あだち広報テキスト版2020年(令和2年)10月25日第1841号12面



チーム一丸となり、先を見据え走り続ける。
医療現場のリアル
区内医療機関の医師に、現状について聞きました。
■問先=広報係 電話番号03-3880-5815


足立区医師会の取り組みを聞く

医療法人社団 慈航会(じこうかい) 阿部メディカルクリニック
阿部聡(あべさとし) 院長(足立区医師会理事)

PCR検査体制のトップランナー
 PCR検査を迅速に受けられることが、疑い症例者にとって何よりの安心材料です。そのため、検査体制の拡充に注力しました。区と立ち上げたPCR検査センター(※)で医師が経験を積めるようにもなり、現在は多くの医療機関で検査を受けることができます。
 開設は早くありませんでしたが、センター自体が形骸化する自治体も多い中、足立区はセンターを核とした好循環により、「疑いがあればすぐに検査し、次の日には結果が出る」という流れができました。協力的な医師に恵まれ、現在も「力になりたい」と当番医の志願者が殺到し抽選にするほどです。今ではほかの区市町村と比べてもトップを走れていると自負しています。
※…区が医師会に委託する、休日にドライブスルー・ウォークスルーでPCR検査が受けられる施設(診察した医療機関による予約制。場所は非公開)

「先手必勝」で区民の命を守る
 そのほかに研修・勉強会による知識の向上にも取り組んでいますが、先を見据えた行動も重要です。当院でメンタルの不調を訴える受診者が急増していることもあり、研修などで医師に共有しています。自殺対策に熱心に取り組んでいる区とも連携を密にしていきたいですね。
 感染症という敵を前に、医師会でもパラダイムシフト(考え方の大きな転換)が起きました。多くの医師たちは医療に燃えた学生時代のように使命感が高まり、それが結集し感染症対策に日々奮闘しています。区民の命を守るため、これからも全力を尽くしていきます。


医療従事者の現状を聞く

社会医療法人社団 医善会(いぜんかい) いずみ記念病院
山崎勝雄(やまざきかつお) 院長

ウイルス発生から切れることのない緊張の糸
 今年に入り、分からないことだらけの中で始まった感染症対策。未知のウイルスへの不安や、物品不足とも戦いながら、息つく暇もない日々でした。
 流通が戻り、感染症の全貌も見えてきましたが、感染の危険と隣り合わせの毎日に、職員はいまだ心労を抱え仕事に臨んでいます。感染症対策の訓練は重ねていたので、工夫もしながら職員一丸となってなんとか走り続けられていますが、ストレス耐性までは訓練で培えませんから。
 最近はほとんど無くなりましたが、「あの病院は感染者がいる」などの誤った情報による風評被害や、「子どもを保育園に預けないで」といった周囲の声に悩みや悔しさを抱えている職員もいました。

患者の協力が何よりの救い
 一方で、大多数の方が気を遣ってくださっています。発熱があった場合に直接来院せず、事前に電話で相談いただいたり、定期通院者も熱を測ったうえで来てくださったり。そうした気遣いに、医師はもちろん、患者と接する機会の多い看護師や受付など、全職員が本当に支えられていますね。
 冬が近づき、インフルエンザも流行(はや)り始めます。今後も、「基本的な感染症対策の徹底」や「積極的なインフルエンザ予防接種」などにご協力をお願いします。
 私たちもチーム医療で皆さんを支えていきます。



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