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公開日:2020年2月14日 更新日:2023年8月16日

結核の予防と支援

長引く咳は“風邪”・・・“結核”かも!?

結核の症状は、咳や痰が多く、風邪と似ているため発見が遅れることがあります。

結核に感染しても、結核について正しく理解して早期に受診し、早期に診断を受けて結核の薬を飲めば治る時代となりました。

結核って今もあるの?・・・あるんです

結核は過去の病気ではありません。

平成30年1月1日から12月31日の間に、足立区では95人の方が新たに結核と診断されています。また、平成29年に結核が原因で亡くなった方は全国で2,303人でした。昭和25年は死亡原因の第1位が結核で、年間121,769人の方が亡くなっており、その当時と比べると減少していますが、まだ油断できません。

足立区の結核り患率(人口10万人あたりの結核患者割合)は、全国の平均を上回っています(平成30年)。また、多くの先進国では、結核り患率が低まん延国の水準である10を下回っていますが、日本は12.3(平成30年)となっておりまだまだ予断を許さない状況です。

※最新のデータにつきましては、準備中です。

結核の現状

1:結核り患率の推移

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2:年齢階級別り患率

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結核とは?

そもそも結核ってどんな病気?・・・結核は正しい治療で治ります!

結核とは、結核菌を吸い込んで肺の中で結核菌が定着した状態です。これを「感染した」といいます。抵抗力が弱っていると結核菌が増殖し、咳、痰、微熱などの症状が出て「発病」します。

しかし、感染しても発病する人は10人中、1人か2人です。

もし発病したら、通常は結核の薬を数種類、概ね6か月から9か月服薬します。結核菌が消えれば、周囲へうつすこともなく、治療が終わります。その後は、2年程度再発の有無を経過観察します。また、結核治療には公費負担制度があります。感染症対策課までお尋ねください。

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結核は他人事ではありません

高齢者は特に注意!気づかないうちに発病も

平成30年は、区内で70歳以上の結核発病者は42人(44.2%)でした。

高齢者はせき・たんなどの典型的な症状が出にくい場合が多く、受診が遅れ重症化する傾向があります。食欲不振や体重減少、微熱、なんとなく元気がない状態が続いている高齢者には、周囲の人から声をかけ、受診を勧めてください。

かつて結核がまん延していた時代に感染し、高齢になり免疫力が低下して結核を発病するケースも増えています。年に一度は、健診などで胸部レントゲン検査をうけて結核を予防しましょう。

若者の結核が増えています!

東京都や大都市に見られる傾向です。20歳から40歳代の働き盛りや子育て世代等、若年者の患者が多い特徴があります。若年層の方は一般的に活動範囲が広く、小さなお子さんと接触している場合もあり、結核に感染した際には感染の拡大が心配です。

合併症がある場合は特に注意!

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結核と糖尿病・・・密接な関係

足立区で新たに結核と診断された方の合併症は、糖尿病が最も多くなっています。平成30年は約7.3人に1人が糖尿病を合併していました。

糖尿病の人は、そうではない人に比べて結核にかかりやすくなります。

結核にかかった後も、血糖のコントロールがよくないと結核の治りが良くなかったり、再発しやすい傾向にあります。

早期受診・早期診断・確実な服薬治療

2週間以上続く咳は要注意!

2週間以上続く咳、たん、発熱は結核の注意症状です。かぜの症状に似ているため、症状が出始めてからも結核になったことに気付かず、結核の発見が遅れることもあります。咳が2週間以上続くときは、必ず医療機関を受診しましょう。

また、周囲にそのような方がいた場合には、早期受診を勧めましょう。

結核の早期発見のために!

年に1度の健康診断(胸部X線撮影)や学校・職場健診、特定健診・後期高齢者医療健診等を利用して結核の早期発見に努めましょう。

65歳以上の方は「結核定期健康診断」として、毎年胸部レントゲン検査を受けることが義務づけられています。特定健診や後期高齢者医療健診と一緒に胸部レントゲン検査を受けることができますので、ぜひ「結核定期健康診断」を受診してください。

確実な服薬が何より大事です!

咳や痰、微熱や体重減少など自覚症状があっても、仕事が忙しい、時間がないなどの理由による受診の遅れが見られます。

症状が悪化してから受診したときには、痰の中に結核菌が確認され、人にうつす状態になっていることも珍しくありません。

早期に発見され感染性がなければ、入院せず、結核の薬を飲みながら、今まで通りの生活を続けることができます。ご心配なことがありましたら、感染症対策課までお尋ねください。

結核を予防しよう!

結核は、今でも国内最大の慢性感染症であり、早期治療が重要な病気です。

日頃から規則正しい生活と休養、バランスのとれた食事を心がけて、からだの抵抗力を落とさないことが大切です。

また、このような症状が2週間以上続いたらすぐ医療機関を受診しましょう。

・咳が出る

・タンが出る

・発熱

・寝汗

・食欲低下

・急に体重が減った

・だるい

 

抵抗力の低い高齢者は典型的な症状がみられないことも多くあります。なんとなく元気がない、などの変化を気にかけてあげましょう。

毎年9月24日から30日は、結核予防週間です!

厚生労働省では、毎年9月24日から30日を「結核予防週間」と定め、結核に関する正しい知識の普及啓発を図ることとしています。

足立保健所では毎年、区役所1階でのパネル展示、関係機関・協力期間へのポスターパンフレットの配布、ビュー坊テレビの放映を行っています。

毎年3月24日は世界結核デーです!

細菌学者ロベルト・コッホが1882年に結核菌の発見を発表した日にちなみ、1997年の世界保健総会で制定されました。

日本はH30年現在、他の先進国諸国より遅れて中まん延国となっていますが、世界には低中所得国を中心に日本以上に結核がまん延している国が多くあります。

世界各国からの旅行者、移住者等、国境を越えた人間の移動が一般的となった今、全世界が一体となって結核流行を終息させる必要があります。

足立保健所では区役所1階区民ロビーにてパネル展示を行っています。

結核医療費の公費負担制度

結核に感染したり発病したりした方が、安心して治療を受けられるように、結核医療費の一部を公費で負担する制度があります。

公費負担には、入院勧告による入院治療と通院治療の2種類があり、それぞれ申請が必要です。申請後、「足立区感染症の診査に関する協議会」で承認されると公費負担を受けることができます。

詳しくは、感染症対策課(電話03-3880-5372)までお尋ねください。

入院勧告による入院治療の場合(感染症法37条による公費負担)

保健所が実施する勧告または措置により入院している結核入院患者の方には、指定医療機関で受ける入院医療に対しての公費負担制度があります(感染症法第37条)。患者本人からの申請が必要です。

公費負担制度の基準に基づく範囲で助成します。ただし、世帯の収入状況により、一部負担がある方もいます。公費負担の開始日は保健所が患者に入院を勧告または措置を開始した日となります。

通院治療の場合(感染症法37条の2による公費負担)

結核通院患者(他疾患での入院患者、感染性のない結核入院患者を含む)または潜在性結核感染症患者(他疾患での入院患者を含む)の方には、指定医療機関で受ける通院医療についての公費負担制度があります(感染症法第37条の2)。患者本人からの申請が必要です。

治療に必要な医療費の95%を医療保険や公費で負担します。住民税非課税の方は申請により残り5%も助成になります。

抗結核薬やエックス線、塗抹・培養検査など、公費負担制度の基準で定められたものが助成対象になります。初診料・再診料・診断書料などは公費助成の対象外です。

公費負担の開始日は保健所が申請書を受理した日となります。(郵送の場合は消印日から)

感染症法37条の2による公費負担の対象範囲(PDF:132KB)

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足立保健所感染症対策課事業調整係

電話番号:03-3880-5372

ファクス:03-3880-5371

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