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公開日:2018年10月9日 更新日:2018年10月9日
郷土博物館では、平成22年度から足立区の仏教遺産、生活資料、歴史画像資料の三分野を対象とした文化遺産調査を行い、その成果を平成24年度特別展「足立の仏像」や、報告書「千住の民俗」、そして資料検索データベースなどで公開してきました。(第一次文化遺産調査)
平成21年度のリニューアルオープン以降開催してきた「千住の琳派」展、「大千住展」などの実施により、暮らしの中で用いられてきた美術資料についての情報が、それまでよりも多く博物館へ寄せられるようになりました。
これらの情報をもとに美術資料を中心とした調査を行うため、平成27年度から新たに文化遺産調査を開始しています。(第二次文化遺産調査)
調査研究の成果は、今年度から博物館の展覧会などで、みなさんに公開していく予定です。
俳諧や絵画など文雅を愉しむ豊かな人々と地域。そんな足立の新たな魅力を発信します。ぜひご期待下さい。
また調査の実施には、皆さまからの情報の提供等、ご協力お願い申し上げます。
千住に住んだ中野其豊の四季農耕図
美術資料は、売買され、作者と持ち主との間に直接の関係が無いことが多いのですが、区内には地域の生活に密着した資料が多く残されています。
こうした資料の調査には、地元の歴史的背景や文化的な意味について、さまざまな資料と比較して検討することが必要です。美術史的な分析ももちろん不可欠で、美術の専門研究者を交えての研究も行います。郷土博物館では、こうした地域社会と密接に関わった資料を「地域美術資料」というカテゴリーで捉えて調査を実施します。
旧家の蔵での調査風景
今回の地域美術資料に焦点をあてた文化遺産調査までのあゆみをご紹介します。
平成21(2009)年の博物館リニューアル以後、展覧会、調査活動の結果、多くの区民の皆様のご協力とご理解により、多くの資料が確認され、この度の調査事業の実施となりました。
平成21(2009)年 | 3月 常設展示リニューアルオープン 記念展「建部巣兆展」開催。※建部巣兆=江戸時代の千住の絵師・俳諧師 9月 千住地区から向栄「十二か月花卉図屛風」発見、保管。その後の千住の琳派展へ発展 |
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平成22(2010)年 | 5月 千住地区で琳派関係作品が確認される 9月 千住地区より古文書・絵画寄贈。木挽町狩野派の町狩野の粉本などが確認される |
平成23(2011)年 | 1月 文化遺産調査(第一次)開始(から二十五年三月)。千住生活史・歴史画像・仏教遺産の三分野。とりわけ千住生活史関連が、のちの「大千住展」など今回の調査に直接関連する 3月 企画展「千住の琳派展」開催 10月 特別展「浪人たちのフロンティア展」開催。千住地区個人蔵の佐藤元萇の墨蹟出展 |
平成24(2012)年 |
3月 「千住生活史調査報告書」発行 清凉寺式釈迦如来立像 |
平成25(2013)年 |
2月 千住地区で建部巣兆「西行庵図」、鈴木其一「鍾馗図」、高橋廣湖「春の彼岸詣図屏風」等確認。収蔵 狩野壽信 群鶴図屏風 |
平成26(2014)年 |
3月 千住地区の旧家(木屋)で谷文晁などの作品所在確認(未評価) 千ヶ崎悌六「江村残雪」 |
平成27(2015)年 |
2月 専門家による熟覧予備調査を実施 6月 区内千住で村越向栄作品などが見つかる 10月 千住柳町で昭和戦前の貼交屏風を確認 |
平成28(2016)年 |
3月 文化遺産調査特別展「美と知性の宝庫 足立―酒井抱一と谷文晁とその弟子たち―」を開催 5月 特別展関連事業スタディ・デイを開催 花畑で村越向栄の絵のある旅枕が確認 |
平成29(2017)年 |
1月 開館30周年記念文化遺産調査企画展「アラサーみゅーじあむ モノがたり」を開催 2月 千住で其角堂の俳諧屏風などを確認 3月 文化遺産調査特別展「千ヶ崎悌六―与謝野晶子を支えた足立の歌人画家―」を開催 8月 綾瀬で多数の古文書と絵画が確認 10月 文化遺産調査企画展「高橋廣湖―千住に愛された日本画家―」を開催 |
平成30(2018)年 |
3月 文化遺産調査特別展「谷文晁と二人の文一 時代を超える絵師ファミリー」を開催 六町の旧家で谷文一の作品と古文書が確認 10月 文化遺産調査特別展「大千住 美の系譜―酒井抱一から岡倉天心まで―」を開催(予定) |
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