第１回足立区ユニバーサルデザイン推進会議
平成25年5月23日（木）9：45～11：45
足立区役所 南館４階作業室
《出席者》敬称略
推進会議委員：八藤後 猛、山田 あすか、浅香 孝子、吉原 芳枝、金子 孝一郎、鈴木 圭子、足立 義夫、田中 克己、髙野 寿久、大津 弘之、石川 和亮、定野 司、西野 知之、岡野 賢二（名簿順）
石川副区長
事務局
（都市建設部ユニバーサルデザイン担当）：須藤課長（都市建設部企画調整課）：小故島係長、伊勢谷担当
コンサルタント（ＬＡＵ）：松沼、池田
傍聴者：２名

《次　　第》
１．委嘱状の交付式
２．推進会議の議事
１）委員の紹介
２）推進会議会長及び副会長の選出
（１）会長及び副会長の挨拶
３）講話
内容：ユニバーサルデザインが市民生活にもたらすもの
講師：八藤後 猛 先生　足立区ユニバーサルデザイン推進会議委員
４）ユニバーサルデザイン推進計画等策定について（事務局説明）
５）質疑応答
６）その他
３．閉会

《配布資料》
○足立区ユニバーサルデザイン推進会議委員名簿
○ユニバーサルデザイン推進計画等策定について（事務局説明資料）
資料－１　パワーポイント説明資料
資料－２　建設委員会報告資料
足立区ユニバーサルデザイン指針（素案）平成23(2011)年3月【抜粋】
資料－３　足立区ユニバーサルデザインのまちづくり条例及び施行規則
資料－４　庁内におけるユニバーサルデザイン関連事業の調査結果について
○当日席上配布資料
・八藤後 猛 先生　講話資料
・座席表

１．委嘱状の交付式
副区長より委嘱状を各委員に交付。
副区長あいさつ ⇒ あいさつ後退席
２．推進会議の議事
１）委員の紹介
２）推進会議会長及び副会長の選出
ユニバーサルデザインのまちづくり条例施行規則 第６条より、会長１名及び副会長１名を選出
（田中委員）事務局から選出案があれば、聞かせてください。
（事務局）　それでは、事務局から会長に八藤後猛委員を、副会長に浅香孝子委員を推薦しますが、いかがでしょうか。
⇒拍手にて承認。
会長：八藤後 猛 委員、副会長：浅香 孝子 委員に決定。
３）講話
八藤後 猛 先生による講話
４）事務局説明　
須藤課長による説明
・ユニバーサルデザイン推進会議について
・ユニバーサルデザインとは
・足立区が目指すユニバーサルデザイン
・ユニバーサルデザイン推進計画について
５）質疑応答
（八藤後会長）スパイラルアップによる取組みのイメージ図に記載の「ＰＤＣＡサイクル」についての説明をお願いします。
（事務局）　推進計画を策定して終わりということではなく、それを評価・改善しより良いものしていくために、今後も継続して推進計画をレベルアップしていく取組みのことです。
（岡野委員）ＰＤＣＡとは、Ｐ:Plan(計画)、Ｄ:Do(行動)、Ｃ:Check(評価)、Ａ:Action(改善)のことです。ＰＤＣＡを繰り返しながら、ユニバーサルデザインのまちづくりの理想・目標に向かって、進めていくという意味合いです。
（大津委員）「区民の責務」とありますが、区民一般はユニバーサルデザインを知らないし、ユニバーサルデザインが当たり前の事物として展開していくことはないと思います。区民に責務を求めるのであれば、例えば町会で説明するなど、ユニバーサルデザインに関する教育、情報発信を推進して頂きたいと思います。
（事務局）　今回、ユニバーサルデザインに関する意識啓発や周知のためのリーフレットなどを作成予定です。そういったものを活用しながら、区民の理解を深める活動を行っていきたいと考えています。また、一度つくったら終わりではなく、継続的に情報発信していく取組みも必要だと考えています。
（岡野委員）大津委員の発言は、「区民の責務」という表現に少し違和感があるが、区民に責任や責務を意識してもらうような動機づけを区が積極的に行うべきだということも含まれていると思います。例えば、足立区では「孤立ゼロプロジェクト」という取組みを行っていますが、発想の源は同じです。足立区が目標とする社会にとってそのような心付けは必要だし、区民の皆さんのためにもなることを説明しながら、推進していきたいと考えています。
（石川委員）足立区内ではこれまでユニバーサルデザインの認知度に関する調査を行ったことはあるのでしょうか。例えば、googleで他県の自治体の調査結果を検索すると、言葉や内容を知っているという回答が50％を超えているところもあるようです。ただし、個人的見解では周りでユニバーサルデザインを認知している人はあまりおらず、認知しているのは介護関係者ぐらいです。足立区では、今回この取組みを進めるにあたり、事前調査は行っているのか確認したいと思いました。
（事務局）　おそらく、これまでユニバーサルデザインの認知度調査は行っていません。
（石川委員）認知された上で取り組んでいかなければ、区民の理解を深めるまでには至らないと思います。他県では、行政アドバイザーなど自分から立候補したような方に調査を行っている事例もあるので、調査内容に偏りがあるとも感じており、無差別に調査すれば認知度はもっと低いと思います。もし今後調査を行うのであれば、調査対象者をまんべんなく抽出した方が現実的な結果がでると思います。取組みを始めるにあたり、認知度を確認することは重要なことではないでしょうか。
（岡野委員）貴重なご意見として承り、検討させて頂きたいと思います。
（石川委員）知人の中には、ユニバーサルデザインとバリアフリーを混同している人もいます。
（八藤後会長）来年度以降、推進計画の取組み評価を実施する際のベースとなる数値として、区民の認知度は知っておく必要があるのではないかというご意見だと思います。
（吉原委員）防災マップは、カラーユニバーサルデザインに配慮してつくられているようですが、以前よりも見にくくなったと感じています。ユニバーサルデザインは、誰にとっても100％なデザインになるべきだと思いますが、１冊で様々なニーズを盛り込んだ結果、かえって50％程度のデザインとなっては本末転倒です。むしろ、ニーズに合うよう別冊をつくることも必要なのではないでしょうか。
（定野委員）防災マップは、カラーユニバーサルデザインのもと誰が見てもわかりやすいように作成しています。見にくい原因は、色ではなく内容を盛り込み過ぎているところにあるのではないかと思います。
（吉原委員）色も見にくいと感じています。周りにも見にくいという意見があります。
（石川委員）私は色弱ですが、カラーユニバーサルデザインに関しては誰にでも見えるよう配慮されてつくられていると思います。（吉原委員）色弱の方の割合はどの程度なのでしょうか。
（石川委員）男性では、約20人に1人と言われており、血液型がＡＢ型の人の割合と同程度です。学校では、クラスに1人はいるということになります。
（八藤後会長）ユニバーサルデザインを用いた結果、皆が我慢するデザインになってしまっては意味がありません。場合によっては、数種類つくることも必要ですね。
（足立委員）大型店であれば、エレベーターなどの設備が整っていますが、個人商店では、車椅子のお客様を押すことはできても、設備の面ではなかなか難しい問題もあると思います。我々商店街がどのようにしたらユニバーサルデザインに協力できるか、勉強していきたいと思います。
（岡野委員）大型店と個人商店は、資金力も違うため、全て同じようにとはいかないと思います。ハード面で全てカバーしようとすると相当なコストもかかります。それぞれの状況に応じた例示みたいなものを示すことができれば良いと考えています。
（八藤後会長）世田谷区で同様の会議に参加した際、商店街代表の方も参加しており一所懸命努力していましたが、バリアフリー改修のための助成金制度がまったく活用されていないという現状がありました。個人商店にとってわざわざバリアフリー対応に改修することは、現実離れしていると思われていたのかもしれません。
（田中委員）建築関係の仕事をしていますので、設計の段階からユニバーサルデザインの考えを盛り込むことは当たり前になっていますが、お客様の中にはそこまで意識する必要は無いという方もまだまだ多いのが現状です。歩道の傾斜など、日常のふとした事からユニバーサルデザインについて無意識のうちに気付く・配慮できるようになるためには、やはり小さい頃から教育していくことが非常に大事なことだと感じています。
（大津委員）日立製作所では、小学生のユニバーサルデザインの意識を高めようと、ユニバーサルデザインの出前授業を行っています。対象は主に高学年ですが、かなりの学校から好評を得ており、足立区では中川小学校で実施しています。ぜひそのような形でも社会に貢献していきたいと思います。
（浅香副会長）きちんと理解できるのは、小学校高学年ぐらいからだと思いますが、できるだけ小さいうちから教育していく方が良いと思います。
（大津委員）授業は日立の社員が行っていますので、学校の先生とはまた異なり子供達からも非常に親近感をもって接してもらいながら、授業を進めることができています。
（浅香副会長）足立区には、年２回公開授業があるので、その際に行ってもらえると子供も大人も学ぶことができ、非常に有効的だと思います。
（岡野委員）ユニバーサルデザインは、全庁内で取り組んでいますので、本日の議論については全庁内に周知し議論していきたいと思います。学校の中には、外部講師を招いているところもあると聞いていますので、教育関係の方とも十分意見交換をしていきたいと思います。
（鈴木委員）これまでユニバーサルデザインについての意識が甘かったと感じています。先日の山田先生の講演の後、道路を観察しながら帰りましたが、かなり改良されていることに気付きました。これまで、歩道と車道に段差があったところが改善されており、そういうことに気付いていませんでした。そのため、足立区は人に優しいまちに変わってきていることを、町会等を通じて周知していくことも必要だと思いました。ただし、周知していくためにも、まずはユニバーサルデザインに関する意識を広めることも重要だと感じました。
（岡野委員）歩道の改修については、徐々に進めています。以前は、修景の観点から、ブロックやレンガ舗装を行っていましたが、街路樹の根の影響などにより少しでもブロックがずれると高齢者がつまずく問題もおきていました。現在は見直し行い、景観を大切にするところには、色合いの良いアスファルトなどを用いる工夫をしています。綾瀬駅前の実例を紹介しましたが、洗い出しのアスファルトを使用し、景観にも配慮しています。
（西野委員）やはり気付くことが大切だと思っています。気付くということは、なかなか難しいことではありますが、障がいのある方やベビーカーをおしているお母様など様々な方に事前に見て頂いて、整備後に評価をして頂くという体制を取っています。ただし、いっぺんには整備ができませんので、順番に行っていますが、なるべくスピード感のある対応を心がけていきたいと考えております。
（大津委員）順番に改修を進めていくことは理解できますので、例えば、高齢者が多い地区、外国人が多い地区など、分析に基づいてそれぞれの状況に見合った優先順位を設けて整備を進めてほしいと思います。また、一つの商店街が取り組んでいると他の商店街もやろうという気になるので、事例をつくっていくことも大切だと思います。
（山田委員）ユニバーサルデザインの取り組みについては、単発的なイベントのようなもので終わらせるのではなく、システムにのせて継続させていく仕組みづくりを考えていくことが必要だと思います。また、乙武さんの一件もありましたが、それぞれお互いの立場に配慮する、気遣う心について考えていくことも必要だと感じています。

６）その他
第２回ユニバーサルデザイン推進会議の開催予定と議題について
⇒開催予定：平成25年8月末頃
議　　題：推進計画の素案について
区民向けリーフレットの素案について