ら6人の名歌人が、巨大な筆で戦うという奇想天外な作品。


多彩な政治家・芸術家に敬愛された証（あかし）
名倉素朴翁還暦祝賀色紙帖（なぐら そぼく おう かんれきしゅくがしきしちょう）

　明治32年の彌一還暦に際し、内閣総理大臣を務めた松方正義（まつかた まさよし）や高名な画家である橋本雅邦（はしもと がほう）など約100人から贈られた書画。錚々たる面々と広く深く親交があったことを表している。

▲横山大観「松林帰童図（しょうりんきどうず）」
松と熊手で長寿を祝う

▲蛇腹式の色紙を横並びで展示予定。1枚ずつ見ることができる


8年目を迎えた「足立区文化遺産調査」
　区制80周年（平成24年）を記念して、23年から始まった区の文化遺産調査。以降、区内の多くの名家から、相次いで貴重な美術資料が発見され、「足立の仏像展」、「大千住展」などの展覧会に結実しました。そして、7回目を迎える今回は、初公開の千住名倉家の美術資料を中心に、江戸から明治の多彩な名品を紹介します。


千住の名家「名倉家」
　「骨接（つ）ぎの名倉」として知られる医家。業祖（ぎょうそ）の名倉直賢（なぐら なおかた）から始まる、代々の当主は「有隣堂（ゆうりんどう）」「素朴（そぼく）」の雅号を名乗る俳諧・和歌・狂歌の作者でした。幕末から明治の当主・名倉彌一（やいち）は、琳派（りんぱ）絵師・村越向栄（むらこし こうえい）や江戸から明治にかけて活躍した絵師・柴田是真（しばた ぜしん）らに慕われたため、多くの美術資料が名倉家に集まりました。作品伝来数は都内屈指です。


郷土博物館が「大千住」に染まる

見所
知られざる美の名品150点を一挙大公開！
　名品の一部は区のホームページからご覧になれます。
コチラから▲


特典
「大千住」グッズをプレゼント！
　今号を郷土博物館へ持参した方に、10月30日（火曜）のみクリアファイルをお渡しします（先着50人）。


美と知性の宝庫 足立

日本美術史を専門とし、区が行っている文化遺産調査の資料研究に携わる、二人の研究者にお話を伺いました。

武蔵野美術大学
玉蟲敏子（たまむしさとこ） 教授

昭和女子大学
鶴岡明美（つるおかあけみ） 准教授


稀有（けう）な存在「千住」
　かつて東京都心の名家が所蔵していた文化遺産の多くは、震災や戦争、世代交代により消滅・散逸していきました。「千住のように世紀を越えて美術資料がまとまって現存するのは、全国的にみても稀（まれ）。足立の文化の高さと豊かさを物語っている」と玉蟲教授は話します。


文化史の新たなページを刻む
　「琳派や谷派などの流派は個別に発展した」という美術史の常識を変える、足立区文化遺産調査の展覧会。「日常で別流派の交流が分かる作品もあり、私たち研究者であっても目を見張る」と口を揃えます。区内にはさらに多くの文化遺産が確認されていることから、鶴岡准教授は早くも新たな事実の発見に期待を寄せています。



―欄外―
郷土博物館の臨時休館
■期間＝10月23日から29日■問い合わせ先＝郷土博物館　電話番号03-3620-9393



29年度野鳥生息調査結果
区の野鳥モニターによる調査で、69種、延べ3万5,471羽の野鳥を確認しました。　※報告書は区のホームページで閲覧可■問い合わせ先＝環境事業係　電話番号03-3880-5860



10月20日（土曜）は、システムメンテナンスのため、コンビニでの各種証明書の取得が終日できません
■問い合わせ先＝住民記録係　電話番号03-3880-5724



気づいてくださいヘルプマーク
援助が必要な方のためのマークです。見かけたら思いやりのある行動をお願いします。■問い合わせ先＝障がい施策推進担当　電話番号03-3880-5407