公開日：2016年6月18日　更新日：2016年6月18日

「千住いえまち」で見る千住のまちと建物

　「あだちまちづくりトラスト」（※）を活用して出来上がった「千住いえまちプロジェクト」の冊子、「千住いえまち」は読みごたえ、見ごたえがあります。

　千住いえまちプロジェクトの代表は、人気番組「劇的ビフォー・アフター」に匠（たくみ）としても登場したことのある山崎たいくさん。千住の建物や町並みに大変興味を持ち、それらが失われていくことへの危機感を共有するメンバーが集まったと言います。

　千住は旧日光・奥州街道沿いを中心に、昭和もしくはそれ以前の建物が今でも残り、周辺の路地とともに醸し出す独特の雰囲気が魅力的です。しかしそれらは決して文化財というわけではありませんので、少しずつ解体や建て替えが進み、千住らしい町並みが失われつつあります。

　この冊子では、メンバーが丹念に千住のまちを歩き回り、探し出してきた「残したい、伝えたい」建物が、豊富な写真と図面で丁寧に紹介されています。建物が持つ歴史や、それにかかわってきた人を丹念に取材しているため、単なるまちの紹介に終わらない、奥深さを感じます。そこには、まちや建物に対するメンバーの深い愛情が表れているともいえます。この本の出版を機に、こうした建物の民間活用機運が高まるといいのですが…。

　「千住いえまち」は千住二丁目の書店「ぶっくらんど」さんで、一冊500円で販売されているそうですが、こういう本こそ広く大勢の目に留まって欲しいと願います。とにかくご一読をおすすめします。

※あだちまちづくりトラスト：創意工夫による自主的なまちづくり活動を応援するための公益信託の制度で、区から委託を受けた信託銀行が寄付金などの原資を運用し、対象となる団体や個人、事業に助成を行う。

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