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公開日:2018年12月18日 更新日:2018年12月18日
足立の紙漉は、江戸時代の半ばから昭和にかけて農家の副業として行われました。その中心は「漉返紙(すきかえしがみ)」「地漉紙(じすきがみ)」とよばれる再生紙です。明治までは「浅草紙」とよばれたちり紙、大正期には砂糖の包装紙、昭和では着物の帯芯や張り子紙がその用途の中心でした。
作業行程は、回収した古紙を細かく砕き、水に浸して柔らかくするところから始まります。ドロドロになった古紙はフネと呼ばれる水槽に入れられ、桁という木の枠に簀(す)を挟んだもので繊維がすくい上げられます。この行程を、紙を漉くといいます。漉いた紙は簀ごと水切りをし、その後は一枚一枚重ねたものを紙床押(しとおし)という圧搾機にかけてさらに水を切ります。それから紙はコロというローラーにかけられて一枚ずつ張板に張られ、天日干しにされた後、梱包して出荷となります。
漉返紙の生産は明治時代に最盛期を迎えましたが、製紙工場の進出や関東大震災の影響で戦前には激減し、昭和50年代に生産はなくなり、昭和60年代を最後に足立の紙漉は姿を消しました。
地漉紙製作の道具や模型
紙漉作業の様子
紙を干している様子
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